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東京オリンピック・札幌マラソンについて
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東京大会・札幌会場
最近,現在話題の土地に出張することが多い今日このごろ.
先日の記事では沖縄・首里城のことを取り上げましたが,実は10月に沖縄出張してきたところでした.
だから首里城炎上は結構な勢いで驚きました.
そして先日は,東京オリンピックにおけるマラソン会場に指名されている北海道・札幌に出張してきました.
北海道のスポーツ関係者から,いろいろと事情を伺ってきたので,今回はその中から出せる範囲の表現で記事にしてみます.
マラソンが北海道の札幌に変更された件ですが,てっきり私はすぐに鎮静化するものと思っていたんです.
だって,8月のマラソンを東京都心でやるなんて意味不明な暴挙ですし,涼しい場所に移動できるものなら移動した方がいいだろうと.
むしろ,IOCは可能な限り「開催都市で競技をする」ということにこだわる傾向があるはずですから,日本の北国でやることはできないと思っていました.
朝5時にスタートする,いや3時にスタートする.
ボランティアは前日入りからの,徹夜仕事になる.
そんな感じで,「平和の祭典」とは名ばかりの戦時サバイバルな様相を呈していましたので,北海道開催への変更は「ま,そりゃそうだよね」という感じで落ち着くもんだと.
ところが,連日のニュースを眺めてみても,JOC,IOC,陸連,東京都,北海道・札幌市といった面々による責任や罪のなすりつけ合いが凄いですね.
そこに外野のヤジが飛び回って,火に油を注いでいます.
札幌開催ってどうよ?
いやもう,どうでもいいよこんなニュース.
もともと私が「オリンピック」に興味がないからかもしれませんが,安全で能率的に,快適な大会運営ができればそれでOKじゃないんですか?
IOCが独断で決めたとか,決定までのプロセスが強引だったとか,東京の小池知事に事前相談がなかったといったものは「マラソン開催」とは関係ない話.
少しでも快適な場所で競技開催できるのであれば,それはそれで進めれば良いことです.
「日本の選手は,東京開催時と同じコースでリハーサルできていたのに」
というMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の話題も出てきますが,そんなの日本代表だけの都合であり,他国の選手にとっては関係ありません.
ホスト都市である東京が考えなければいけないのは,日本人選手が活躍することだけでなく,世界の選手が快適に競技できることのはずです.
いっそのこと,「トイレの中でのレース」と揶揄されるトライアスロンも,沖縄か北海道でやれば良かったんじゃないですか?
って思いたくなる.
ただ,北海道のスポーツ関係者にこの話を尋ねたところ,
「ひたすら迷惑な話」
「全然嬉しくない」
とのことです.
※一部の方々の感想です.
まあ,たしかね.
開催決定が今年の1月・2月くらいだったら準備もできたものを,こんな時期に確定されても困るようです.
まず,11月下旬から雪が積もってくる危険性があるので,そこから来年の3月まではコース周辺の改修ができなくなるそうです.
つまり,コース準備の余裕が全くありません.
っていうか,新たなコース検討なんてほぼ無理.
なので,
「北海道マラソンのコースをそのまま採用するのがベター」
ということで進んでいるようです.
ここから安直に変更すると,また余計な手間や心配事が増えるので,それは避けたい.
次に,8月の北海道・札幌はさまざまなイベントが入っており,これをどのように調整するかで揉めます.
これに関連して,宿泊施設の確保がマジでヤバいらしい.
よく,
「札幌開催決定に先駆けて,北海道・札幌に打診と内定があったから,宿泊施設の確保も進んでいる」
という出所不明の情報がありますが,どんなにIOCに権力があって,オリンピック利権が強力とは言え,そんなウルトラCなことはできません.
事実,こんな状態になっています.
■マラソン札幌開催でホテル業界大忙し 予約殺到(日刊スポーツ 2019.11.1)
もともと8月の北海道は観光シーズンですから,1年前からたくさん予約が入っているんです.
それを,あとになって「オリンピックですから」という理由でキャンセル扱いにしたり,断ることなんてできないでしょう.
ここは日本.
中国や北朝鮮とは違います.
そもそも観客をたくさん集める必要もないと思います.
マラソンとか競歩ですし.
地元の方々が沿道で見てればいいんじゃないですか.
その点,東京開催であれば,ある意味で歴史に残る珍妙なマラソンになったと思います.
それはそれで見てみたい.
「東京開催」の場合の状況を思い出してみましょう.
最終案では,午前未明の3時スタート,5時頃ゴールを検討していました.
真っ暗な空の下,街頭の明かりの中を走り続けるランナー.
あの東京のムワッとした熱帯夜の中で,ところどころ「ミスト」とか「かき氷」を降らせながら走る姿には,一抹の寂しさを感じることができるでしょう.
そして沿道には,涼しさを演出する「朝顔」が並びますが,残念ながら「朝顔」というだけあって,レース中は開花時間ではありませんので,ツボミのままです.
これまたシュールな絵面が拝めたと思います.
もっとも,ゴール時間の5時頃には開花していると思いますが.
事実上の「深夜」ということもあって,応援の声も演出も静かなものとなるでしょう.
いやむしろ,夜勤明けのコンビニの店員のように,妙にテンションの高い観客・スタッフを見ることが出来たかもしれませんね.