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井戸端スポーツ会議 part 52「最近あった大学アメフトの事件のこと」

時間がとれなくて記事が滞っておりました. その間,いろんなことがありましたね. 大学アメリカンフットボールの事件もその一つです. ■ 日大アメフト、危険なタックル問題:まとめ読み「ニュース通」 (読売新聞 2018.5.28) アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手が関学大のクオーターバック(QB)に危険なタックルをして、負傷させた問題が波紋を広げています。タックルをした選手が日大の本部より先に会見を開き、内田正人前監督らに危険なプレーを指示されていたと証言する異例の事態となり、対応が後手に回った日大側に批判が集まっています。 今回はその件について,大学の,しかもスポーツ現場にいる者として記事にしておきます. 先日,高校の同級生の結婚&懐妊祝がありまして,そのBBQパーティーに行ってたのですけど,そこで「大学人」という立場上,いろいろ聞かれました. まあ,今回当事者となってる大学の者じゃないから推測するしかないんですが,こういう「危険なタックル」「悪質なタックル」はしょっちゅうと言うほどでもないけど散見されるものですよ. ただ,今回のタックルはあまりに露骨だったし,上述した読売新聞の記事中にもあるように,昔とは違いSNSを通じて一般の目に触れるところへ拡散したのが特徴的です. サッカーでもわざと突き飛ばしたり,審判が観てないところで殴ったりすることがありますよね.あれみたいなものです. 以下の記事にもあるように,本場アメリカのNFLでも試合の要であるクオーターバック選手への悪質なタックルは以前から問題視されていました. ■ アメフト悪質タックル事件を、アメリカから考えると もう既にクオーターバックが投球動作の終末局面になっていて,タックルしてもボールの投射を防げるタイミングではないのに,わざと「勢い余って止まれなかったふり」をして突進するのが一般的でしょうか. もちろん違反した選手には大きなペナルティが課せられますが,その記事にあるように,ペナルティを背負っても相手のクオーターバック選手を負傷させることができた選手は,チームから裏の報奨金,つまり「ボーナス」を得ていたのが,かつてのNFLだったようです. あと,日大や内田監督を擁護するつもりはありませんが,彼らの主張もおそらくは真実なのでしょう.

ハラスメントといじめ

このブログでも度々取り上げることのあった和田慎市先生が,オピニオンサイトのiRONNAに記事を寄稿されています. ■ 「ズボン脱がされてもイジメじゃない」それってどうなの? (iRONNA 2018.5.3) 私も全く賛同するところですので,ぜひリンク先の記事を閲覧ください. ちょっと前まで一連の記事にしていた「セクハラ問題」において,セクハラはいじめ問題と類似していると述べました. ■ 一般的なセクハラ問題を論じる なので,ここでその関連をお話ししてみます. 実のところ, 「いじめ」と「ハラスメント」は,「嫌がらせ」という意味において同義 です. ■ 嫌がらせ (wikipedia) ■ ハラスメント (コトバンク) ですから,いじめであろうとセクシャルハラスメントであろうと,捉え方やその対処は同じものと考えられます. セクシャル(性的)ないじめがセクシャルハラスメントであり,権力・上下関係を使ったいじめがパワーハラスメントであり,妊婦に対するいじめがマタニティハラスメント,師弟関係でのいじめがアカデミックハラスメントというわけ. ようするに,相手が嫌がることをしたら,それはいじめでありハラスメントなんです. 和田先生は上記記事中の結論でこのように述べています.  学校現場の人間として声を大にして言いたいことは、真にいじめを克服するためには、杓子(しゃくし)定規な定義や報告など形式にこだわるのではなく、まず根絶できない現実を受け止めるべきです。そのうえで、いじめの発生しにくい環境づくりをするとともに、重大な事態に陥らないように早期発見と迅速な対処を心掛け、当事者の人間関係修復と被害者の立ち直りをサポートしていくことです。さらに、有効な未然防止策は、いじめを能動的に克服し乗り越える力、いじめをやめさせる力を子供たちに地道に身につけさせていく教育しかないと思います。 至極当然な意見のように思えますが,そのようにならないのが一般社会の受け取り方というもの. 「いじめ」という状況そのものの発生を根絶したがるんですね. いじめは悪.いじめの加害者に制裁を.いじめが発生する学校は碌でもないところだ,と声高に叫ぶ人達が後を絶ちません. これは昨今話題になったセクハラに代表されるハラスメントにお

体育学的映画論「レディ・プレイヤー1」

うわ! やっちまった映画だろコレ! って思ったんですが,意外とヒットしている次第です. なので,ヒットしてる割には感想・レビューが悪いのでは? って思ったんですけど,これまた意外と好評価みたいですね. 前回の「ペンタゴン・ペーパーズ」に引き続き,スティーヴン・スピルバーグ監督作品の「レディ・プレイヤー1」です. ■ レディ・プレイヤー1 (wikipedia) スピルバーグは仕事早いですね.脱帽します. ただ,この「レディ・プレイヤー1」の出来は良くありません. 私と同じ感想を持ってるネットの「低評価レビュワー」はいるのかな?って思って探してみたんですけど,ザッと眺めた限りでは見つからなかったのでココに書きたいと思います. 低評価しているレビュワーの多くが,「話の流れが分からない」「オタク向けで私には合わなかった」「出演キャラに魅力がない」といったもののようですが,私の感想は「SF映画作品として,解釈できるテーマが余りにも薄っぺら過ぎだろう」といったところ.「ペンタゴン・ペーパーズ」と同じ監督の作品とは思えません. 「やっぱ,現実での人間関係が大事だし,現実ではお金持ちになったら権力を行使できるんだよね」 っていう,旧世代のサクセス・パターンが展開されていて,いかにも俗物なオッサンやオバサンたちが喜びそうな道徳的で下衆な映画になっております. 途中で眠くなったこと数回. そしてクライマックスまで我慢したけど,その終わり方が酷くて退席したくなるも,両サイドに観客が並んでて出るに出れず.まあ,エンドクレジットになって無理やり出たけど. 映像が派手なので,それを見に行くくらいでしょうか.3Dとかでもやってるようなので,きっとそっちがオススメ. 時間つぶしに,コーラ飲んでポップコーン食べながら,トイレに立つのも気にせずのんびり見るタイプの映画です. では・・, 【以下,ネタバレを含みつつ書いていきます】 ネタバレが気になる人は,映画を観てから読んで下さい. 80年代以降の映画やポップカルチャー,サブカルチャーへのオマージュが満載で,そうした「オマージュの渦」に巻き込まれたいオタクな人にとっては楽しい時間になると思います. でも,私はそういう「ウォーリーを探せ」みたいなところに喜びを見出すタイプではないので,どうして