2018年3月31日土曜日

モリカケ問題の,そもそも何が問題なのかを思い出そう

2017年度も今日で終わり.明日から2018年度ですね.
あっという間の1年でしたし,もっと言えば2018年も4分の1が終わったことになります.

そんななか,元国税庁長官である佐川氏の証人喚問をするなど,いまだにモリカケ問題の一つ森友学園問題は盛り上がりを見せています.
ネットニュースでも,コメント欄なんぞを見ていると政府擁護派と批判派がシノギを削っておりまして,この国のなかなか醜い姿を拝むことができますね.反吐が出ます.

ここで本件における「そもそも」の話をしてみましょう.
擁護派も批判派も,この「そもそも」の部分をすっ飛ばして,「安倍愛し」「安倍憎し」でいがみ合っているようですので.

過去記事でも繰り返しておりますが,この事件は政治に限らず,組織運営とか会社経営ではよくある出来事です.
よくある出来事だけど,バレたらヤバい事なので,普通はバレないようにするものです.
で,それがバレちゃったので,その火消しをしている段階なんですね.

私としては,バレちゃいけない事なのにバレちゃって,しかも,スマートに火消しできていないことをもって安倍政権は無能と考えています.
こんな集団がまともに内政や外交ができるわけがない.
ましてや,北朝鮮問題とかデフレ不況問題とか災害復興問題などの喫緊の課題を抱えている日本において,モリカケ問題なんかで右往左往している政権は害悪でしかありません.
事実,安倍政権はこれら喫緊の課題に何一つ善処できていないことがそれを裏付けています.
早く退陣させないと,もっと大変なことになる.

モリカケ問題について,政権擁護派はドヤ顔でこんなことを言います.
いわゆる,「疑惑が無いことを証明するのは『悪魔の証明』だ」というやつ.
「悪魔の証明」迫られた安倍晋三首相 対抗策は次々裏目に… ダメージ回避に起死回生の一手はあるのか?(産経新聞2018.3.24)
実のところ,安倍総理本人も「悪魔の証明」が大好きで,よくそんなことを言ってます.

流行語大賞をとっても良かったんじゃないかと思うほど頻出するようになった,この「悪魔の証明」については,過去記事でも取り上げましたように,「彼がXであると証明できないのであれば,彼はXではない」と解釈するのは間違いだということを解説しました.
つまり,本件であれば「土地売買に安倍夫妻が関わっていることが証明できないのであれば,安倍夫妻の疑いは晴れる」とはならないわけで,ようするに多くの政権擁護派は安倍愛をこじらせて『悪魔の証明』を誤用・乱用しているんです.

細かいことは上述した過去記事を読んでもらうとして,「それは悪魔の証明だ!」と言って乗り切ろうとする奴に,碌な人間はいません.
推理小説とかドラマでも,「俺がやったという証拠はあるのか!あるなら出してみろ!」などと言い出す奴は,そいつが犯人か,そうでなくてもまっとうな人格のキャラじゃないですね.

ましてや,一国の政府,その総理大臣です.
悪魔の証明を盾にして逃げようとすること自体が大問題.こんな奴に国家を任せてはいけません.

これに関連したキーワードとして有名になったのが「李下に冠を正さず」でした.
私としては森友学園問題の主犯として最も臭う「日本維新の会」,その衆議院議員である足立康史がこんなことを言っていました.
「李下で冠を正した安倍総理に対して,犯罪者たちが周りを取り囲んで非難している,というのが今の国会だと思いますよ」(2017.11.15文部科学委員会)
足立議員としては,安倍総理はたんに「李下で冠を正してしまった」だけで問題ない,と擁護したいのでしょうが,そんな価値観で国会議員をやってもらっては困ります.
これぞまさに「悪魔の証明」とセットになる考え方ですね.反吐が出る.

文系に弱い人もいるでしょうから,「李下に冠を正さず」の意味と由来もお示しします.
李下に冠を正さず(コトバンク)
スモモの木の下で冠をかぶりなおそうとして手を上げると、実を盗むのかと疑われるから、そこでは直すべきではないという意の、古楽府「君子行」から
つまり,君子たるもの臣民から疑われるようなことをしてはならない,という教えなんですね.
それが出来てない日本国の君子たる安倍晋三は,その器ではないわけです.
やっぱりさっさと退陣するのが望ましい.

ましてや民主主義国家の首相たるもの,「李下で冠を正した」らアウトなんです.デブのババアが,ビーチでハイレグやビキニを着るのと同じくらいアウト.
これにいくら「悪魔の証明」を持ち出したところで.李下で冠を正したことへの反論にはなりません.
李下で冠を正すような状況にならないよう気配りを徹底しなきゃいけないし,その疑いがかけられたら,すぐに無実を証明できなきゃいけないのが役所の仕事であり,国家運営というもの.

もちろん,ババアがハイレグやビキニを着るのは自由だし,李下で冠を正したところで,即,お縄になるわけじゃないですが,人目のつく李下で冠を正したり,言い訳として「これは冠じゃないよ,カツラだよ」などと恥ずかしくトンチンカンなことを言い出す政治家に,政治家としての資質は無いし,まともな政治は期待できません.同様に,ハイレグを着るババアもまともじゃない.
実際,外交・内政に課題山積の日本を,良い方向に舵取りできてないですね.北朝鮮と向き合える状況じゃない上に,不況もより深刻になっています.

さらに言えば,今回の騒動で問題視されている「忖度」ですけど,批判派や野党もトンチンカンだから,「忖度があったか否か」などと騒いでいます.絶望的ですね.
「忖度」をどうやって証明するつもりなのでしょうか?
忖度とは,忖度実行者の中だけで処理されるものなのですから,誰にもバレないに決まっています.

これは,「総理や大臣からの指示の有無」にしても同じです.
総理や大臣が,文書や音声で「改竄しなさい」「書き換えなさい」などと指示を出すわけがない.
おそらくは秘書や関係スタッフあたりが,「わかってますよね」などと担当者の肩を叩くだけでいいでしょう.だって,現在の官僚の人事権は官邸が握っているのですから.

つまり,本件は「誰にもバレないように不正できる」のであり,「なんとでも言い逃れができる」事件なのです.
明確な指示を出さなくても「指示」になり,それを「忖度」させることによって意のままに操れる状態に,現在の内閣はあるのです.
これは内閣がキャスティングボートを握りやすいとも言えますが,常に手を伸ばせば李(スモモ)が食べられる状況とも言えるわけですから,それだけに慎重にならなければいけないはずでした.

で,見事に自爆した.
その上,言い逃れにドジって誘爆している.
そんな事件がモリカケ問題だった可能性があります.

だからこそ,本件の本質は,安倍晋三や夫人がスモモを食べたか否かを問うような話ではありません.
スモモを食べたんじゃないかと疑われ,それにまともに対処できない首相に,国家の運営を任せてはいけないという事件なのです.


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2018年3月23日金曜日

初めてのオーダーメイド・スーツ(2)

初めてのオーダーメイド・スーツ(1)の続きです.
受け取った段階で(2)を書きます,って言ってたので,故に(2).

あれから1ヶ月後,予定通りお店から納品の連絡があったので,受け取ってきました.

AOKIとかAOYAMAなんかの既製品と違う点ですが,これは他のネット記事と同じ月次な感想になってしまいますけど,やっぱり「作りがしっかりしている」んです.
さすが丁寧に作られただけのことはある.

受け取る際に確認のため試着.

まずはシャツ.
って言うか,さっきまで着てたシャツとは明らかに立体感や襟のハリが違うじゃないか!
いかにも高級シャツ.生地には上品な艶がある(まあ,そういうのを選んだんだけど).
私がさっきまで着てたシャツはAOKIのシャツでして,そのAOKIが出している「スリムタイプ」のなかでも更にスリム気味の「MAJI」というブランドのものなのですが,それよりも更に締まったシルエットになりました.
MAJI(AOKIのHPより)
やっぱ,既製品のシャツは「スリムタイプ」とは言え,平均に合うように作られているんですね.
私としてはAOKIのなかではMAJIくらいしかきちんとフィットしないと思っていましたが,オーダーメイドになるとウエストや腕周りがもっと細めに仕立てられています.
見た目ですけど,体型に沿っているのでシワが少ないのが分かります.
あと,帰ってきてハンガーに掛けてみたんですけど,立体的で厚みが違いますね.こいつだけ他のよりスペースをとってきます.
これがオーダーメイドのシャツか・・・.恐るべし.
今回,一番感動したのがこのシャツでした.

次にスラックス.
脚を入れようと手にした瞬間は,あれ? なんか大きめじゃないか? ゆるいんじゃないか?
という感触だったのですけど・・.
おぉ! 大腿部,臀部,腹部がぴったりジャストフィット!
店員は「基本より少し細めのシルエットにしています」って言ってましたから,履こうとした際の第一印象とは違うものですね.
たぶん,私が普段買っているズボンやスラックスはウエストサイズに合わせているので,臀部や大腿部も随伴して細めになってしまっているのでしょう.
私は仕事柄も「スポーツマン体型」なので,ウエストが細め,臀部と大腿部が太めですから.今回はそれぞれを私のサイズに合わせてくれているので,手にした時は太めに感じたものと思われます.
でも,見た目のシルエットはたしかに細め.
膝の屈伸運動をしてみました.私の動きにちゃんとついてきてくれる.変なつっぱり感もないし,ココらへんがオーダーメイドの良さなのか.

最後にジャケット.
おぉっ! これが「英国シルエット」なんですね(まあ,そういうのを注文したんだけど).
昨今のスーツの流行は,イタリアンな軽くて優雅な感じのものなので,私が持っているスーツもそんな感じですから,余計にその違いが鏡のなかで際立ちました.
鏡を見て「うわっ,なにこれ.全然ちがうやん」ってびっくりしましたから.
ちなみに,両者の違いはこのウェブページで比較紹介されていますので参考にしてください↓
ガッチリとした肩.厚みのある胸のライン.しっかり締められたウエスト.こうも印象が変わるものなのか.
思わず,「The name is Bond. James Bond」って言ってみたくなります.
「耐久性が良い生地なので,長く着てもらえると思います」と店員さん.
見た目も感触も,たしかに長持ちしそうな気がします.
生地は無地の濃紺,マットな質感のもの.いわゆる地味なやつを選んでいます.
でも,安物のスーツとは違い,上品な艶が現れるのが不思議ですね.
生地って重要.そう思わされました.

さて,今回買ったシャツやスーツが私に似合っているかどうかは第三者評価が必要ですけど,オーダーメイドする際に店員さんと相談しながら進めたものなので,一定の客観性はあるものと考えられます.
初めてのオーダーメイドですから,ほぼ店員さんに決めてもらったのが正直なところ.
ですが,いつものAOKIでもそうですけど,自分から「こういうのが欲しい」と頼むよりも,店員さんと相談しながら「私に合うものはどれか」を決めていった方が良いように思うんですね.
オーダーメイドにおいても,この法則性が通用するように思います.

何度か着てみたら,また報告します.


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2018年3月22日木曜日

ウインタースポーツの実習をする上で便利なグッズ

今年のウインタースポーツ・シーズンが終わりましたね.
冬は,私たち大学体育教員にとってはウインタースポーツの実習や研修をするシーズンでもあります.

ここを乗り切るのが「楽しい」人もいれば,「苦しい」人もいます.
指導者用の研修会に参加してみますと,その中にスキーやスノーボードが苦手で好きでもないのに必要に迫られて講習を受けている人もいたりするわけで.そういう人と話していると,大変なご苦労をされているんだなぁと,いたたまれない気持ちになるものです.
まあ,仕事だから仕方ない側面があるものの,こうした苦労をできるだけ抑えられるものなら抑えたいところです.

今回は,ウインタースポーツの指導をする人にとって,これがあると便利ですよ,というグッズや一工夫をご紹介します.

(1)ノイズキャンセリングイヤホン
私は今年からBoseのQuietControl 30を使うようになりました.以前は,同じくBoseのQuietComfort 20を使っていましたが,使い勝手は用途次第です.
QuietControl 30はワイヤレスタイプ.QuietComfort 20は普通のコードタイプです.
 

どうしてウインタースポーツにノイズキャンセリングイヤホンが便利なのかというと,宿泊を伴う授業や研修会によくある「相部屋対策」なのです.

同室になった人(たいていは同じ指導員や研修参加者)のイビキが凄いことがあります.こちらとしては寝不足になりますし,それを気にするだけでも大変ストレスです.その人にイビキが煩いと言ったところで,ご本人もどうにもできないのですからお互い傷つくだけです.
そこでノイズキャンセリングイヤホンが活躍します.

今年,爆音を轟かせる人と同室になってしまったのですが,このノイズキャンセリングイヤホンのおかげで全く苦になりませんでした.
ノイズキャンセルできるものであれば,音楽をかけなくても周囲の音を低減してくれますので,睡眠の妨げになりにくいですね.

いくつか留意点があります.
まず,ヘッドホンよりもイヤホンの方がいいです
BoseからはヘッドホンタイプのQuietComfort 35というのも出ていますし,こちらの方がノイズキャンセル機能は強力なんですけど.


私自身これを普段使いしているのですが,ヘッドホンタイプのものは着けたまま寝るのは邪魔です.それに,これを着けて寝てるところを相手の人に見られたら,なんか嫌でしょ.
なお,着けて寝る用途のためには,BoseのものであればワイヤレスのQuietControl 30よりも,QuietComfort 20のほうが扱いやすくて便利です.

宿泊を伴うスポーツ実習・指導にとって,その能率を高めるために実は最も重要な「相部屋対策」として,ノイズキャンセリングイヤホンは必須と言ってもいいでしょう.
これがあれば安心して指導や研修ができます.
(もちろん,普段使いとしても電車や飛行機で活躍します)

(2)加湿タイプのマスク
スキー場での宿泊における必須アイテムとして定着してきた感がありますね.


ウェアや手袋,ブーツなどを部屋で干すために,どうしてもエアコンや暖房を強めにしてしまいます.結果,乾燥した部屋になってしまう.

濡れたバスタオルやウェアを干していれば湿度が上がるんじゃないか,と考える人もいるのでしょうが,実はそんなことをしても湿度はほとんど上がりません.
実際,検証するために高性能な湿度計を持っていって測ってきました.もちろんホテルにもよるでしょうけど,タオルとかウェアを干したくらいじゃ湿度の変化なんて殆ど無いですよ.

なので,ご自身の喉を守るためには,パーソナルな湿度上昇環境が必要になってきます.
別に普通のマスクでもいいのですが,加湿タイプだと少し快適になります.体質に合う方を選びましょう.

(3)大量の乾燥剤
例えば,こんなやつなら安く大量に売ってます.


授業や研修会の最終日,撤収のために急いで荷造り.スキーやボードは宅急便で送るために濡れたままバッグに詰め込む,ということになります.
もちろんブーツも一緒に放り込みますし,私はウェアを担いで持って帰るのが面倒なので,それも一緒に入れてしまいます.

昔は板とブーツ&ウェアは別々で持って帰っていたのですが,やっぱり面倒くさいのには勝てません.帰り道は楽したいのが素直なところです.
そうなると,バッグの中でブーツやウェアが蒸れるのは必然.そんな状態で1〜3日経過するわけですから,季節柄カビることはありませんが,臭いが気になるのは確かです.
そんな時に,大量のシリカゲル乾燥剤が役立ちます.

ブーツの中や手袋にもポンポン放り込んでおきましょう.ウェアを詰め込んだポケットにも放り込みます.安いので躊躇せずバラ撒く.
何もせずに詰めた場合とは雲泥の差がつきます.

(4)トランシーバー
高度な機能のものでなくていいんです.安物でいいから,指導者であるあなたが受け持つ班の人数分のトランシーバーを用意しておくと,指導のしやすさは別次元になります.


最低限,チャンネル設定ができて,指導者の声が班の学生たち全員に聞こえるようにしておきましょう.って言っても,トランシーバーならいずれも可能でしょうけど.

え? 一班あたり10人くらいいるって? まあ,そのあたりは大学の予算で捻出できればいいですね.
履修者全員に対応することは難しいかもしれませんが,現時点では班単位での話,特に初級者班において重要性が高いです.もちろん,上級者でも役立ちますが.
なんせ,滑りながら声を使った指導ができる(かつ,それを受講者全員が共有できる)のが最大のメリット.
「はい! 今のいいねぇ.あ! さっきのタイミングはダメだよ」などと言えることは,受講者にとっても分かりやすくなります.

なお,スマホやiPhoneなら,トランシーバー・アプリがあるようです.例えば,「Zello Walkie Talkie」というアプリがあります.
Zello.com(ZelloのHP)
ただ,これは通信料がかかってしまうし,全員がスマホ・ユーザーだという確証があるわけじゃないので,私自身これを学生相手に試したことはありません.
学生側が皆スマホユーザーで,「多少の通信料はOK」と同意してくれるのであれば,利用してみる価値はあるのでしょうけど.
テクノロジーがもうひと踏ん張りしてくれれば,ウインタースポーツの指導も大きく変わるかもしれませんね.
ひとまず,こんなところでしょうか.続きがあったらまた紹介します.


2018年3月21日水曜日

それでも森友学園とか加計学園問題を議論している場合だ

世間はすっかりこのニュースで埋め尽くされてしまいましたね.
私個人としてはあんまり興味ないんですけど,時事ネタなので乗っかっておきたいと思います.

最近になって,メディアではいろいろ細かい話題が出てきていますが,これらを使って妙な憶測・推測を展開するのもつまらないので,このブログでは根本的なところから整理してみようと思います.

本件については,過去記事があるので,そちらもどうぞ.
森友学園とか加計学園問題なんて議論している場合だ
やっぱり森友学園とか加計学園問題は議論している場合だった

これらのニュースについては,
「現在の日本の置かれている状況をみれば,モリカケ問題なんて議論している場合ではない」
などと安倍晋三を擁護する発言もあるのですが,私としては,そうやって「議論」している一人に安倍晋三ご本人も含まれているようですから,きっと日本は「そんな場合」なんだと心穏やかに見ています.

考えてもみてください.
もし私が日本の総理大臣で,今まさに北朝鮮だとか大規模災害だとか不況脱出だとかに取り組まないと我が国は大変なことになると本気で考えていて,しかも,モリカケ問題が本当に潔白なのであれば,自身のクリーンさを証明するものを強引にでも提出して事態の収拾に努めます.

それこそ,(本当に潔白なのであれば)しょうもないデマと言いがかりに付き合っている暇はないのですから,自分が本当に取り組みたいことに集中するためにも,野党やメディアを黙らせる対応をすれば,国会でモリカケ問題とかスパコンの話で時間をとられることも少なくなるでしょう.

ところが,安倍晋三はいつまでもこの話題を引き伸ばしています.
「モリカケ問題よりも大事なことが・・・」と憤る人もいますが,もしモリカケ問題での疑惑が本当だったら,安倍政権では北朝鮮だとか憲法改正などと言ってられる事態ではなくなります.
まともな政治家じゃない人達に,日本の有事や憲法を任せてられないからです.
だからモリカケ問題はモリカケ問題として,徹底追求するのが野党政治家やジャーナリストの仕事です.

想像してみてください.
あなたがタクシーに載ったとして,もしその運転手がチンパンジーだったらすぐに降りますよね.
間違っても「今は早く目的地に着くことが優先だから,運転手がチンパンジーかどうかを気にしている暇はない」とか「道路が渋滞していることの方が問題」などと言ってる場合ではありません.
「こいつじゃ車を運転できないだろ」ということの方が問われるべきです.

「代わりの運転手がいない」とか「車を運転できるチンパンジーもいる」などとアクロバティックに擁護する人がいますが,ナンセンスです.
そもそも,チンパンジーに公道を運転させるのは犯罪です.
なぜこのタクシー会社はチンパンジーを運転席に載せたのか? ということを問う必要はありますが,それよりもチンパンジーを運転席から引きずり下ろすことの方が先.

実際のところ,モリカケ問題は限りなくクロに近い話だとは思いますよ.
そして,安倍晋三にとっては北朝鮮や自然災害といった日本を取り巻く有事や,不況脱出といったことよりも,自身の政治生命の方がウエイトが大きいものとして映っていることでしょう.
だからここまで引っ張ってこれた,としか表しようがないではありませんか.

それに,北朝鮮にしたって日本は蚊帳の外ですし,現状,主体的に何か検討すべき課題があるわけでもないし.
そう言えば,昨年はミサイル実験が行われている最中に選挙もやってました.余裕ですね.
つまり,森友学園・加計学園問題は議論している場合なんです.
北朝鮮だとか災害対応,不況脱出を差し置いて議論できちゃうのが今の日本ということです.

チンパンジーに車の運転はできません.
それと同様,モリカケ問題を終息させられない政治家は,デフレ脱却を謳いながら消費税を上げようとするし,1億総活躍を謳いながら移民労働者を入れようとします.
チンパンジーはアクセルとブレーキを同時に踏むかもしれませんが,むしろモリカケ問題を終息させられない政治家はギアをバックに入れてアクセルを全開にするのです.


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森友学園問題をまとめてみた
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2018年3月13日火曜日

もう一度,森友学園問題をまとめてみた

昨日記事を書いた後にも,これに関するニュースが続いています.
いわゆる森友学園問題です.

たとえばYahoo!ニュースには,ネット閲覧者らが書き込める「コメント」の機能がついていますが,そこでは様々な議論が展開されています.
なんだかデタラメな議論も混ざっているので,ここで改めて森友学園問題を整理してみましょう.

なお,前回記事と,
やっぱり森友学園とか加計学園問題は議論している場合だった
過去のまとめ記事はこちらです.
森友学園問題をまとめてみた

過去のまとめ記事でも書いたことですが,この問題で最も重大な部分は,
「なぜ,9億5600万円の土地が1億3400万円で購入されたのか?」
ということと,最近になって出てきた問題として,
「なぜ,決裁文書を書き換えたのか?」
ということです.

土地売買に政治家が関わったことを問題視したり,それに対し「土地売買に政治家が関わること自体は問題ない」などと論争になっていることも見かけますが,こんなことどうでもいいことです.

この問題の本丸は,土地が不当に安く売買されたことと,そのプロセスに大きなパワーを持った人物の関与が見えること,そして,不可解な決裁文書の書き換えが行われたことです.

約8億円もの値引きが可能だった理由として妥当なものは,
(1)事情があって,この土地だけ安い
(2)安く購入できるようにした人がいる
ということになるでしょう.

(1)については,籠池氏は「ゴミが埋まっているから」という理由を挙げて交渉していましたが,後にこれはデタラメであったことが判明しています.
しかも,この「ゴミが埋まっているから値引きしろ」という要求については,交渉相手である近畿財務局は,当初「そんなこと言われても困ります」と突っぱねていたようです.
ところが,最終的にはこの要求が通って約8億円の値引きに成功します.
つまり,無理筋だった要求を通した,(2)の人物がいる可能性が非常に高いわけです.
※詳細は前回記事をどうぞ.

(2)の人物としては,問題発覚直後である昨年に有力視されていたのが,
・安倍晋三(および昭恵夫人)
・松井一郎(および橋下徹)
・稲田朋美
といった面々でした.
今では,安倍晋三および昭恵夫人が非常に有力視されておりますが,私としては松井一郎と橋下徹(および維新の会関係者)もかなり怪しいと思います.
※っていうか,ここだけの話,維新の会関係者が一番臭います.

というのも,前回記事で少しだけ触れたことですが,学校・大学といった教育機関の設置には,非常に冗長で慎重な手続きを踏むプロセスがあります.
一時期,大学設置認可が下りるはずだったところに,田中眞紀子とかいう迷惑オバサンがスタンドプレーのために認可取り消しをしたことがあって,それが大問題になったことがありますよね.
大学設置不認可について,大学教員として言いたいこと
あの当時,一般の方々やメディアの一部からは,認可の途中段階なのに建物が出来上がっているとか,教職員の採用が決まっているというのは不自然ではないか? という指摘がありましたが,そんなことは,この業界では極めて普通のことであり,むしろ,そうでなければ開校・開学はできないことは常識です.

つまり,教育機関の設置というのは,土地売買や校舎建築,教員人事などが足並みを揃えて行われていくのであり,「開校する」ことが内定すれば,プロジェクトチーム(学校設置担当者)は1〜2年間は天手鼓舞になって手続き処理に追われるものです.

逆に言えば,教育機関の設置をスムーズに進めるためには,開学の内定をもらうことが非常に重要ということになります.
内定をもらいさえすれば,あとは「内定」を錦の御旗として多少の強引な手段もできます.

ですから,籠池氏が国会に証人喚問された時に言った「松井一郎氏にハシゴを外された」との発言はよく理解できます.
籠池氏としては,大阪府知事の松井一郎氏をはじめ,安倍昭恵夫人その他の政治家から口利きを受けて「開校内定」をもらっているのだから,土地売買や補助金利用等については,後で帳尻合わせができると考えて強引な手法をとっていた可能性があるのです.
それを匂わすのが,証人喚問でのこの発言です.詳しくはリンク先を御覧ください.
詳報(8)「松井一郎大阪府知事にハシゴを外された」「アヒルの水かき運動のごとく近畿財務局に何回も何回も…」(産経新聞2017.3.23)

つまり,こういうこと.
松井一郎氏をはじめとする政治家の口利きによる学校設置として,土地取得のため近畿財務局に圧力をかけてもらった.その時の値引きの交渉材料はなんでもよく,もっともらしい「ゴミが埋まっている」というネタを思いついたので,それを使った.
いよいよ開校に漕ぎ着けようとしていたところ,不正な土地売買がニュースになってしまい,これに乗じて松井一郎氏が掌を返してきた.
といったところでしょうか.

もちろん,本件が「松井一郎」という小者一匹だけで成り立っているとは思えませんので,そこに安倍昭恵夫人がからんでいるであろうことが推察されるわけですよ.
実際,昨日になって提出された「書き換える前の決裁文書」からは,政治家や安倍昭恵夫人の名前が消されていましたが,私がそれよりも重要だと思うのは,「事案の経緯」とか「土地売買の経緯」「契約の経緯」がバッサリと削除されていることの方です.
書き換え前後の決裁文書がウェブで公開されています↓
【全文書を比較】森友文書の改ざん前後(毎日新聞)

これを見比べれば一目瞭然で,籠池氏と大阪府および近畿財務局とのやり取りが,書き換えられた決裁文書では分からない状態になっています.
実際,上記リンク先の22ページの土地売買に関する経緯の削除された部分では,9億5600万円の土地が1億3400万円になった理由が書いてありました.
そこにはこうあります↓
学園の提案に応じなかった場合,損害賠償に発展すると共に小学校建設の中止による更なる問題発生の可能性があることも含めて,当局及び大阪航空局にて処理方針を検討した結果,学園の提案に応じて鑑定評価を行い価格提示を行うこととしたものである.
素人目に見ても,ここには何かしらのパワーが働いていますよね.

ニュースにもなっていますが,こうした書き換えは政府の国会答弁に合わせて改変されている可能性があるとのこと.
もしそうであれば,これは議会政治の根幹を壊す重大な事件です.
近代日本最大規模の政治犯罪と言えるでしょう.

例えば,安倍晋三の「私や妻がですね,この認可,あるいはこの国有地払い下げにですね,もちろん事務所も含めて,一切これは関わっていないということは明確にさせていただきたい(2017.2.16)」という発言は,書き換え前の決裁文書にある,
なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。」との発言あり。
という文言と整合性がとれなくなってしまいます.
当然のことながら,この文章だけでは安倍昭恵夫人が小学校の認可や土地売買に関わっているとは言えません.しかし,それを匂わす文章があると,あとで政治家やジャーナリストに調べられた時に突っ込まれる恐れがあるので,それを未然に防ぎたかった可能性が高いですね.
となると,書き換えは官僚自身の保身からではなく,彼らの人事権を握った政府,もっと言えば安倍晋三からの圧力と考えるのが素直な解釈です.実際,世間はこの話題で持ちきりですから.

あとは,こうした「これまでの経緯」の記録を詳しく知られては困る人からの書き換え指示があった,というもの.
書き換え前後の決裁文書を読んでもらえれば分かりますが,書き換える前の文章には,経緯や手順が事細かく記録されています.
どうしてこんなに丁寧な記録をバッサリ切り捨てなければいけなかったのか.と考えると,やっぱりこれらのどこかに不正な口利きを読み解くヒントが隠されている可能性が高いわけです.
で,その記録を最も読まれてほしくないのは,大阪府を牛耳っていて,森友学園・籠池氏と懇意にしていた政治家ではないのか? というのが私の見立てです.


2018年3月12日月曜日

やっぱり森友学園とか加計学園問題は議論している場合だった

結果的に,そういうことになりました.
もう1年前の記事になるんですね.過去記事でもこんなことを書いていました.
森友学園問題をまとめてみた
森友学園とか加計学園問題なんて議論している場合だ

ハンフィントンポストが一連の経緯をまとめています.
《3分でわかる》森友学園、財務省の文書「書き換え」疑惑をイチから振り返ってみました(HaffPost 2018.3.12)
鑑定価格よりも安い価格で国有地が払い下げられ、その経緯が問題視されてから約1年。これまで財務省は「価格を提示したこともない」「いくらで買いたいと希望があったこともない」などと国会で説明。決裁文書のコピーも提示した。
ところが、国会に示された決裁文書が「書き換えられた疑いがある」と3月2日に朝日新聞が報道、取引をめぐる決裁文書にはもともと「価格提示を行う」などの文言があったと伝えた。
一連の報道を受けて3月12日、財務省は「決裁文書の書き換えがあった」と認める方針だ。
ウィキペディアにもまとまっています.
森友学園問題(wikipedia)

やっぱりこの問題はクロだったし,安倍晋三も,この事態を終息させることができない政治家でした.
「現在の日本の置かれている状況をみれば,モリカケ問題なんて議論している場合ではない」
などと言い出す安倍信者もいますが,現在の日本の置かれている状況をみれば,モリカケ問題すら政治的手腕によって終息させられない安倍晋三こそが,我が国が抱える最大のリスクです.

今回,「決裁文書の書き換え」という致命的不祥事を認めてしまったので,あとは,この始末の責任をどこにもっていくのか? という話になります.
現時点(3月12日夜)では,政府は「一部の官僚が勝手にやったこと」というシナリオで着地させたがっていると受け取ることができます.

ただ,決裁文書の書き換えという極めて重大な作業を,「官僚が勝手にやった」とするには,それ相応の動機が求められます.
つまり,「9億5000万円の土地を,1億3000万円で売りたくなった理由」です.
これを捻り出せれば,一応は終息に向かうものと思われます.

話をおさらいすると,ゴミの撤去費用として8億2000万円かかるとされており,だから9億5000万円が1億3000万円になったという理屈だったのです.
しかし,このシナリオは既に昨年の時点で籠池氏本人の主張により崩れています.
「3m以深に廃棄物ない」 籠池氏、民進党にメール提出(朝日新聞2017.5.17)
しかも,そのやり取りというのが以下のようなものでして.
学園側が昨年3月に購入希望に切り替えた後、国は撤去費の算定に必要な資料の提出を要求。設計業者は同年4月8日、対応を相談するため弁護士らに送ったメールの中で、提出を求められたボーリング調査結果について、「約3メートル以深には廃棄物がないことを証明している」などと記載していた。
 また、その翌日のメールでも、設計業者は「敷地全体でも無いであろうと推測できる」などとして「じゃあ、そんなに(金額を)引けないですよね……という正論で負けてしまいそうな感じがしてなりません」と弁護士などに伝えている。
 これを受け、弁護士は「裁判になれば負ける要素になるのであれば、それは仕方ない」として、ボーリングの調査結果図を国側に提出することを見送るよう提案。同月10日、設計業者は「今回ボーリング調査に関する資料は抹消いたしました」と報告した。
つまり,籠池氏は「ゴミの撤去費用」を理由に8億2000万円値引きしてもらうというのは,交渉材料であり,しかも嘘であることを自覚しています.
では,籠池氏は国を相手に詐欺をしたのか? すなわち,「ここにはゴミが埋まってるんやから,8億2000万円安くしろや」と言ったのか? という話になります.

実際,昨年度末には,ゴミ撤去を理由に近畿財務局職員へ値引きを迫る音声テープが流出しました.
財務省、「1億3千」の音声データ存在認める 森友問題(朝日新聞2017.11.27)
籠池氏は,明らかにゴミを理由に値引きを迫っています.

というわけで,本件は「籠池氏がゴミ撤去を理由に,9億5000万円の土地を1億3000万円で購入した詐欺事件だった」という着地点が見えてきますが,これではあまりにも官僚がバカ過ぎる話です.
だって,官僚としても「じゃあ籠池さん,ゴミが出てきたというのなら,実際にそのデータを見せてくださいよ.本当に8億2000万円もかかるんですか?」とか言えばいいのですから.

これについて,本件を籠池―財務局ラインで企てた土地売買とみる人のなかには,
「今回の事件は,産廃や同和問題を抱えている曰く付きの土地を,森友学園に安く売りつけることで,両者のウィン・ウィンを図ったのだ」
と考える向きもあるのですが,それは認められないことになります.
上記の音声テープのやり取りから見えてくるのは,近畿財務局としては「土地を安く売ろうとはしていない」ことです.

そんな中,ここで「不正のための伝家の宝刀」として有名な「タイトなスケジュール」が出てきます.
「いろいろ問題があるかもしれないけれど,急いでいるんだから仕方がない」
「スピードを重視しなければいけないから,細かいことは抜きにして進めよう」
これが実は結構強力なんです.社会に出て仕事をしている方であれば,よく分かるのではないでしょうか.
そういう話が出てきたら,高い確率で表沙汰にはなりたくない,真っ黒な事案です.
それこそ,取り交わし文書や決裁文書を改竄・訂正する事案ですね.

森友学園問題でも,やっぱりこの「タイトなスケジュール」がキーワードになっていました.
ちなみに加計学園版を以前記事にしたことがあります.

このブログを書いている本日(3月12日)に財務省から出てきた「決裁文書」には,以下のような文章がありました.
近畿財務局から森友学園に対し、資料提出を速やかに行うよう要請したところ、森友学園から(1)当初計画していた本年7月の大阪府立審議会への諮問を本年12月に変更したいので、その前提で対応してほしいとの要望とともに、(2)豊中市との開発協議を急ぐ必要があるため、大阪府が小学校新設に係る設置計画書を受理した段階で、近畿財務局から豊中市に「森友学園との本財産の契約を締結することを証する」旨の文書を提出してもらいたいとの要望あり。
ニュースでも度々取り上げられていた,「開校を急いでいた」という話ですね.
でも,「急ぐ」って言っても,官僚としてはそんなもの「急がず着実にやってください」と言えば済むことです.
かなり昔の記事で大学設置について記事にしたことがありますが,そこでも取り上げたように,教育機関の設置は慎重に条件をクリアしていく作業が必要になります.
大学設置不認可について,大学教員として言いたいこと
ですから,開校を急ぐ理由がよほどのものでないと,審査を粗くはできません.

で,実は,上記の文章には続きがあります.
それがこちら↓
なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。」との発言あり。
その他,書き換え前後の文言がこちらに紹介されています.
財務省、森友文書の報告書に安倍昭恵氏の名前 消された文言はこれだ(HaffPost 2018.3.12)

もちろん,この「安倍昭恵夫人からの言葉」は,籠池氏がついた嘘かもしれません.
安倍昭恵夫人の発言をでっち上げて,土地購入をゴリ押ししたとも考えられる.

ただ,いくらなんでも,売買契約に関する文書の中に,首相夫人の発言を書き込むのはいかがなもんでしょうか.
あんな文章が入ったものを回されたら,役人としては印鑑を押しちゃいますよ.押さない選択肢なんて無いじゃないですか.
私の想像以上に,露骨な忖度誘発行為です.

しかし,繰り返しになりますが,この夫人の発言が本当かどうかは分かりませんし,それによってどのような影響があるのか未知数です.
場合によっては,それこそ官僚が勝手に夫人の発言をでっち上げたのかもしれないし.

森友学園問題の次の焦点は,この辺りになるかもしれませんね.

2018年3月9日金曜日

F2後継機の国産開発断念に見える日本の研究者事情

先日出てきたニュースですが,あまり取り上げられていないので意外です.
これのこと↓
F2後継機の国産断念へ 防衛省、国際共同開発を検討(朝日新聞2018.3.5)
防衛省は2030年ごろから退役する航空自衛隊の戦闘機F2の後継機について、国産開発を断念する方向で最終調整に入った。今週中にも米政府に対し、日本が必要とするF2後継機の性能に関する情報要求書(RFI)を提出し、米企業からの情報提供を求める。防衛省は今後、国際共同開発を軸に検討を進めるが、米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35Aを追加購入する代替案もある。
ちょうど1年前に「国産か?共同開発か?」ということで話題になっていたのですが,その決定がそろそろ出る頃だと思っておりましたところ,どうやら共同開発することで決定したようです.
国産を期待していた日本の航空機ファンや,ウヨク系の方々はがっかりしていることでしょう.

これについては,もちろん小野寺防衛相は否定しており,お定まりに産経新聞が報じています.
「国産断念との事実はない」F2後継機開発で小野寺五典防衛相(産経新聞2018.3.6)
小野寺五典防衛相は6日の記者会見で、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機に関し、同省が国産開発を断念したとの報道について「現時点でどのような判断を行うかは何ら決まっておらず、国産開発を断念したという事実はない」と述べた。防衛省が米国や英国の企業に行った情報提供依頼(RFI)は「さまざまな情報を収集する一環で、決してこれをもって国内開発を断念したことが決まったわけではない」とも強調した。
そりゃそう答えるしかないですからね.
建前としてはその通りなのでしょうし.

ですけど,「国産は断念するらしいよ」って話題が出て来るにはそれなりの理由があるわけで,産経新聞以外の朝日・読売・毎日の見解は同じです.
例えば読売新聞はこんな感じ.
F2後継機、国産断念へ…採算面で疑問視する声(読売新聞2018.3.6)
防衛省は、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機について、国産開発を断念する方向で調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。防衛省は国内防衛産業の技術力を維持する観点から国産開発の可能性を探っていたが、巨額の予算がかかることなどから、今後は国際共同開発を軸に検討を進める。
国産の断念はまだ決定していないけど,共同開発もしくはF35の追加購入でほぼ間違いない.つまり,国産開発は無いと言っていい.というのが進捗状況なのでしょう.

実際,2030年を目指しているのであれば,共同開発ですら怪しいものです.
ウィキペディアなんかで現代戦闘機を調べてみたら分かることですが,開発開始から就役までにはだいたい20年か,それ以上かかっています.
例えば,現在現役の戦闘機では,
F2(日本):計画1982年,初飛行1995年,就役2000年
F22(アメリカ):計画1985年,初飛行1990年,就役2005年
ユーロファイター(欧州):計画1983年,初飛行1994年,就役2003年
Su34(ロシア):計画1980年代,初飛行1990年,就役2007年
J20(中国):計画1990年代,初飛行2011年,就役2017年
といったところです.

そう考えますと,2030年にF2の後継機とするには今から「開発」してる場合じゃないとも言えるわけで,「F35の追加購入」が最も現実的な選択なのかもしれません.

って言うか,戦闘機を開発するには約20年ほどかかるというのが常識的なスケジュールなのだとしたら,2010年には計画開始してなきゃいけなかったはずなんですよね.

で,その「計画」と目されていたのが,X2計画(通称「心神」)です.
X2(wikipedia)
実際,ウィキペディアにも紹介されているように,「平成27年度概算要求では「F-2の退役時期までに、開発を選択肢として考慮できるよう、国内において戦闘機関連技術の蓄積・高度化を図る」ものとしている。」とされています.
2010年に提案されていた「i3Fighter(wikipedia)」にも,「F-2の後継機として2022年から2031年の間に初飛行予定」とされていました.
ということは,一応,2010年頃から計画は動いていたということにはなる.
今からはじめて,初飛行だけなら5〜10年くらいあればなんとかなりそうです.

ただ,X2はあくまで「将来の国産戦闘機に適用できる先進的な要素技術を実証するために開発されたステルス研究機(wikipediaより)」であって,次期戦闘機を開発するために作られたものではありません.
実際,「F2後継機国産断念」のニュースに対し,ネットでは「F2後継機の開発と,X2研究は別物だろ」といったコメントも見られました.

つまり,X2はF2後継機のためのプロジェクトではないことは百も承知の上で進んでいたものだったわけです.
逆に言えば,事実上,F2後継機開発は全くの手付かずでここまできたということ.
ということは,今年中に計画の目処をたてて,2019年開発開始,2030年頃に初飛行,2040年頃に就役という予定でしょうか.

ところで,上述している年度概算要求のところの,
「F-2の退役時期までに、開発を選択肢として考慮できるよう、国内において戦闘機関連技術の蓄積・高度化を図る」
という文章ですが,いかにも「お金をもらいたいための文章」だなぁって感じます.たぶん,これを書いた人もそんなつもりだったと思う.

私達も「研究計画書」とかで書くことですが,「我々が取り組んでいることは,単なる研究のための研究ではなくて,実はすぐに役立てられる研究なんですよ」ってことで,何の関係もない事と結びつけてアピールしなきゃいけない衝動にかられます.
昨今の日本の研究者が患っている病ですね.

おそらく,X2に携わっている研究グループや担当官僚も,そんなつもりで報告書や予算要求をしていたものと察せられます.
彼らにしたら,これはあくまで航空機研究のプロジェクトであって,次期戦闘機を作るためのものではない.けど,政府とか世論の期待に応えなきゃ仕事が無くなるからってことで,捻り出した理由が「もしかするとF2後継機になるかもね」っていうアピールだったんじゃないかなぁ.
もちろん単なる妄想ですけど,だいたい合ってると思います.

けど,私が危険視したいのは,そういう「なぁなぁ」のゆるい調子で次期戦闘機開発が進んでいたことそれ自体です.
そんなんだから,X2のウィキペディア記事の記述にもあるように,「防衛省内でF-2の後継機をどんな戦闘機にすべきか意見集約ができていない」ということになっている.
とにかく「なんとなく凄い戦闘機ができたらいいな」って感じで進めてきたんでしょうね.
誰もが生産的に動けていない.
これは,研究開発する上で,もっとも危ない状態です.