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終わった・・・|シン・エヴァンゲリオンを見た

今日は終戦の日ということもあって,なんかそれらしいネタを入れようと思ったんですけど.
目下の関心事はこのアニメ映画なので,その話をします.


せっかくだから,昨日今日と2回見てみた.
一昨日からアマゾンプライムビデオで配信されているらしい.

今年の3月に公開された映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が,なんとこの8月という時期にアマゾンプライムビデオで無料配信されました.



映画館に足を運べない環境下にある私としては,どうせ年末あたりにネット配信されるのかなと思っていたので,「この機を逃すな!」の心境で飛びつきました.


思い返せば,大学院生だった2006年にネットの動画配信サービスサイトで初めてテレビシリーズを見てから,15年かけてようやくゴール.

私はちょうど,作品の公開当時(1995年)の主人公たちと同い年世代ということもあり,いろいろと心象が重なるところが多くて感慨深いものです.


「しっかり終わることができた」が正直な感想


見終わった感想ですけど,なんというか,「ちゃんと終われたぁ!」っていう感動があります.
「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」と似たような感じですけど,それよりもっと凄みがあるかな.

やっぱり思い入れが強い作品シリーズですから.
同じような人は世間にたくさんいるわけで,本作に対するレビューも皆さん熱がこもっているようです.

前評判がいいことは耳に入っていました.
記録的大ヒットになっているという話も.

一方で,最低最悪だという批判的な意見もたくさんある映画でもあるようでして.

今回は,そんな前評判コメントやネタバレを事前に一切入れずに観賞.

私としては,本作はこれまでの「エヴァンゲリオン作品シリーズ」をちゃんと完結させるために作られた映画で,その役割をしっかり担えた傑作だと思います.


【以降,作品のネタバレを含みますので御注意を】


たしかに,本作は物語としての面白みは少ないんですね.
でも,それは「エヴァンゲリオン」という一連のシリーズを完結させるためには仕方ないことだと思います.
むしろ,今までの作品をずっと見てきた人のための映画と考える方が良い.

私としては,このシリーズでずっと謎だった,そして,私個人としても,ここに焦点を当ててほしいと思っていた,主人公・碇シンジの父親「碇ゲンドウ」と「渚カヲル」の詳細が語られたことに感動しました.

盛大にネタバレになることですけど,要するに渚カヲルは碇ゲンドウだったんですよね.
両者は同一存在であり,二重人格的な存在みたいなものでしょうか.
碇シンジと冷ややか対峙するゲンドウと,逆に優しく対峙するカヲル.

ゲンドウが幼少のシンジを遠ざけ,親としての愛情を注がなかった行動の理由も分かったし,これと同じことを葛城ミサトが自分の息子に対しやっていることも興味深かった.
つまり,本当はシンジを愛してやりたいというゲンドウの願望が,カヲルという存在を作り出したと.


あと,碇シンジの中学時代の友人,鈴原トウジと相田ケンスケの存在も大きかった.
それは物語としてではなく,存在として.
とにかく,これでもかとトウジやケンスケの成長っぷりが丁寧に描かれています.

前作「Q」のキーワードのひとつだった,「エヴァの呪縛」.
14歳の姿から成長しない碇シンジや式波アスカ,綾波レイといった面々は,まるで「テレビシリーズの頃から成長(進歩)ができていない人」を暗喩しているようでもあり,本作前半部分は,この点にフォーカスされているようにも思えました.
と同時に,それは視聴者側にも向けられたものではないかと.

新世紀エヴァンゲリオンという作品の「呪縛」なのです.

つまり,「あなたは1995年から成長できていますか?」ということ.
もしかすると,庵野秀明監督,自身に対する問いかけなのかもしれません.

それだけに,ラストではちゃんとそれぞれが「成長・進歩」できて,それぞれの居場所に着地できたような描かれ方になっていた.
私が本作および本シリーズを「しっかりと終わることができた」と受け取ったのは,そういう点です.

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