注目の投稿

学内紀要のことなんですが

いろいろあって,学内紀要を “頑張っている” 次第です.

“いろいろ” とは何かというと,その「紀要」が記念すべき「創刊号」なんですけど,学術的でない先生方が多いもんですから「イタい紀要」になる懸念があるので,紀要として “様になる” コンテンツを増やすべく,その編集委員長をやってる知り合いの(そして大学院の先輩の)先生を助けんとして,紀要を無理くり “盛り上げる” ために闘魂注入(つまり投稿)をしているという状況なわけです.

スキー実習とやらで2月のうちの一週間つぶれましたが,それ以外は論文作成に勤しんでいます.
なので2月はブログ更新する暇もありませんでした.


そんなわけで,記念すべき創刊号に2本書かせていただきました.

1本目は実験研究の論文:
かなり以前に,適当に取ったデータをまとめてみたものです.
テーマは,「トップアスリートは,一般スポーツ選手と比べ体力が優れているか?」ということで,10種目くらいの競技を対象として,トップアスリートと一般選手の体力を多角的に測定・分析したもの.
実はよくよく分析してみると大事なことが浮かび上がってくるデータだったんですけど,普通,我々としては面白くないし業績になりにくいし,論文にするのが面倒だからってんで誰も手を付けたらがらないテーマであります.

結論からすると,「トップアスリートだからといって,体力が優れているわけではない」 ということになります.
まぁこういうのって直感的にスポーツを研究している人達は感づいているものですが.
だから,「その中でも何が違うのか?」ということで,特定の分野(測定可能な項目)に絞ったりしながら深く掘り下げているのが,現在のスポーツ科学の現場であります.
でもこういう “その道の研究者” からすればゴミみたいなテーマも,一般の方々からすれば興味があることでして.
でも,そういうデータって「論文」という形でお目にかかることが少ないのであります.

今回論文としてまとめとけば,あとで引用したり紹介するのが楽になるので,この機会にやっとこうという魂胆です.業績としての価値はないけど,教育・研究生活のためには価値がありますので(規模のデカいメモみたいなものです).
なので,きっちり裏取り(つまり先行研究精査)して,図表も大きめに印刷する予定で書いときました.


2本目はエッセイじみた総説論文:
これは,少し前に書いていて放り出していた,
しかしもし,偶然というものが一切否定されたとしたらどうだろう
これを,この機会に再起動させたもの.
スポーツ分析とかゲーム分析と呼ばれている活動をテーマにしたものです.

最近,日本体育協会が出しているスポーツ指導者資格のテキストにおいても,「スポーツとIT」とかいう章を割いております.
スポーツ分析(いわゆるゲーム分析,映像編集・分析)を日本のスポーツ界にも啓蒙せねばならないと考えているからでしょう.
そんなわけで,日本体育協会のスポーツ指導者資格の養成校となっている私たちの大学でも,この「スポーツとIT」に関する授業をやっているという状況です.
どんな授業かというと,スポーツ現場でPCやビデオ映像をどうやって活用するか? という論調なのですが.
時代の波に乗り遅れるな,ということでやってる授業ですから,適当に流しておこうというものです.
やってる本人が言うのもなんですが,あまり面白くありません.

なぜかって,「スポーツ」と「IT」って,親和性が無いはずのものでして,突き詰めていくと,“ITはスポーツを面白くなくさせるもの” という結論に達するからです.
今のところは放っておいてもITがスポーツに悪影響を及ぼすところは少ないので大丈夫なのですが,いつかは「つまらない」と言われる道を歩むことになると私は推測しています.

一般の人からすると,全国大会とかプロスポーツ,そしてオリンピックなどで活躍するスポーツの指導現場では,ハイテク機器を使った指導がなされていると思われがちですが,実はそうでもありません.
「実はそうでもありません」,ということで,そうでなければならないかというと,そうでもないのです.
コーチの直感とか,選手の状況把握・判断能力というのはハイテク機器を使った分析よりも優れていることは確かでして.むしろスポーツは 「それ」 が大事だと思っている次第です.

紀要に書かせてもらった論旨としては,「スポーツとITは水と油のようなものであるが,どうしてもスポーツにITを取り入れたいというならば・・・」,ということで,私なりの見解を主張しているものです.
これについては,後日記事として公開していこうと思います.


この紀要の編集委員長とも内線でネタにして・・,(おっと失礼)「相談」 をしていることなのですが,
反・大学改革論4(喜んでる教員)
こんな挙動の教員がいる大学は危ない
で紹介したような教員が提出してくる論文,

酷い.
酷すぎる.
よくもまぁ,こんな文章・内容が書けるものですね.学生のレポートのほうが,なんぼかマシです.

頼むから中学生みたいな文章を書くのはヤメてほしいんです.
難しい言い回しをしろっていうわけじゃないし,革新的な内容にしろってんでもない(それなら紀要に出すべきではないよね,もったいないから).

つーか,むしろこれ,自分じゃ書けないからってんで誰かに書かせただろ.あなたにこれだけの(とは言っても低次なわけだが)文章が書けるとは思えないですから.
見える・・.見えるぞ・・!
きっと,こうなんです.
教員「おいっ.X日までに「◯◯」のテーマについて,レポートを書いてこい.卒論の練習だ!」
とかなんとかゼミの学生に指示・命令して,それを提出している疑義があります.

いいんですけどね,こういう教員が “少し” いるのは.
害にならない程度なら,見ていて面白いから.
スパイスみたいなものです.でも多いと不味くなるでしょ.そういうものです.

こういう現状,どうすれば改善されるのでしょう.
まぁ,私はこの大学を去るので考えたところでしょうがないのですが,気になるテーマではあります.
こんなところでも,大学とは何かを考えさせられるのです.