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ベーシックインカムについて映画『護られなかった者たちへ』で考える

先日,辺野古基地座り込みに関して,ひろゆき氏の話題をしました.
ついでに,この件も考えてみます.

上記のことで,このたびひろゆき氏の言動について調べてみることになったわけですが,するとどうやら,ベーシックインカムについても彼は発言しているんです.
先般の「安倍晋三暗殺事件」に関連して,ベーシックインカム制度を訴えているようですね.

先日の記事ではひろゆき氏のことを批判的に記述しちゃってますが,ベーシックインカムについては,私もほぼ同意見です.

つまり,私はベーシックインカム推進派といえます.
過去記事でも触れたことがあるので,こちらもどうぞ.


世の中には,どうやってもお金稼ぎができない人がいます.
どんなに努力しても,それこそ,周囲の人たちが納得するような真面目な態度で頑張っても,お金に困る人というのは一定数いるものなのです.

「お金」というのは,努力や能力の結果でもなければ,周囲からの評価や社会貢献の度合いでもありません.

そこで「ベーシックインカム」が有効ではないかという意見がでてくるわけです.

人間らしい最低限度の生活をまず保証しておき,そこから先は,さらにお金を稼ごうが稼ぐまいが本人の自由という制度.

ベーシックインカムにより,多くの人間は「仕事」をしなくなるのではないか? という危惧があるようですが,社会実験としてベーシックインカムを導入した事例では,どうやらそのような傾向はみられないようです.

むしろ,毎月(毎年)国家から生活費が配られるこのシステムは,引き出し上限付きの貯金を無尽蔵に所有している国民が大量に現れることになるわけですから,消費活動は活発になることが予想されます.
つまり,ベーシックインカムによって景気は良くなる方向に向くのではないかと考えられています.

さらに,「国民一人当たり」という制度なのですから,世帯人数が多いほうが一世帯あたりの収入は増える計算になります.
なので,少子化対策にもなるのではないかとされているんです.


その一方で,私がベーシックインカムを推奨したい理由として最大のものは,前述の過去記事でも述べていますが,今回紹介する映画「護られなかった者たちへ」で描かれている日本の生活保護の実情を鑑みたものです.

映画「護られなかった者たちへ」(2021年)



とにかく映画としての出来がとてもいい.
生活保護についての問題点や,それを取り巻く人間模様が丁寧に描かれています.

そしてまさに,「こういうことになるから早くベーシックインカム制度を取り入れたほうがいい」と訴えたくなる内容になっているのです.

実際,この映画のレビューを覗いてみると,
「誰が悪人なのかわからない」
「じゃあ,どうすれば良いのか? という感覚になる」
といったものが散見されます.

このドラマに,悪人はいません.

殺人事件の被害者でもある市役所の職員にしても,彼らは彼らのルールで仕事をしていただけです.
その一方で,犯人の気持ちも痛いほどよくわかるし,当事者であれば猛烈な殺意を覚えるであろうという共感もする.

さらに,生活保護の不正受給を取り締まり,指導する職員の苦労や虚しさ,そしてやるせなさもよく描かれています.
私としては,個人的にはこのあたりがヒットでした.


考えてみればおかしいんですよ.
そもそも,どうして「生活保護」に条件とか指導なんかがあるのか?
人がどうやって生きていこうが,自由にさせるのがまともな民主主義国家ではないのか.


最近,私の農場の従業員のひとりが生活保護を受給することになりました.
そのため,使っていた自動車が没収になってしまったので,うちでは働けなくなったんです(ここは超田舎なので,自動車がないと移動が困難なので).
本人としては,時間帯的にも都合がいいので,うちで働きたいという希望があるのですが,自動車が使えないので徒歩で通えるところにしかいけません.
結果として,経済的に極めて非効率な生活を強いられることになっています.

一体何のための生活保護なのか,かなり疑問なところです.

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