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映画「トップガン」って実のところおもしろくないよね

来年には続編の「マーヴェリック」が公開予定


先日(20日)に,フジテレビ系で映画「トップガン」が放送されたらしい.
そんな話を,うちの従業員のオバちゃんたちが休憩時間に話してました.

どうやら,続編の「トップガン・マーヴェリック」が来年に公開することが決定したようで,前作となる「トップガン」のテレビ放送にはその関係もあるようですね.

日本シリーズのせいで1時間以上遅れての放送だったようなのですが,「青春の映画」とのことで,夜遅くまで我慢して見たとのこと.
お疲れ様です.



ただ,私としてはこの「トップガン」という映画,あまり好きではありません.

いえ,昔(子供の頃とか)は憧れをもって見ていたんです.
いわゆる,ミリタリーもの,戦闘機ものとしての男の子の感覚で.

ところが,大学生になって改めて見てみたら,
「え? こんなにつまらない映画だったっけ」
と拍子抜けしてしまった映画なのです.

とてもカッコいい映画だと思っていたのに,なんだか寂しい気持ちになってしまいました.


そうは言っても,高評価している点は多々あります.

まず,映画の冒頭は100点満点です.
空母と艦載機をこんなにカッコよく写した映像作品は他にありません.
現在の私にとって,映画「トップガン」は,冒頭の4分間を見るためのものです.

他のシーンはどうでもいい.

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トップガン(Amazon)

実際,たまにこの「冒頭4分間」だけを見ることもあります.
この映像にはそれだけの価値があります.

ここでは,「艦載機・F14トムキャット」をカッコよく魅せるにはどうすればいいか? を勉強できるんです.
それが他のコト・モノにも応用できるでしょう.

例えば,「映像の色」つまりは「時間帯」が完璧です.
夕日なのか朝日なのか,そもそもフィルタ付きなのかは判別できませんが,オレンジ色に染まった空母艦上の映像が美しい.
オレンジ色と黒だけのシンプルなトーンで構成された映像は,それだけで芸術的です.

次に,艦載機・F14の全景がほとんど出てきません.
一部だけ,パーツだけを映し出すのです.
素人なら,F14のカッコよさを見せたいがために,機体を丸々映したくなっちゃうものですが,この映画ではそうしません.

代わりに,艦上の作業員をしっかり映しています.

戦闘機,わけても空母艦載機のカッコよさとは,そうした運営システムにあるということを,今から30年以上前に映像化したことは,非常に大きな歴史的意義があると思います.


あと,30年以上前の映画という点について,この映画は実際の戦闘機を飛ばして撮影しているそうですが,この時代には小型で高画質なリモートカメラなどはありません.
なのに,戦闘機同士のドッグファイトをしっかり撮影しているというのは,極めてこだわりのある映像だという点です.
撮影担当者の技術と根性が垣間見える作品ですね.



この映画は「おもしろくない」と言ってしまいましたが,実際には大ヒットした映画です.
あまりにも影響を受けた若者が多かったので,当時のアメリカ海軍には入隊者やパイロット志願者が続出したらしい.

映画にはそういうパワーがあります.

そう言えば,日本は自衛隊の志願者数の減少に頭を抱えているようですね.
若者が来ない!「自衛隊員募集」の深刻現場(東洋経済オンライン 2018.9.19)

あまりに志願者が増えないからということで,パンチラ画像で釣ってみたり.
自衛官募集ポスター「下着チラ見え」疑惑で炎上 原作アニメはスカートを穿かないことで有名?(ニコニコニュース 2019.3.1)

グラビアアイドルに頼ってみたこともありました.
壇蜜、自衛官募集の"リクルート隊長"に就任 - 8月1日から新CMに出演(マイナビニュース 2015.7.15)


つまり,日本の防衛は「エロで釣る」という作戦のようなのですが,やっぱりこういうのって「カッコよさ」で釣るのが正統派だと思うんです.

邦画でも,なんか作れないものですかね,こういう「カッコよさ重視のミリタリー映画」というものを.
いかんせん,お涙頂戴か,ダサい国粋ものしかないのが残念ですから.

トップガンと似たような空母・艦載機ものの邦画に,映画「空母いぶき」というのがありました.


酷い,なんてものじゃない出来の映画です.
そんな話を記事にしたこともあります.

あの「空母いぶき」で記憶に残っているのは,
「艦載機F35は高価だから,粗末に扱ってはいけない」
という,予算と経費の話でした.

こんな話を展開されても,パイロット志願者が増えるわけがありません.

もっとストレートに,
「自衛隊に入ったら,カッコいい自分になれるかも」
というメッセージを感じる邦画に期待したいものです.

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