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イノシシ防護柵:農林水産省および役所に対する不満と疑念

それってどうなのよ?


このブログの主要読者にとっては興味薄な話でしょうが,まあ,いろいろなことに関連する話題なので,とりあえず最後まで読んでみてください.

以前から父から話は聞いていたし,だったら役所に文句か改善策を言いに行けばいいのにとも言っていたことです.

それは・・・

イノシシ防護柵の補助金とルールについて


最近,イノシシ,シカ,サルといった農産物に被害を及ぼす野生動物から保護するためのツールの利用に,国から補助が出る制度があります.
これを活用している農家も多いんです.

農林水産省のHPに,制度を説明したものがあります.
【改訂版】野生鳥獣被害防止マニュアル-イノシシ、シカ、サル(実践編)-平成26年3月版

私たちの地域では,「イノシシ」と「シカ」の被害が多いので,これに対抗するための手法がなされています.
なかでも特にイノシシ被害が大きいので,国からの補助金・貸与を受けて「イノシシ防護柵」を用意している人が多いですね.

なお,近年ではシカの被害もバカにならなくなってきたので,若手である私が狩猟免許とって,奴らを撃ちに行こうかと思っているくらいです.
撃ったシカは食べちゃえばいいし.


さて,イノシシ防護柵というのは,こういうものです.


農地を取り囲むように設置し,イノシシの侵入を防ぎます.

ところがこのイノシシ防護柵,設置基準として
「耕作地(田畑)の外縁を取り囲むように設置する」
というものがあるようで,しかもその設置場所を,
「役人が判断する」
というものになっています.

当然といえば当然.
防護柵をむやみやたらと張り巡らせようとする輩や,自分勝手に使いたがる輩,不必要な量を要求する輩が出てくる可能性がありますので,そういう仕組みになっているのでしょう.

しかし,これがもとで変テコな状況をも生んでいます.


まず,イノシシ防護柵というのは,
「イノシシが入ってこないようにする」
ことが最大の目的です.

しかし,上記のような不正利用を防ぐために用意した,
「耕作地(田畑)の外縁を取り囲むように設置する」
という杓子定規な規定と,イノシシの特性・習性をあまり知らない,
「役人が判断する」
をやっているため,イノシシのことを無視した設置方法をとらねばならない状況になっています.


例えばこちらを御覧ください.


一般的に,イノシシは自分の体高(身長)より高いハードルを飛び越えて入ろうとはしないとされており,なので防護柵もそのサイズで作成されています.

ところが,設置基準が,
「耕作地(田畑)の外縁を取り囲むように設置する」
になっているので,上記のような高い石垣の部分も防護柵で「囲わねばならない」ことになっています.

絶壁の上に城壁とは,まるでホーエンザルツブルク城.
ホーエンザルツブルク城

無駄に鉄壁です.

農家としては,石垣部分からはイノシシが入ってくるわけがないので,できれば取り付けたくないところ.
面倒くさいし.

夏になったら雑草が生えてくるから,草刈りもしたいわけですけど,防護柵があると邪魔になるし,草刈り機を故障させる原因にもなりますので.


「耕作地(田畑)の外縁を取り囲むように設置する」は忠実に守らなければなりませんから,こんなシュールな状況にもなります.

壁の前に堀ならまだしも,崖の前に壁.
コンスタンティノープルもびっくりの無敵の城壁になっています.
コンスタンティノープル

父からこれを見せられた私は,写真を撮る前に声を出して笑いました.
至って真剣に悩んでいた父も,このシュールな笑いに輪をかけた.

どんなに「やっぱおかしいよコレ」って思っても,ちゃんと囲っていないと役所の人から注意を受けて,違反者扱いされます.
なので,しぶしぶ全部囲むんです.


「状況を説明して,変更手続きとか改善手続きをすればいいのに.その方が向こうとしても貸し出す防護柵や補助金が少なくて済むんだし」

と私も父に言いましたが,

「言ったけど聞いてくれない」

とのこと.


たぶん,そんな個別の状況をいちいち考慮して対応していたら,人手が回らない or たんに面倒くさくて無視してるのでしょうね.

だから,農家側としても防護柵が不要なところは付けていなかったり,「耕作地(田畑)の外縁を取り囲むように設置」では効果が無い状況下においては,別の効果的なところに防護柵をつけていたりするようです.

でも,たまに役人が防護柵をきちんと使っているか巡視しにくるのだそうで,その時だけ大急ぎで「耕作地(田畑)の外縁を取り囲むように設置」するんですって.

なんとまぁバカバカしい.

でも,類似したことは他の業界でもありますよね.
教育界だったら,例えばあんなことやこんなことが該当します.


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