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教員採用試験の倍率が激減している件

教育関係の話です.
以前,

教員免許更新制をやめたと思ったら次は「免許なしでも教員になれる」って言い出したのでマジでホントに勘弁してほしい

っていう過去記事でも書いたのですが,それに関するニュースがまた最近ありました.


教員採用合格後の免許取得OK 若手社会人に拡大 志願減で 東京都(朝日新聞 2023.1.20)
東京都の教員採用試験が、教員免許を持たない25歳以上の社会人でも受けられるようになる。
40歳以上を対象に2022年度から導入していたが、23年度実施分から年代をさらに広げる。 
深刻な教員志願者の減少を受けた策で、都教育委員会の担当者は「免許を持たない第二新卒層も教員を検討してほしい」と期待をかける。


いよいよ教員のなり手が退っ引きならないほど深刻な状態になっている,ってことに慌て始めたようです.
このブログでは毎度のことですが,

だからあれほど言ったのに

ですね.

こういうヤバい状況になることは何年も前から取り上げてきていましたが,事態が目に見えて大炎上しないかぎり,人間というのは当事者意識にならないものです.

とはいえ,もう取り返しがつかない状態になっているので,取り返しがつかないのですけど.

YouTubeでも,こんな感じで取り上げられています.



この番組内でゲストだった西村氏も仰られていましたが,
「給料を上げるよりも,労働量を減らしてほしいというのが現場の声だと思う」
というのは,元教員である私も同感です.

事実,
「給料を上げれば良い人材が獲得できるはずだ」
という意見をよく耳にしますが,実際のところ,特にこういう職業では「給料」はインセンティブとして機能しないと思うんですよね.

例えば私みたいな大学教員であっても,給料がものすごく少なかろうとも,好きな研究に没頭できて,その研究現場を通じて学生に教育を施すことができるというのであれば,やりたい人ってたくさんいますよ.
よくわかんない講義とか会議とか事業とか,そんなのをなるべくやらなくて済むというなら,おそらく年収300万円くらいでも大学教員は成り立ちます.
確保しなければいけないのは,研究費と自由時間なのです.

同様に,学校教育の教師にしても,いわゆる社会の人々が求める「良い学校の先生」をお望みなのであれば,給料よりも「教育に打ち込める時間」とか「子供と向き合える時間」を確保してあげるほうが,はるかに教員のためになります.


非常に時間がかかることですが,「学校の先生」という仕事に対する魅力を回復させることが,今からできる着実なことだと思います.


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