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日本の農業がマジでやばくなってきたから本気で注意しておいたほうがいい
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参議院選挙の開票後バージョンを書こうと思っていましたが,本日,取引先の資材業者の社長さんからのっぴきならない状況を聞いたので,そっちの話題にしておきます.
もともと,ロシアによるウクライナ侵攻の直後にも,農業資材が高騰してて問題だ,っていう話は出ていたんです.
そしてこの夏,どうやら「価格高騰」で困っている場合ではない事態になったのです.
すなわち,
現在の世界情勢の影響を受けて日本の農業用資材が壊滅的になる恐れ大
ってことです.
これに農業用燃料(主に重油)が価格高騰する&足らなくなる可能性も追加されてきますので,リアルにやばい.
どうやら,今年の夏後半から秋にかけて,日本では農家が農業をしたくてもできない状態に追い込まれることが,ある程度確定してきました.
あ,申し遅れましたが,私は農業従事者です.
施設栽培をしています.
なので,電気代とか重油代とかエネルギー関係は丸々影響を受けているし,さらに輸入資材で仕込みをしているので,円安も痛い.
資材費がバンバン値上がりしていて,領収書を見るのが怖くなります.
実際,先日までは商品の「包装用フィルム」が入手できない状態になってしまい,農協にいろいろ融通してもらってなんとか出荷しています.
フィルムメーカーが平謝りの連絡をしてきましたが,どうやら,原油の調達ができなくなっているので,そもそもの商品である包装用フィルムの製造が追いついていないらしい.
先日,なんとか4ヶ月分(だいたい四半期を目安にしている)の包装用フィルムの納入にこぎつけたものの,念押しされたのが,「秋からはもっと厳しくなる見込みなので,2〜3ヶ月前までに予約してほしい」ってことです.
もともとは2週間前〜1ヶ月前に注文するものなのですけど,それくらい逼迫しているということ.
で,本題ですが,今日,取引先である農業資材業者の社長さんがこんなことを言っていました.
「中国とロシアから肥料が入ってこなくなったから,この辺りのいくつかの農家はもうダメだね」
実際,ここ高知県西部においては,既に入手できなくなっている肥料がいくつかあるようです.
今はまだ在庫があっても,秋からは入ってくる予定がないっていうのもあるらしい.
この話,ニュースにもなっていました.
■肥料高騰、農家は消耗 中国・ロシアから原料調達難航(日本経済新聞 2022.6.21)農作物の育成に欠かせない化学肥料の価格高騰が農業経営に影を落としている。原料主産国の中国が国内流通を優先して輸出制限したほか、ウクライナ危機に伴う経済制裁でロシアからの調達も滞ったためだ。影響は長期化が予想され、政府はカナダやモロッコなどからの代替調達を急ぐ。
例えば,その時にこんな記事が出ています.
■止まらぬ肥料価格の高騰に日本は耐えられるのか?(Wedgeオンライン 2022.4.3)肥料価格の上昇が止まりそうにない。穀物価格やコロナ禍による輸送費の値上がり、中国による環境保護政策の強化などの要素が絡み合い、国内では2021年の夏ごろから肥料の値上げが続いてきた。肥料の三要素の一つ、塩化カリは4分の1をロシアとベラルーシから輸入していたため、ウクライナ侵略に対する両国への経済制裁により、さらなる高騰が予想される。
そしてこの夏,どうやら「価格高騰」で困っている場合ではない事態になったのです.
つまり,「入手困難」の段階に入ったわけ.
私のところでは肥料とか農薬はほとんど使用しないため,これらの影響は受けずに済みますが,他の農家は「痛手」などと言っている場合ではないんです.
特に,この地域では「ニラ栽培」への影響は極めて深刻です.
上記の記事でも触れられていますが,この事態に対して「化学肥料を減らした農業への転換が急がれる」って述べられています.
でも,もはやこの状況では遅きに失していますね.
だって,問題が迫っているのは今年だもん.
化学肥料を使えなくなったから,じゃあ,今年から化学肥料を減らした栽培に転換しよう,なんて簡単な話ではないのです.
どれくらい減らせばいいのか,代わりに何をどれくらいどのように使用すればいいか,っていう諸々のノウハウは,何年もかけて確立するものです.
じゃあ今年から,って感じでやれるものではありません.
そもそも,化学肥料を使わずに済むなら皆それやってます.
化学肥料を使った方が経営的に安全だから利用しているという側面もある.
今後長期にわたって化学肥料を使えなくなるなら,いっそ農業から手を引こうかっていう農家も出てくるでしょう.
割りに合わない労働で消耗するより,さっさと損切りした方がいいと考える人は必ず出てきます.
「この冬,売り場から野菜が消える」っていうのは十分あり得る話
消費税不況にコロナ不況が重なり,緊急事態宣言不況にマンボウ不況,そして自粛不況と,まるで地獄の様相です.
特に外食産業が大変なことになっているので,とにかく食料関係が大ダメージを受けています.
私が作っている農作物の場合,去年から全国的にだぶついて価格が大暴落していました.
外食産業で消費しなくなったからです.
作っても市場に溢れかえっているから,値段がつかないわけ.
そんな状態がこのまま続くと,潰れていく農家が必ず出てきます.
同じようなことが,他の農家でも起きますよね.
これについて,
「状況が回復すれば,生き残ったところが大儲けできる」
などと言う人がいますが,そんな簡単な話ではありません.
なぜなら,食料品,とくに農作物というのは値段が高騰しないからです.
なんせ,国民の生命を守る物資ですから,市場原理に合わせて値段をつけられるものではありません.
それに,農作物の価格決定の仕組みはとても複雑です.
ただでさえ不況に喘いでいるのですから,「流通量が減ったから値段を大幅に高くしますよ」ってわけにはいかず,どうしても多くの国民(家庭や卸売,加工業者等々)が購入しやすい値段にコントロールされちゃいます.
だからこそ農業には所得補助のシステムがあるのですけど,そのあたりの事情が伝わりにくいので,まさに平時においては,
「高付加価値の農作物をつくって,それを高く売る農家が活躍できると良い」
とか,
「農業を六次産業化しよう」
などという世迷い言が通用するのです.
もはや今,日本が直面しているこの事態においては,まったくもって虚しい理想論でしかありません.
この20年間以上,この国ではずっと「食料自給率」と「国内自給能力」の確保が叫ばれ続けていたのに,まったくと言っていいほど放置してきました.
代わりに,「攻めの農業」とかいう意味不明なスローガンを掲げてたりした.
仮に,「生き残ったところが大儲けできる」というメカニズムが働いたとしても,それによって日本国民が得をすることはありません.
おそらく,どこかから輸入した謎の穀物や,どういうルートで届いたのか不明な食料品を購入しなければいけない日が来ようとしているのです.
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