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忘れられない不思議な人々(5)文房具店にいた謎の男
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いやホントマジで謎の男
大学生4回生の頃,下宿先の近くの文房具店に立ち寄ったら,その店内のシャーペン・ボールペンコーナーのところで,見知らぬ男性が声をかけてきました.
「◯◯(私)さんですよね?」
って.
どうやら向こうは私の事を知っているらしい.
軽やかで自然な笑顔を振りまいてくる.
男は20歳くらいの大学生っぽい感じ.
至って特徴がない風貌で,特徴が無さ過ぎるからこそ今でも覚えています.
私はこの人を知らない.
でも,かなり積極的に「いやぁ〜,どうもどうもぉ」ってな感じでフレンドリーに話しかけてくるから,こちらとしても,
「もしかすると以前どっかでお会いしたことがあるのかも」
と考えちゃいます.
それで「すみません,あなた誰ですか」じゃ失礼だぞ,っていうくらいの常識的感覚は私も持ち合わせているんで.
とりえあずこっちも笑顔で対応して,頑張ってこの人のことを思い出そうとするものの,やっぱり出てこない.
誰この人?
そんな状態で引きつった笑顔をみせていたことでしょう.
そのうち痺れを切らした私は,「えぇーっとぉー・・・・」って言いながら,あなたが誰だったかもうちょっとで思い出せるんですけど的な雰囲気を醸してみました.
そちらから名乗ってくれると助かります,っていう願いを込めながら.
私の願いは通じません.
そのまま,なんかよく分かんない世間話チックなものが続きます.
誰だっけこの人?
なんなのこの人?
話の内容からして,おそらく同じ大学に通う学生のようです.
そしてたぶん学年は下で,後輩にあたるっぽい.
でも,ぜんぜん見覚えがないんです.
そうこうするうち,店員から呼ばれました.
「お客様,出来上がりましたのでどうぞ〜」
と.
この文房具店は「合鍵」を作ってくれるところです.
この日は文房具を買いに来たんじゃなくて,合鍵を作りに来ていました.
タイミング的に,私には救いの声.
謎の男も,店員が私に声をかけていることに気づいたのか,話を切り上げることにしたのです.
そして最後に一言,
「いやぁー,◯◯さんとは,一度お会いしてみたかったんです.ありがとうございましたぁ」
って,初対面かよ!
なんという軽快なコミュニケーション.
君はいつもそんな感じで話してるの?
結局,その時に出会ったきり,二度と会うことはありませんでした.
学内でも全く.
なんだろう,世間話の練習だったのかな.
猛烈な勢いの人違いだっていう可能性もある.
でも私の名前を知ってたからなぁ...
ホント,謎.
ところで,私はこの文房具店で「合鍵」を作ること10回くらいの常連です.
別に,同棲相手をとっかえひっかえしていたわけではありません.
それに,下宿先のアパートの鍵は,そこを出払うまで一度もかけたことなかったし.
家の鍵はかけない主義です.
それは,隣の住民だった奴(大学の後輩S君:先日の記事に登場した)も知ってます.
作っていた合鍵は,大学構内の鍵です.
これがその合鍵.
連なっている鍵は,全部この文房具店で作った「合鍵」です.
RPGの「ドラゴンクエスト」に,同名のレアアイテムが登場しますが,それと同様,大学構内のありとあらゆる扉を開ける事が可能な便利アイテムです.
それは同時に,極めて危険なアイテムであることも意味します.
なんでそんな危険物を私が持っているのか?
それは私が,大学の先生方に頼まれて学内のいろいろな「仕事」をする際,いちいち施設課や守衛室に出向いて,施錠・解錠をしてるとやってらんないものが多く,
「面倒だから,お前,合鍵作って持っとけ」
って言われるパターンが多かったからです.
そのたびに,文房具店に行って合鍵を作ってました.
まあ,それだけ私が様々な先生方から信頼されてた学生だってこと(エッヘン!
そんなことが続いていると,いつの間にか学内のほぼ全エリアを解錠できる学生になっていたんです.
例えば先生の部屋とか,実験室とか,スポーツ施設とか,倉庫群とか,某特殊エリアとか,挙句の果てはキーボックスとか.
これって結構危ないことだと思うんですよ.
現在の安全管理体制じゃ,そんなことできませんね.
昔の大学はいい加減なやり方してました.
この合鍵の塊,そのほとんどがまだ使えるはずです.
だから依然として危険物です.
いつか返却処理をしようと思ってて,結局まだ持ってます.
近いうちにそうするつもりです.
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