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春一番でしょうか

今日は今年の春一番だったでしょうか.
暴風吹き荒れる日でしたね.

朝の通勤時には身の危険を感じる瞬間もありました.春分の日も過ぎましたし,いよいよ春に向かって暖かくなる一方でしょうか?

私にとっての花粉の季節も終わったようです.
眼を取り出して洗いたい気になるでもなく,鼻の皮がむけるんじゃないかと思うほど鼻水拭き取るわけでもなく,比較的 春 を気分穏やかに迎えられる花粉症患者の部類です.

職場に行ったからといって特に何するでもなく(休日なので),今日は,
(1) ネット検索 と,
(2) “いつもの番組” を見る のと,
(3) 読書 と,
(4) 「大学院入学を辞めたい」 と言って部屋に居座る後輩の話し相手
に費やした日でした.


まだ上巻だけですが,サイモン・シン 著 『暗号解読』 はブックレビューに絶賛コメントが多かったので購入.
暗号とその解読にまつわる逸話,暗号の黎明期,あの有名な 「エニグマ暗号機」 の誕生と解読までを,平易な中にも読み応えのある文章で解説しています.

典型的な暗号の一つであり,いろいろ改良されながら19世紀まで利用された「アルファベット置換式暗号」.
例えば 「大阪(OSAKA)」 であれば,「TBNGN」(適当ですよ)といったもの.

この暗号を利用した文章の解読には正面から向き合っては絶対に解けない.
この単純で難解な暗号を最初に崩したのはアラブ人だそうです.
その解読方法はというと,アルファベットの文章の特性として T と E が多用されるところを利用します.the, tree, mother, butter などなど.

この特性を利用して,暗号中に多用されているアルファベットをTかEに置き換えるのです.
そうやっていくと,典型的な例としては,先にあげた theやmother のようにTとEが一字飛びである場合は,それが H であること,butterなどのようにTとEが続いた場合は,そのあとの文字が R であることが推察できます.

こうしていくと,なんとなく単語がいくつか浮かび上がってくる,という寸法.
具体例としては 「OSAKA = TBNGN」 の例であれば,[T = O], [B = S], [G = K] ということが判れば, 「TBNGN」 は 「OS●K●」 というところまで分かることになります.その後は文脈からこの 「OS●K●」 が 「大阪」 であることを推測できます.

こうした暗号解読の才能は 「クロスワードパズル」 である程度量れると考えられていたらしく,第二次大戦時にはイギリス軍が新聞のクロスワードパズルのコーナーで解答応募の中から優秀な人をスカウトしていたそうです.

暗号が解読されたが故に処刑されることとなったスコットランド女王 メアリー.
イングランド女王 エリザベス暗殺計画にまつわる暗号に関する逸話なのですが,この話は “暗号がどのように解読されたのか” ということよりむしろ,利用者が暗号に対して抱く 「安全である」 という気持ちが,行動に慎重さを欠くものにした,という教訓が読み取れます.
騙そうとしている者ほど騙し易い
と言ったところでしょうか.

ドイツが誇る難解な暗号作成機 「エニグマ」 についても,緻密な取材に基づいてその仕組みや逸話を盛り込んでいます.
このエニグマですが,これを連合軍が奪取するエピソードを,チョッと前に映画化されていましたね.マシュー・マコノヒー 主演の 『U-571』 (2000年) がそれです.
その映画を見たときには,エニグマ暗号機さえ奪取すれば解読できてしまうような印象を持っていましたが,実はこのエニグマの 「コードブック」 こそ最重要なもので,これがなきゃエニグマはだたの使えないタイプライターでしかないんだそうです.

必死に暗号作成・解読になっている諸外国をよそに,旧日本軍はこの情報戦にめっぽう疎かったのは周知の事.

例の真珠湾攻撃に際しても,その攻撃情報はアメリカ軍に筒抜け状態だったそうです.
ならどうしてアメリカはハワイ・真珠湾の部隊に迎撃態勢をとらせず,みすみす多くのアメリカ兵に犠牲を被らせたのか?
これについては暗号解読以上にダークな逸話なので別の機会に.