2015年4月30日木曜日

大学をグローバルにするってどうするの?

大学のグローバル化.
これを論ずる記事を書くことは敢えて避けてきたのですが,やっぱり少しだけ愚痴ってみようと思います.

スーパーグローバル大学に選ばれちゃった大学は今,非常に頭を抱えております.
「選ばれちゃった」という表現は嘘ではなく,まさにこの「選ばれちゃった感」が全学的に漂っております.
スーパーグローバル大学に当選した大学の先生方に聞いてみたところ,どこもそんな感じでうなだれています.
それがスーパーグローバル大学の実情なんです.

そもそも,文部科学省からスーパーグローバル大学の指名を受けるためには,「スーパーグローバルになる大学はおらんかぁ?」という呼びかけに対し,「俺たちはこんな活動を展開してスーパーグローバル大学になるぞぉ」という趣旨の応募書類を作成して申し込みます.
つまり,その大学に「スーパーグローバル大学になるぞ」という意志があることが建前でして.

そして,応募書類の中から文部科学省が気に入った大学が見事スーパーグローバル大学として今後10年間,補助金を受け取れるということになるわけです.

大学としてはこの補助金が凄く大事でして,だからスーパーグローバルに応募しているんです.
2018年に18歳人口の減少が加速するという「2018年問題」を抱えている大学としては,スーパーグローバル大学に選ばれることは美味しいんです.

これは逆に言えば,スーパーグローバルを2018年問題への食いつなぎ策,懐の余裕としての価値しか見出していないというのが実情ですから,選ばれちゃって困っちゃうというのは当たり前なのです.

「文科省に提出した応募書類にはスーパーグローバルになるための「今後の計画」を出しているんだろ? それが評価されて当選したんだろ? だったらそれを粛々と実行すればいいじゃないか」
と思われるかもしれませんが,こういうのって我々の業界では常習化したハッタリみたいのものでして,出来ること出来ないことを,嘘にならない程度に大風呂敷を広げるのが常識なんです.

だから,後になって「事情が変わった」とかなんとか言って,応募書類とは異なる内容になることが暗黙の前提の話なんですよ.

だいたい,年間数億円程度の補助金を受け取ったところで,日本社会の構造に影響するような変化を適切に実行できるわけがないのですから.

「だからこそ国が補助金を出してスーパーグローバルを加速させるんだ」と言いたいところでしょうが,はっきり言って「10年間の補助金」で教育機関を変えるのは無理です.
(せめて期間を20年とか.もしくは補助金ではなくて,半永久的に潰れないようにするという保証とか.無理でしょうけど,世論的にも)

スーパーグローバル大学に選定された大学というのは,もう既に様々なグローバル化の要望に応じていろいろな手を打っており,これ以上何をすればいいのか現場は混乱しています.
チャラい教員や外部コンサルタントあたりが,「こんなアイデアが,ありまぁす!」と言っても,さすがにそれを大学教育でやるのはヤバいでしょ,と少なくない教員が猛烈に反対する・・,なんていう会議の繰り返しになっています,どこの大学も.

私としては・・・,
同僚の外国人教員の提案が最も素直で実効性があり,有意義だと思っています.
曰く,
「全学生(全希望者)を,無料もしくは交際費込で海外留学させる」
というもの.

しかもその方は,「なんで日本は留学生の受け入れが優遇されていて,留学したい日本人が優遇されていないのか?」とも仰ってました.

海外留学したい学生というのはたくさんいます.
ですが,結局は費用の面で断念するのが現実なんです.

そこに補助するだけでも国際化は達成されると思いますし,私が最も期待するのは,そうした海外留学経験というのは,その学生の日本への愛着が強くなることにも寄与すると考えているからです.

そうなると当然,「トラブルや安全面での配慮が手薄になる」という懸念が出てきます.
しかし,これについて敢えて言えば,「そういうことも含めてグローバル教育だろう.そうしたトラブルや危険を懸念するくらいなら,グローバル教育などしないほうがマシ」ということです.