2009年12月21日月曜日

F-X


昨日の続きではないですが,比較的重苦しいテーマをひとつ.

民主政権の痴態ばかりが目立ち始めた政局ですけど,すっかりなおざりになってしまっている重要懸案があります.

次期主力戦闘機(F-X)についてです.
いまだ難航している戦闘機の機種と注文先.普通の買い物として考えても非常に難しい決断が迫られています.
2011年から導入することになっており,2010年には注文先を決定してなきゃいけないという状況ですが「あれでもない,これでもない」と優柔不断にモタモタしています.

一時期,次期主力戦闘機の有力候補として名が挙がっていたF-22ラプター(写真)ですが,そのあまりに強力過ぎる戦闘力にアメリカ政府が出し惜しみ.ロッキード・マーティン社としては売りたかったようですが,政治的理由でおじゃんになっています.
そもそも,今のご時世にF-22ほどの性能(1機で3機の戦闘機を撃墜できる)が必要なのかという部分もあり,べらぼうに高価格だったりもして私としてもこの機体はいらないと思います.

で,代替案として出てきたのが同じくロッキード・マーティン社が販売しているF-35ライトニングⅡ.
最有力候補として知られていますが,納入が早くとも2010年代中頃になるというのが最大の懸念材料.
航空自衛隊としては,老朽化したF-4が2006年から退役し始めていることもあり,早めに主力戦闘機の数を揃えたいという事情もあるのです.
対地攻撃能力,垂直離着陸機能,ステルス,最新アビオニクス,それでいて低価格と至れり尽くせりの機体ですが,いかんせん納入が遅い.

そこで対抗馬として最近注目の商品が,ユーロファイター・タイフーン.
採用がぽしゃったF-22ほどの戦闘力はありませんが,それに肉薄する性能を有するヨーロッパ(ドイツ,イタリア,イギリス,スペイン)で開発された最新主力戦闘機です.しかも,即納OKときています.
低速の対空ミサイルであれば楽に振り切るエンジンを持ち,操縦・兵器操作システムも斬新でクールなものを取り入れています.
実はこの機体,採用すれば日本にとってメリットがたくさんありまして.
開発元のユーロファイター社は日本でライセンス生産するにあたり,機体設計のブラックボックスを設けない契約にしてくれるようです.つまり日本で独自開発した部品・機器を搭載することも可能であるということです.
これはめちゃくちゃ凄いことで,このタイフーンを買えば,もれなく世界最新の戦闘機技術が手に入り,しかもカスタマイズ自由という美味しい契約です.
ヨーロッパ(ユーロファイター社)としても,日本の科学技術を分けてくれることを望んでいることが考えられ,win-winの関係を期待しているのでしょう.

ただ,タイフーンを買うとなったらアメリカが怒りだすかもしれませんね.
また何かヤクザみたいなこと言い出してくるやも知れません.


戦闘機一つ買うのも慎重にならなければならないのです.「あれ一つ,これ一つ」と適当にはできんのです.

他にも,不敗神話を持つ「改良型F-15イーグル」や,米軍活躍度No.1の「F/A-18スーパーホーネット」が候補に挙がっていますが,それぞれに短所もあり.
F-15は最も信頼できる性能である反面,設計思想がかなり古く,「次期主力」としてはどーか?という不安があります.
F/A-18は高性能である反面,もともと米海軍の艦載機であることから多数の艦上用機能がついているので,空母を持っていない日本用に再設計して輸入しなければならないという手間があります.

性能だけで選ぶならF-35でしょうけど,これからの “日本の翼” を憂うならタイフーンの購入がベストな気がします.
かつて日本は,「傑作」と呼ばれ世界の航空機界で伝説になっている戦闘機を作った歴史があります.
今でこそ日本は航空機開発からははじき出されていますが,日本の航空技術の向上にタイフーンが “台風の目” になってくれるかもしれません.
これを足がかりに,日本の主力戦闘機 単独開発を夢見るのもいいのではないでしょうか.いやむしろ今後の日本の航空技術の発展と国防にとっては重要な機会になるはずです.

軍事技術の発展はその国の科学技術を押し上げます.
次期戦闘機の選定も,先を見越した決断をしなければなりません.
軍事アレルギーが著しい日本人ですが,こういったことにも目を向けておきたいものです.