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「旅館で帰るときに布団をたたまない方がいい」という話を聞いてもなお「それでも私はたたむ方がいいと思う」と言い出す人にだけはなりたくない

こんなネット記事がありました.

旅館の布団マナー、正しい空き缶の捨て方、エレベーターの鏡の意味【2022年…これ、知らなかった!】(Yahoo!ニュース|まいどなニュース 2022.12.30)
旅館に宿泊した際の布団の扱い方のお願いがSNS上で大きな注目を集めている。 
「『旅館の布団は朝起きてから畳まないで下さい。』旅館スタッフからの切実なお願い。気遣いや礼儀で畳んで帰る方が多いのですが清掃スタッフは『忘れ物がないか確認する』し、『洗濯するのにシーツ剥がす』ので畳んであると広げ直しているのです。広げたままでお客様とスタッフも楽になるお願いです。」 とその旅館スタッフからのお願いと実情を紹介したのは実業家のりく社長さん(@dream5to5)。
(中略)
エレベーターに設置されている鏡。「身だしなみを整えるため」や「防犯上のため」ではなく、鏡が設置されている本来の意味は別にあります。
「「エレベーターの鏡は髪型やメイクを直すためのものではなく、車椅子ユーザがバックで出るためのバックミラーなんです。」とつぶやくと、一部の学生から「知らなかった!」という反応がありました。
「鏡は車椅子ユーザのために設置されたものですが、多くの人の役に立つ。この感覚を知ってほしいです。」と伝えた」というツイートが話題になっています。

実は10代頃に,なんのめぐり合わせか「ベッドメイキング」の仕事をしたことがあります.
私の場合はホテルでしたが,上記記事で述べられている旅館の清掃スタッフには共感します.

まさにその通りで,私のところのホテルでも毎回布団をきれいに広げ直して丁寧にチェックして,しかもそれをわざとグチャグチャに丸めて回収袋に入れるのです.
なので,お客様が親切心できっちりたたんでくれていもて,実はスタッフとしては,それを無に帰す作業をしなければなりません.

さらに言えば,今はどうだかわかりませんが,当時(90年代末)は,洗濯機の能力不足なのかパワー不足なのかは不明ですけど,シーツなどは「グチャグチャに丸めて回収」しないといけませんでした.
シーツなどをたたんだ状態で洗濯機に入れると,洗浄ムラができるとかなんとかって言ってました.
まぁ,知らんけど(←本年流行語ノミネート).

実際,懇切丁寧にきっちりとたたまれて帰られている部屋もあって,きっと悪気はないのだろうと思いつつも,スタッフ側としては結構な勢いで手間が増えるだけでして...
なかには,どうしてそうなった? って思うくらいピッシリとたたまれたシーツと布団もあったりして,むしろ,事情を知っている業界関係者による嫌がらせじゃないかと疑うこともあります.

そんなわけで,私も折に触れて「ホテルのシーツや布団は,適当に放置で帰った方がスタッフのためになるよ」と広めていたものです.


さて,そんな懐かしい経験を思い出せてくれた上記のネット記事ですが,そこにあるコメント欄にこんなものが散見されます.
それでも帰るときはちゃんとたたんだ方がいいと思う
布団をどうするかは,客の好きにさせてくれ
宿泊施設側の都合を客に押し付けるな
等々....
なんとまぁ,さすがですね.

冗談抜きで,こういうメンタリティが,日本のコロナ騒動を加速させている要因だと思ったりもします.
一般市民もですが,たぶん,専門家と称される人たちもこの泥沼にハマっていると思われ.

つまり,
事実や真実,事情や状況を知ったとしても,自分が正しいと思っていた行動や思考を変えるつもりはありません
という態度です.

確証バイアスみたいなものでしょうかね,なんかそういう心理的な働きがあるんでしょう.

「それでも私はたたんだ方がいいと思う」って言ってる人は,おそらく自分がそれまで宿泊のたびに布団をたたんでいて,その(善意の表現としての)行為にケチをつけられたような気がしてムカついているのかもしれません.

でもさ,「旅館のスタッフさんは,布団をたたまずに出た方が喜んでくれる」っていう情報をこのたび得られたんだから,素直にそれを受け取って「次からはたたまないようにしておこう」ってことにすればいいんじゃないかと思うんですけどね.

実際,そうやって行動を変えることの方が,よっぽど善意の行為でしょう.

それに,「この記事では旅館の場合だったが,ホテルの場合はどうなのか?」とか,「逆に,たたんでくれた方が喜ぶ宿泊施設はあるのか?」っていう情報を集めたり,提供したりといったコメント欄になるのが健全ではないかと思ってしまいます.

むしろ私としては,この手の情報はどんどん表に出てくれた方が,お互いのためにもいいと考えています.

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