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<新型コロナ>個人の努力に頼るステージに到達した
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こいつら国民を殺す気でいるから
実際,ダイレクトにそんなことを言った政治家もいるようです.
■自民党幹部「もたない会社つぶす」発言 日本は会社がつぶれると人が死ぬ可能性が高い国(Yahoo!ニュース 2020.4.15)■自民幹部「もたない会社潰す」発言に透ける安倍政権の本音(日刊ゲンダイ 2020.4.15)
安倍政権の正体見たりだ。自民党の若手議員による議員連盟「日本の未来を考える勉強会」の会長を務める安藤裕衆院議員が、“ある幹部”の衝撃発言をネット番組で暴露。弱者切り捨ての問題発言が物議を醸している。(中略)〈自民党が冷たくなったよねというのはその通りで、提言の話で「損失補償、粗利補償しないと、企業絶対つぶれますよ」という話をある幹部にしたときに、「もたない会社はつぶすから」と言うわけですよ〉
なんと、自民党幹部が企業倒産を容認する発言をしていたというのだ。一体、暴言を吐いたのは誰なのか。安藤が提言書を持って行った西村なのか、自民党の岸田文雄政調会長なのか、それとも別の誰かなのか――。改めて安藤議員に暴露の真意を聞くと、こう答えた。
「誰が『もたない会社をつぶす』と言ったかは、ご想像にお任せします。あらゆる会社を突き放すのではなく、体力がない、あるいは放漫経営の会社を指して発言したのではないか。いずれにせよ、国が企業に救済措置をせざるを得ない状況です。どんな会社も一律に救うべきと考えています」
最近,新型コロナ対策の分科会会長をやっている尾身茂氏がこんなことを言いました.
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は27日の衆院厚生労働委員会で、感染防止対策について「人々の個人の努力に頼るステージは過ぎた」と述べ、政府や自治体の対策を強化すべきとの認識を示した。
いくらなんでも認識が甘すぎます.
むしろ,個人の努力に頼るステージに到達したのです.
言い換えれば,政府や自治体を見限る段階になったということです.
政府や自治体がなんとかできる段階は,とうの昔に過ぎ去っています.
だいたい,5・6年前くらいで終了していたでしょう.
ここ数年は,このブログでもそんな感じで諦観しています.
昨日のブログ記事でも書きましたが,日本という共同体にはこの「自己責任」の思考回路が完全に出来上がっています.
ただしこれは,日本人の多くが,
「個人の責任をしっかりと認識して振る舞うようになった」
というわけではありません.
そうではなくて,個人の責任を追求することに楽しみを見出すようになっただけ.
ここでは,弱い者いじめが顕著になります.
一般的に,人間社会には心が弱い人が多数派です.
哀しいことですが,自分より立場が弱い奴を見つけると,それを徹底的に叩きのめそうとする人が多いものです.
その結果,責任をとらなければならない人が責任を逃れるようになり,責任をとりようがない人に責任をなすりつけるようになりました.
まあ,この傾向は20年以上前からで,私が高校・大学生くらいの頃からチラホラと言われていたことですが.
当時の私はこの,
「責任の明確化を必要以上に推し進めてしまうと,責任をとらなければならない人が責任を逃れるようになり,責任をとりようがない人に責任をなすりつけるようになってしまう」
という評論がいまいちピンとこなかったのですが,徐々にそういう社会になっていきましたね.
思い起こしてみると,90年代末くらいから,テレビなどでも「弁護士系バラエティ番組」とか「訴訟系情報番組」が増えていました.
「行列のできる法律相談所」みたいなやつ.
実際,そういう番組から世間に出てきた弁護士は,どいつもこいつも碌な奴はいませんでした.
自分が権力を持った時に,その権力に見合った責任ある言動をしないからです.
誤解してほしくないのですが,私はなにも
「人は責任をとる必要はない.責任を追求する必要はない」
などと言いたいわけではありません.
「責任追求に楽しみを見出してはいけない」
ということです.
そうでなければ,「責任」をまるでゲームのスコアのように扱いだします.
これが個人レベルの訴訟問題とかならいいのですが,そのうち政治問題にも波及するのです.
で,今がそんな状態です.
そこでは,
「李下に冠を正してしまっただけだから大丈夫」
などとアホなことを言い出す足立議員が出てきたり,
「無いことを証明するのは『悪魔の証明』だ」
などとドヤ顔で反論する総理大臣が出てきます.
なお,上記はいずれも誤用です.
詳細はこちらに書いています.
もはや個人の努力に頼るしかない
国家がまともに機能していないのですから,個人の努力に尽きます.
新型コロナ対策にしても,
「政府や自治体が明確な指示を出すべき」
「リーダーシップをしっかりとるべき」
などというコメントを見ることがありますが,もう諦めたらいいのに.
国は国民を救う気はありません.
最優先は,「責任をとらなくて済むことは何か」になっています.
追求を免れられるぞ,と判断すれば,そのギリギリを攻めたくなるもの.
モリカケ桜を始めとして,現在では芸者と会食する大臣がいたり,大人数で忘年会する総理大臣が出てくるのはそのためです.
辞任とか再起不能といった事態にならなければ,最大限「今」を楽しみたい.
これは今に始まったことではなく,それはもう,ここ数年ずっとそうなんです.
ただしこれは,責任追及をおもしろがった社会のツケとも言えますけど.
私としても,政府はもちろん,高知県知事や黒潮町長には何も期待していません.
どうせ何もしないし,出来ないんだから.
「責任」の取り扱われ方が適切になるまでは,各自が独自の判断で動くことが肝要かと思います.
下手に国や自治体の要請に協力すると,手痛いしっぺ返しを受けたり,恩を仇で返されるような気分になるだけなので,やめたほうがいいです.
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