2009年3月29日日曜日

ランニングのこと


『意外と知られていない事』 として,前回はタンパク質サプリメント(プロテイン)のことを取り上げました.

今回はそのついでとして,「ランニング」 ,こと 「体脂肪燃焼」 のことをテーマにしてみます.

先日も,
「結婚式までに,なんとしてでも5キロ痩せたい!なんとかして!」
と,式のヒロインになる人から脅迫を受けたところです.

「やっぱ走らなアカンのかなぁ~」
という鬼気迫る想いが伝わってきました.

「いらんもんを食べなかったらいいんじゃね.例えば今食べてる飴とか」
と,親切 で 的確なアドバイスをしたら空気が凍りつきました.コワいコワい.


私自身聞いたことがあるフレーズで,たまに雑誌やネットでも見かけるのが,

「10分以上走らなければ脂肪は燃えない」
「15分後から脂肪が燃え始める」
「一日30分以上走り続けなければ脂肪は減らない」
「苦しいほど走ると体脂肪が燃えない」

というもの.

まぁ...,
体脂肪を燃やすための 「気持ち」 としては間違いではないんでしょうが,正確ではないといったところ.

まずは
>10分以上走らなければ...
>15分後から脂肪が...
ということに関しては結構な間違い.
実は脂肪は “常” に燃えているのです.

私達の身体は 「ATP」 という物質で動いているのですが,このATPをつくる方法はいくつかありまして,その一つに脂肪を利用する方法があります.この脂肪を利用してATPを作ることこそ,いわゆる “体脂肪燃焼” なわけです.

大雑把に言うと,身体には3つのATP製造方法があります.
これをイメージしやすく分けると,
(1) 脂肪を燃やす方法
(2) 糖を燃やす方法
(3) クレアチンリン酸による爆発
の3つです.

で,肝心の (1) の 脂肪を燃やす方法ですが,これは先にも言いましたように “常” に稼動しています.身体にとって脂肪というのは非常に莫大な量の燃料(だから世の女性は困っている(?))ですので,チビチビと常に燃やして生命維持活動,ようするに日常生活をしているわけですね.

ここで重要なことは,こいつが最も働いてくれる状況・運動強度があるということ.
それがランニング・ジョギングの運動強度というわけ.「走りながらしゃべれる程度」 とよく言われます.

で,もう少し理解するために複雑なことを言うと,日常生活や,こうしてパソコンうってるような状況(安静時)だと,だいたい,[ 脂肪-7割 : 糖-3割 ] でATPを作っています.
歩いたり階段登ったりするようになると,徐々に脂肪を燃やす量が増え,同時に糖を燃やす量も増えてくるのですが,ジョギング以上の運動強度になる,つまり楽しくおしゃべりできないほどのスピードで走るようになると(非日常),身体が 「もっともっとATPが欲しい!」 っていう状況になるわけです.
ところが,脂肪を燃やす方法ではこれに追いつかなくなり,身体はATPを作るために融通が利く糖を燃やすことに一心になります.

>苦しいほど走ると体脂肪が燃えない
というのはこのことを表現しているのでしょうが,実際は脂肪を全く燃やさなくなるわけではありません.
燃やす量が少し減る,という程度です.どんな運動でも脂肪は一定以上で燃えています.

ところで,ジャンプとかダッシュみたいに爆発的にATPが欲しい場合は,景気良くクレアチンリン酸に着火させて爆発的に作ります.
クレアチンリン酸は爆発的にATPを作れますが,反面,アッという間になくなります.だいたい10秒前後しかもちません.
全力走をすると,100 mを過ぎたあたりからスピードがガクンと落ちるのはこのためです.10秒以上の全力走では,そのほとんどを糖を燃やして走っています.

>一日30分以上走り続けなければ...
というのは,30分以上走るためには 糖 とか クレアチンリン酸 では無理だという現実的な部分と,30分以上走っている人に健康な人,スタイルがいい人が多い,という経験論的な部分が大きいでしょう.

ここまで読んでくれた人にはわかると思いますが,XX分以上走り続けなければ脂肪が燃えないということはありません.
だから朝10分-昼10分-夜10分と分けて走っても,まとめて30分走っても同じことです.
現実的にはまとめて30分走るほうが楽で都合もいいでしょうが,そういうことです.


というわけで,痩せたいなら,”まず”, いらん物を食べなければいいのです.
脂肪は常に燃えています.景気良く燃やしたいなら歩いたり走ったりするのがいいのでしょうが,実際きついですよ.
間違ってもらっては困りますが,「食事を減らすこと」 が 走ること “よりも” 体脂肪が燃えると言ってるのではありません.
“脂肪は常に燃えている.わざわざ大変な思いをしなくても” ということ.

ランニングや自転車を漕ぐことに固執しなくても,健康を維持するために運動は必要ですので,何かしらのスポーツやフィットネス・エクササイズには取り組むのはいいこと.または,身体運動が伴う仕事に就くことでしょうか.

まずは食べる量を減らして脂肪を減らし,そのあと運動を始めるのが楽ですし得策かと思います.
三日坊主にならない精神と根性があるなら,しょっぱなから運動を追加するといいでしょう.