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不本意ながら買ってしまった|花咲くアーモンドの木の枝

コピー,ポスターではダメだと言っていたのに


今年から田舎の実家に引っ越したこともあり,住居が狭いアパートではなくなりました.
私が使っている部屋は,以前は祖父母が使っていたエリアで,いわゆる典型的な古民家です.

二人共すでにこの世を去っており,以後,ほぼ倉庫のようになっていたこの場所を,3月はずっと清掃とリフォームに費やしてきました.
もともとあった「床の間」もきれいにし,ボロボロになっていた掛け軸も取り払いました.

この掛け軸,どうやら当時(約40年前)2千円くらいで購入した安物の掛け軸だったようで,とりあえず床の間っぽい雰囲気にするために用意したものとのこと.
思い入れもないそうなので廃棄となりました.

では,次にその場所に何を飾ろうかと思って「掛け軸」を有力候補に検討していたのですが,この部屋は私以外立ち入ることも少ないこともあって,いっそ私の趣味に走ることにしました.
掛け軸にこだわらず,何でもいいやと.


そこでまずは第一弾として,過去記事でも私が大絶賛している絵から飾ることにしました.

これまでに見てきた絵のなかで,一番私が好きな絵です.

フィンセント・ファン・ゴッホ作『花咲くアーモンドの木の枝』
フィンセント・ファン・ゴッホ「花咲くアーモンドの木の枝」(wikipediaより)


もちろん本物ではありません.
本物はオランダのゴッホ美術館にあります.

このネット画像だけ見ると,
「なんだこれ? ただの木の枝が書かれているだけだろ.退屈な絵だなぁ」
って思うじゃん?

実際に生で見たら違うから.
ぜんぜん違うから.

以前,そのゴッホ美術館に行く機会があったので,そこで見ることができたのですが,本物はマジで感動します.
もし見れる機会がありましたら,観賞を猛烈におすすめします.


で,そのコピー・ポスターが通販で手に入るんです.
私が購入したのはこちら.
 


いろいろなサイズが購入できるのですけど,やっぱり本物のサイズに近いほうが良いかなと思ったので,A1サイズにしました.




入手後,さっそく額に入れて掛けてみました.


明らかに俄拵えな感がありますが,まあ,安いし,どんなもんか確認したくて購入した意味もあるので良しとしましょう.
今後,飾り方とか考えます.


過去記事では,「どうしても実物とコピーポスターには差があるよね」っていう話をしましたが,これは美術館とか博物館にあるお土産屋での話です.
国立新美術館の「ビュールレ・コレクション」に行ってきたよ

やっぱり,実物を見た直後にそういうコピーを見ると,その違いが気になっちゃうわけです.

でも,今回このポスターを購入してみて思ったのが,
「意外と悪くない」
っていう感想です.
これは私自身も驚きました.

もちろん,所詮は偽物だという認識があるからかもしれませんが,これを前にして思うのは,やっぱり『花咲くアーモンドの木の枝』は良い絵です.
それは素直にそう思う.

この調子で,他のコピーポスターも購入してみたいと思うし,気に入った実物の絵を買いたいと思いました.
まだ売れていない芸術家でも,私の感性と合う作品を作っている人はいるでしょうから,そういう作品はぜひ手元に置いておきたいものです.


芸術作品はじっくり鑑賞して楽しむものですから.
パッと見るだけや,PCのディスプレイでは味わえないものが,コピーであっても生で見て感じる価値があると痛感させられました.


それに関連して,最近買って読んだ本に,末永 幸歩 著「自分だけの答えがみつかる13歳からのアート思考」というのがあるんですけど,そこで指摘されているのが,「一般の人は,1つの絵を見る時間が短い」ということ.
これは,もっと以前に読んだことのある美術・芸術系の書籍(タイトルや著者は忘れちゃった)にも同様の指摘がありました.


それ,私もそう思います.

私の場合,気に入った作品はだいたい1分くらいは眺めます.
当然,その場所の込み具合にもよりますけど,どうしてもという場合は時間帯を考えて行きます.

ゴッホの「花咲くアーモンドの木の枝」も,その場に立ち止まって,ゆっくりじっくり丁寧に見ることをお勧めします.
じぃーっと見ていると,急に絵が広がってきて,描かれているアーモンドの枝や花が,今まさにそこにあるように浮き上がってくるのが分かるはずです.
それは本物のアーモンドの枝とも違う,まさに芸術としか言いようのない感動が得られます.

これは流れ作業で鑑賞していたら分からない感動です.


上述している過去記事では,国立新美術館で開催されたビュールレ・コレクション展で,ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」が目玉作品として紹介されていた,という話題でした.
実際,世界で最も美しい肖像画として知られています.

ルノワール 「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」(Wikipediaより)

それもあって,「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」の前には黒山の人だかりだったんです.
国立新美術館の「ビュールレ・コレクション」に行ってきたよ

あんなところで見る気にはならないですよ.
そんな状況下では,周囲の迷惑お構いなしに,強引に見ても20秒くらいが関の山.

ですから私は,その周辺で他の作品を鑑賞しながら空くのを待ってから見ました.
じゃないと,絵を見に来た意味がだいぶ薄れると思うから.

ちなみに,イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢も非常に人気のある絵ですから,さまざまなコピーポスターや複製が販売されています.

 


なお,私は買わない.
だって,幼女の肖像は趣味じゃないし,部屋にも合わないので.
こんなの掛けてたら,ちょっと気分が落ち着きません.


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