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趣を変えて


趣を変えて,ということでタイピング・変換したら趣(おもむき)という漢字がこんなんなんだということを初めて知りました.
以前も漢字にかんする記事を書きましたが,漢字を覚えることは一筋縄ではいきません.
やはり,語彙力をつけることが先です.
漢字は覚える必要はありません.

さて,今回は趣を変えるということで,「ドラゴン」について取り上げようと思います.
そろそろ民主党の悪口を再開しようとも考えたのですが,もう少し放置します.
取り上げるほどの価値もありませんしね.さっさと誰かが民主党本部に火炎瓶か銃弾による怒りをぶつける時期が来ていると思います.


で,
なんでドラゴンなんだ,ということですけど,特に意味があるわけではありません.
たまたま本棚にF.E.A.R 著『ドラゴン』という本があったので取り上げてみました.
無理矢理こじつけて意味をつくるとすれば,今年の大河ドラマが「龍馬伝」ということで,その「竜」を取り上げるということで.
まぁ,そのうち「馬」についても取り上げますね.


ここまで有名な幻獣も珍しいほどに知名度抜群のドラゴンですが,その存在を本気(マジ)で調べたこともなかったので,これをいい機会に,と手に取った書籍だったと記憶しています.
今回,もう一度読み返してみました.

先ほど私は「ドラゴン」と「竜」を同一視しましたが,実際には似て非なる存在です.
ドラゴンは西洋,竜は東洋の文化から生まれたものであり,その意味するものも違います.

ドラゴンは西洋文化において絶対悪,畏怖,立ちはだかる脅威としての存在であり,これを退治,または支配するといった趣旨の文学や伝説が多いのです.おそらく,人間の前に立ちはだかり,克服し難い「自然」の驚異を象徴した幻獣なのだと考えられています.

一方の「竜」は偉大な力を持つ神聖な霊獣としての存在であり,これによって文明の発展や生活の豊かさが左右されるものとして描かれることが多いのです.雄大で逆らうことの出来ない「自然」を象徴した神秘的な霊獣なのだと考えられています.

ここから言えることは,ドラゴン(竜)という幻獣を通して西洋と東洋における「自然」への接し方の違いをみることができるのです.
西洋における「自然」は克服・支配すべきもの,東洋においては共存・従属すべきもの,という哲学が垣間みれます.
こうした東西世界の自然への観点が,ドラゴン(竜)という類似した容姿による幻獣・霊獣を通して考察できることは興味深いですね.

もう少し付け加えると,
西洋において自然を克服し,解明しようとする姿勢が「自然科学」すなわち「科学 Science」を生んだという経緯があります.
「科学」は現代における “ドラゴン退治” であり,科学者は現代における “ドラゴンスレイヤー” とも呼べるのかもしれません.


ところで,ドラゴンを取り上げるからには無邪気な男の子の感覚で気になるのは「最強のドラゴンは何か!?」というところです.
いろいろ読んでみて,あえて私の独断と偏見によりランキング化するとすれば以下のようになります.

第1位:ヒュドラ
まさに最凶・最悪のドラゴンです.
容姿はヤマタノオロチのように無数の頭を持ち,一説には百以上の頭を持っているとされています.
巨大な体躯,凶暴かつ高い戦闘力を有します.その血液も触れるだけで神々をも死に至らしめる猛毒です.
英雄ヘラクレスが最も手こずった敵として神話にも登場します.
ヒュドラの存在自体がとにかく最強の悪としての存在なんですから,文句のつけようがありません.

第2位:アジ・ダハーカ
魔力は最強のドラゴン.
千の呪術が使えるとされ,ゾロアスター教における暗黒の力の結晶として存在しています.
容姿は3つの頭を持つ巨大なドラゴンです.
この世に存在するもの全てを破壊するために生まれたという,迷惑極まりないヤツです.

第3位:レヴィアタン(リヴァイアサン)
体格および支配力は最大のドラゴン.
旧約聖書に出てくるバカでかいドラゴンで,人間世界や自然そのものを支配している存在です.このドラゴンの思いつき一つで世界がぶっ壊れるんですから,たまったもんじゃありません.
こうしたレヴィアタンの存在は,ホップズ 著『リヴァイアサン』の中で,「万人による万人の闘争である人間社会」をコントロールする “国家” の比喩として登場します.
誰も逆らうことが出来ないんですから,黙ってついて行くしかないヤクザの組長みたいなドラゴンです.


まぁ,こうして調べ直してみてみますと,ドラゴンも多種多様で世界中に伝説があるんだなということがわかります.
世界は広しと言えど,各地域の人々は同じような幻獣を創造して自然というものを捉えていたのですね.