2011年7月13日水曜日

Scammon curve 2

このブログで最もアクセス数の多い記事は「Scammon curve」なのですが,それはきっとスキャモンの発育曲線の図を見たい人のアクセスなのでしょう.

これも予想ですが,資料とかパワーポイントのスライドに利用したくて検索している人が多いのかもしれません.


あの図はもともと拾い物でして,私が作ったものではありません.

せっかくのなので,私がパワーポイントなどでプレゼンするために作った図を置くことにしました.
何かの時にご利用ください.


ファイルはPNG形式にしました.
線と文字以外が透けるので,何かの写真を背景にした上に表示するとき便利かと思います.
いらなければJPG形式で保存してください.

あと,外国語圏の人も利用しやすいように軸タイトルや凡例の文字を消したやつを下に置いています.


私がパワーポイントのプレゼン用につくったスライドを画像にしているので,結構な大きさまで広げられるかと思います.


ところでこのスキャモンの発育曲線(臓器別発育曲線),以前の記事でも取り上げましたが,この図を見てどーのこーのと解説することが実はあまりできないんです.
「ヒトってこんなふうに大きくなっていくんだよ」というだけです.
でもまぁ,それをシンプルに示すこと自体が最高に科学的で面白い部分でもありますが.

この曲線の出来があまりに良くって面白いもんだから,下手なこじつけや誤解をしている解説をみることが多いくらいです.

例えば,神経系の発達は6歳くらいで成人の約90%,12歳くらいでほぼ100%まで至りますが,だからといって頭の働きも100%になるわけではありません.

この図は神経系(つまり脳)の重量や容積の成長度を表しているだけです.
脳の大きさ・重さ=頭の働きではないことが知られていますので,神経系の曲線をそのまま知能の発達として説明はできません.

スポーツ指導の世界だと,一般型(つまり身長や体重)の発達が緩やかになり,神経系の発達がほぼ完成している9歳~12歳が運動学習をする上で最高の条件が整った時期だとすることもあります.
「ゴールデン・エイジ」なんて呼ばれたりします.

でもこれ,こじつけの部分が多く,臓器の発達と運動学習の関連性は根拠が無いのが実際のところ.

だって,その考え方をもとに曲線を素直に読み取ったら,18歳〜22歳前後くらいが最も “体格の発達が緩やかで神経系が完成している” とされる「ゴールデンエイジ」になるじゃないですか.

スキャモンの発育曲線を出さなくとも,現実的な子どものスポーツ指導において,最も指導しやすい時期,それが9歳〜12歳というだけなんです.


ただし,ジュニアスポーツ選手の指導において,図で言うところの13歳〜15歳くらいは要注意の時期であることはたしかなんです.

というのも,ここは第二次性徴にあたる時期で,身長や体肢が急激に伸びます.
短時間のうちに自分の体のサイズが変わるわけですから,小学生くらいの時期に身につけた技術の感覚が狂いやすいのではないかと考えられています.

このように急激に身長や体肢が変わっている時は,それまでの指導方法では上手くいかない可能性もあります.
感覚やコツの教え方に一工夫をいれる必要があるのかもしれません.


成長は個人差が大きく,十把一絡げにはいきません.
発育の概念をつかむには有用ですが,平均値を示しただけのスキャモンの発育曲線はあまり有用ではないのが正直なところです.
一人一人の子どもの成長を的確にモニターする指導法の開発が重要になってきます.