2009年9月14日月曜日

体力と競技力

イチローが9年連続200本安打を決めました.
凄い人です.

その技術レベルの高さと精神力には脱帽ですが,同時に彼の体力レベルはどれほどなのか?といったことにも興味があります.


最近,私が勤めている大学の体育会系クラブの体力測定結果と競技力との関係性を分析しています.
レギュラー格選手や好成績を残している選手と,そうでない選手の体力測定結果を比べるというものです.
結論から言えば両者に差はありません.
いずれのクラブにおいてもです.

当たり前ですけどね.体力と競技力に関連性がないことはスポーツ科学の常識ですから.
では体力トレーニングをなぜやるのか? というと...,
うーん....難しい問題だと思います.
実際に,体力トレーニングをきっちりやっている選手が競技成績が良いわけではないことは確かですし.むしろ本学の結果をみると,レギュラー格選手よりも補欠・底辺選手の方が体力水準は高いのです.

ただ,両者を平均値化して比べてしまうと差はないのですが,一人一人の測定結果を吟味してみると,やはり強い選手というのは何かの値が圧倒的に優れているケースが多い.ここに秘密が隠されているかもしれません.

つまり,その競技にとって最低限の体力水準を確保すれば,あとは個性化 (特徴化) した体力を有することが重要なのではないか?
「体力」 を生物が持つ “生きるための力” と位置づけるならば,生物の進化と同様に,その環境で生きるために最低限必要な体力を手に入れた後は,まわりよりも特徴的な能力を持つことで競争を生き抜いているのかもしれません.種々の生物を比べると,どれが一番体力がある生物だとは言えませんが,それぞれの環境において頂点を極めた生物です.

こうした視点から考えると,その競技にとって最低限必要な体力水準はどれほどか?といったことや,まわりよりも特徴的な体力を得るための戦略を練る必要がありそうです.

環境にそもそも耐えられなかったり,特徴的な戦略を選択できなかった生物が淘汰されてきたように,スポーツ選手の体力トレーニングもこうした戦略の上に計画されるべきなのかもしれません.