投稿

9月, 2016の投稿を表示しています

注目の投稿

「遅咲きのひまわり」っていうドラマがあったそうだ

イメージ
今年のお盆に実家に帰省していた際,こんな話を聞いたんです. 「何年か前に中村(四万十市のこと)あたりでドラマを撮りよったけん,せっかくやきどんながか皆で見よったがよ」 え? そんな話聞いたことないんですけど... ってことで,詳しく聞くところによると,どうやら田舎の「町おこし」をテーマとした若者の群像劇だったとのこと. それがこれ↓ ■ 遅咲きのひまわり〜ボクの人生、リニューアル (Wikipedia) ご案内の方もいらっしゃるかと思いますが,私は学生時代からテレビを廃棄した身です. 全然知りませんでした.2012年の作品とのことですけど,この4年間まったく話題にも出なかったし. 適当に作った地域アゲの簡単なドラマかと思いきや,フジテレビの連続ドラマ枠としてキャスティングを含め結構しっかり作っていたようです. いや〜,知らんかった. で,いつか時間ができたら一気に見てみようと思っておりましたので,昨日今日と実験の心拍データの周波数解析をしながら見てみたんです. いや〜,身につまされる思いがします. ちょうど主人公たちの年齢が私と近い設定になっていますし,彼ら彼女らが抱えてい悩みや不安が,私にもなんらかの形で全て当てはまる.ドラマの舞台が地元であるということも相まって,感情移入が強力. 性別は違うけど,特に真木よう子さん演じる人物へのシンクロは深い. 物語自体も,かなり良い出来だと思います. 訳わからん突飛な町おこしアイデアによるハッピーエンドではないのが良い. あと,バランスがいいんですよ. この時代の30歳前後の人間が抱いている言い知れぬジレンマ,トリレンマへの葛藤が丁寧に扱われています. どういう生き方が理想的なのか,っていう確固としたメッセージがあるわけじゃないんですよね. 東京・大阪への憧れと,そんなこと言ってられない現実の生活があること. 「30歳なんてまだまだ若いんだから,今からでも一旗揚げればいいじゃないか」 と気安く言えない現状が地方にはあること. そんなことが言えるのは,ヒト・モノ・カネの資源が豊富な都市部にいる者. そんなこと言うと,「努力不足」「ルサンチマン」と罵られかねません. メディアが伝えにくい,地域復興推進論では避けられるこうした問題について,人間模様を描いたドラマだから

オープンキャンパスとその準備とAVと

最近にしては,かなりブログ更新が遅くなりました. 料理したい話題があったのですが,上品にまとめることができずに放ったらかしていたのです. どういう話題かというと,私がいつも「最近の大学は・・・」というテーマで談笑している某大学の先生がこんなふうに言うんですよ. 「最近のオープンキャンパスは,AVみたいになってるよ」 ってね. AVっていうのは「オーディオ・ビジュアル」のことでも,「アニマルビデオ」のことでもありません. アダルトビデオです. 難しいでしょ,これをブログで書くの.女性の読者もいましょうし. だから,どうにかこの話題を上品かつ清楚で高尚に論じようかと思案にふけっていたのですが,もう面倒になったのでさっさと取り上げておくことにします. 以前,大学における広報活動がエロスに向かうという話をしたことがありますね. ■ 大学のこれから(4) 以下,リンク先を読むのが面倒な人のために,抜粋. 先日,駅で見かけた看護系専門学校の広告は「それ」として見事なものでした. 10代後半に見えるかわいい女の子がナースの格好で微笑んでいる写真,それを前面に出しているポスターなんですけど,「◯◯看護専門学校」という文字がなければ,風俗店の前に貼ってあるものと同じです.その代わりに「今宵も貴方を “お大事に” 1時間 ¥25,000〜」って書かれててもおかしくない. そしてこのポスターは,そういう嗜好センスのある女子,およびそれにむらがる男子学生を引っ張るために強力に機能するはずです. 狙ってやっているのかどうか定かではありませんが,もし私が経営難の専門学校の広報担当なら迷わずやります.背に腹は代えられない. それと同じことが大学の広報でも見られるようになるでしょう,ということです. そう遠くない将来,大学においてもナースやスチュワーデスの格好をさせた卒業生,はたまたチアリーディングや競泳水着姿の学生を,パンフやポスター,HPといったところにデカデカと掲載するようになるのです. もちろん堂々と厭らしく載せるのではなく,それとなくエロく載せるはずです. ちょっとビックリしたのは,この記事を書いたのは今年2月なんですけど,今年度に入って現れた「大学広報用ポスター」のなかに,ややエロっぽいものが散見されたことです. やべぇ,予想が現

鳥無き島の蝙蝠たち(13)児島明子

ミス・ユニバースにおいて,有色人種初となる優勝者なんですって. ■ 児島明子 (wikipedia) あの名門・土佐女子高校の出身,と言っても高知以外の人は全く分からないのでしょうけど. 当時の映像も残っています. ■ 日本人女性が初のミス・ユニバース (NHK) 私がこれまで関わってきた大学には,意外にもミス◯◯っていう人が多いんです.奇遇です. 在学中,全国的にも話題になった学生もいます. 体育の授業を教えてた学生の中にもミス◯◯を受賞したっていう人がいたりして,へぇ,彼女ってそんな感じの学生だったんだ,と思わされることも. やっぱり独特の雰囲気が出ているものですよ. で,私の授業って体育実技でしょ,だからこういう学生の扱いはやや慎重になるのもたしかです. 繊細な修飾を施した薄いシャンパングラスを持たされている気分.ちょっとしたことで砕けそうな危うい美しさ. 顔はもちろんのこと,体のどこかにボールぶつけたら大変なことになるんじゃないかと心配になります.そんなことを心配する自分も情けない. その度,豪快に乾杯の音頭をとってカチ合わせても割れることのない,ビールジョッキのような女性の方が良いのではないかと思わされます. ちなみに,ミス◯◯みたいな話題に私は全然興味がありません. ミス・ユニバースってなんでしょうね.ウィキペディアで調べて読んでみても,いまいち頭に入ってこない. ウィキペディアの説明にはこうあります. 選考基準として、単なる外見の美しさだけではなく、知性・感性・人間性・誠実さ・自信などの内面も重視される。また、社会に積極的に貢献したいという社会性を兼ね備え、世界80カ国以上から集まる各国の代表と対等に立てるグローバルな女性像が求められる。(wikipedia:ミス・ユニバース) なんだか最近の大学教育に求められているものと似てやしないか?そんな気がします. なんとも私が嫌いそうなタイプの思想です. じゃあなんでこんな記事を書いたのか? さっき,ミス・ワールドっていうイベントの日本代表が決まったとかいうニュースが有りました.それでふと思いつきました. ■ 「象使い」の資格持つ日印ハーフの吉川プリアンカさんミス・ワールド日本代表に (Yahoo!ニュース2016.9.5) 「ミス・ワールド」

オープンキャンパスをやって想う

先日,オープンキャンパスで「模擬授業」というのをやりました. 準備中だった頃の記事はこちら. ■ オープンキャンパスの来場者数を想う 私の専門が体育ですので,実技をやってもらうのが本当の「模擬授業」なのでしょうけど,そういうわけにはいかないので講義形式のものをやっています. この時点で「模擬授業」ではありません. それに,模擬授業っていっても最終的には「・・というわけで,そんな授業が受けられる本学にどうぞお越しください」という広告メッセージを巧妙に入れるのがオープンキャンパスでの我々のミッションなのでしょうけど,近年は私はそういうことをしなくなりました.めんどくさいので. どんな大学に行っても,結局は自分次第というところですし. だから「質問コーナー」でも躊躇なく「であれば,本学ではなく◯◯大学をオススメします」と言うようになりました. こんなこと言うと,特に保護者が「!?」って顔をするのですが,こちとら受験者数に苦労していないので大きく出られる面もあったりで. よっぽどその大学に思い入れがない限り,近場の大学に行けばいいんじゃないかな,って思います. 近場の大学でいいんじゃないの.入れたところでいいんじゃないの.っていう価値観が普通になれば,大学間競争という名の,実質上の経営サバイバルは緩和されます. 大学間競争がどれほどの害悪をこの国にもたらしたのか,それについては過去記事で何度も書いていますのでそちらをどうぞ. 経営サバイバルから開放されれば,まともな教員がまともな大学教育をやれるようになります.結果,まともな大学教育を受けられる学生が増え,最終的にはまともな卒業生と国民が増えます. ちょっと理想論が過ぎるところもありますが,それでも今よりはマシです. それに,我々多くの大学教員は「競争」することにモチベーションをもって研究や教育をしているわけではありません.より良い理論を生み出すことに関心があるのです. より良い理論の構築には「競争」はマイナスに作用することはあれど,プラスには作用しません. え? 研究グループ間の競争が,新しい理論を作ることに貢献しただろ,って声も聞こえそうですが,これは明らかに間違いです.この間違った認識は,特に声のでかい素人に多い. 研究グループ間の競争は,たしかに新しい理論を作る「速度」