2010年8月27日金曜日

鉄板ネタ


ジョギングを始めてそろそろ1ヶ月になります.
あれだけ有酸素運動嫌いだった私が今ではすっかり日課です.

根本的に私の日常の運動量が少ないことが,ここまで続いた理由の一つではあると思います.
運動を欲していたのです.私の体が本能的に.そんな感じだと思います.

普段は運動を指導する立場にある私ですが,なかでもジョギングとかウォーキングといった「有酸素運動」は指導する頻度が高い運動の一つです.

今回は私の指導経験の中でも,有酸素運動について絶対にスベらない鉄板ネタを紹介しましょう.
それは,
「“X分間 走らないと(歩かないと)脂肪が燃えない” というのはウソ」
というもの.

たいていの人(というか,ほとんど全て)が「10分以上走らないと脂肪は燃えない」とか「20分目から脂肪が燃え始める」なんてことを信じています.
だから,それを根本的にくつがえすネタなのでウケること間違いありません.

「エー!そうなんですか!?」
となって,
「じゃあ,どれだけ運動すれば?」
となるので,それからまた話を展開していけばOKです.

ただ,この理論は結構やっかいものです.
この理論が蔓延しているせいで「20分目からが私と脂肪との勝負」みたく思われています.
有酸素運動=ストイック,と受け取られている気がします.
これが日常的に運動を取り入れる敷居を高くしている要因かもしれません.

そうかと思えば,なんかよく解んない運動がブームになっては消えて.
いっこうに真っ当な運動が定着しません.

そもそも,なんでこんな話が広まっているのか謎ですが,脂肪燃焼のための運動条件として確固たる地位を築いているトンデモ理論の一つです.
私も聞いたことがあります.
でも,どこで聞いたのか記憶にありません.
なんとなく日本人が運動するにあたってぼんやりと漂っている理論なのです.

おそらく,ACSMあたりが提言している「1日当たりの運動量の目安・30分」を拡大解釈しているものと推測されます.

「10分や20分くらいではダメで,30分くらいの運動をしなければならない」
から,
「30分間運動をし続けなければならない」
となって,
「10〜20分以上したら脂肪が燃える」
という噂になったんでしょうかね?


真面目にスポーツ指導をしている人達からすれば当たり前のことですが,世間一般の人々にとっては天地がひっくり返るような,まさにコペルニクス的転回な話のようですよ.

どのテキストにも30分間運動し続けろ,なんて書いていません.
あくまで1日当たりの総運動量のことで,朝に10分,夕方20分くらいの運動をすればOKということなんですが.
それも,「有酸素運動が望ましい,適している」,という表現が多いだけで,「運動」の種類までも限定しているものはないのです.


効果的な脂肪燃焼に関していえば,「脂肪が最も利用される運動強度がある」というのが妥当なところでしょうか.
書籍によって微妙に異なりますが,だいたい「最大酸素摂取量(VO2max)の60〜80%」の運動強度です.
VO2maxの%で話されても解らないというところもありますから,簡単にこの運動強度を「運動中の心拍数」として算出する方法があります.

=(220−年齢−安静時心拍数)÷ %運動強度+安静時心拍数

*年齢=歳
*安静時心拍数=拍/分
*「%運動強度」のところに60〜80%(0.6~0.8)を入れて計算

これを,カルボーネンの式といいます.
算出された数値の心拍数で運動すれば,ちょうど「%運動強度」で狙った強度になるという,有酸素運動の強度を決める非常にベーシックな計算式です.

でも,60〜80%ですか...,幅がありますね.

まぁ,実験室的には80%くらいの強度が最も脂肪利用量が多いのですけど,この強度は結構きついので,スポーツを本格的にやっていない一般の人が実施するのは無理があります.
よほど意志が強い人でない限りは挫折します.

なので,60〜70%くらいが現実的なところです.
経験知的な意味合いの研究報告にも,この強度でやった方が効果が高いという報告が多いようです.
主観的な感覚でいえば,「ややきつい」と感じる程度ですね.

とは言え,ぶっちゃけた話をすると各人が気持ちよく運動できる程度に調節していけばいいのが本音.
体が徐々に慣れてくれば,勝手にスピードを出して走ったり歩いたりしたくなるものです.
問題は,その運動をいかに飽きずに続けることが出来るか?なんですけど,これが一番難しい.

音楽(iPodとか)聞いたり,ハートレイトモニターつけたり,コース環境,使用マシンを良くしたりetc...
アイデアとかファッション性を出しながら工夫していくしかないですね.
運動指導者としての大きな課題です.