2009年2月28日土曜日

卒論発表ごくろうさまです


今日は卒業論文発表がありました.



疲れました.
いろいろと.


毎年のことですが,自分が関わった学生の修論・卒論発表はめちゃくちゃ緊張します.心拍数が急上昇し,“手に汗握る” とはこういうことだと言わんばかりの状況になってしまいます.
自分が自覚している以上に心配性なのかもしれません.

自分自身の発表ではそれほど緊張しないのに不思議です.

自分が主だって担当していた研究室の学生は,思っていた以上にしっかりと発表でき,上々の出来映えだったと思います.
その学生の感想としては,質疑応答に適切に答えられなかったことを悔やむ声もみられましたが,もともとその研究の限界,もしくは不備であった部分もあるわけですから,その中での回答としては上出来です.


それ以外の知り合いの学生の発表としては,かなり厳しい状況のものもありましたが,やれるだけのことはやった,と言ったところでしょうか.

1人に設けられた発表時間が8分間ですから,かなり複雑で大掛かりな研究をした学生にとっては短くて不十分な発表しかできなかったかもしれません.
その彼らは,昨夜夜遅くまで最終チェックをしていたようですので,自身の発表終了後に一気に気が抜けてウトウト居眠りする姿も見られました.

知り合いの中に,社会学系の学生で “スポーツ実施・参加率と地域アイデンティティとの関連” をまとめた学生がいました.彼女は発表前にはかなり不安がっていましたが,言いたいことを非常にうまく表現できていて感心しました.自分が大学4年生だった時にあそこまでできるかどうかわかりません.
その学生には質問もしてみましたが(その質問にはかなり “毒” があったので,うまく応えられるかどうか逆に心配でもあったのですが),上手に応えられていたので,しっかりと勉強できている様子が伝わってきました.

まぁとりあえず,
皆さんお疲れさまでした.
この経験はかならずやこれからの人生に活きてくると思います.


それにしても,各学生に対する先生方から出た意見・コメントが,結構キツいものが多かったのが意外(?)でした.
データの解釈について根っこから問うものがあり,学生があたふたする場面も.

なので,というわけでもないのですが,このブログを読んでくれている(特に)院生・学生にとって,「データ解釈」について参考になる書籍をいくつか紹介したいと思います.

まず古典としてはダレル・ハフ 著『統計でウソをつく法』.「だまされないために,だます方法を知る」というスタンスで述べられています.データの取り扱いについて書かれているものとしては,これ以上の分かり易さを上回るものに出会ったことがありません.基本的なことがメインですが,それだけに一読の価値ありですよ.

データ解釈の注意点については谷岡一郎 著『「社会調査」のウソ』と,門倉貴史 著『統計数字を疑う』がオススメです.データ解釈には広い視野で挑まなければいけないことが分かります.両著とも社会学とその調査を主に題材としていますが,これは実験研究においても同じことが言えるでしょう.複合領域であるスポーツ科学では是非とも必要なリテラシーです.
これらについては,以前紹介した 細野真宏 著『数学嫌いでも数学的思考力が飛躍的に身につく本』 でも学べるところです.

データ解釈の難しさと重要性について,もっと具体的なテーマで紹介しているのは,赤川学 著『子どもが減って何が悪いか!』と,松永和紀 著『メディア・バイアス』です.前者は少子化問題を問題にする問題点,後者は健康情報やニセ科学を題材にしており,データの本質をつく視点の大切さを説きます.どちらもデータ解釈のことだけでなく,少子化問題やメディア報道のいい加減さを知る上でも有益です.

肩の力を抜いて,それでいて一級のデータ解釈のお手本として読めるのが,パオロ・マッツァリーノ 著『つっこみ力』,同著 『反社会学講座』
「データって解釈のしようなのだな」 という気持ちにさせてくれます.おもしろおかしく笑いを取ろうとしている中にも “データ解釈” ということに重要な示唆を含んでいます.
暇つぶしに読んで勉強になるといった感じです.

ここまで挙げたものは社会学系が主ですので「ちょっと取っ付きにくい」という人には,よりスポーツ科学,特に自然科学として具体的に取り扱ったものとして,ジェリー・トーマス,ジャック・ニールソン 著『身体活動科学における研究方法』があります.
ちょっとお値段がはりますが,今から購入しても遅くありません.これから大学院に入る人は是非購入してください.

みなさまの研究生活の足しになったら幸いです.