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大学教員になる方法
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大学教員になるためにはどうすればいいか
仕事の帰りに後輩と飯を食べながら話したのが「大学の教員になる方法」というものです.
彼も不安定な非常勤講師から常勤の大学教員になれるよう頑張っている一人ですので.
いろいろと話し込みました.
大学教員になるためには,業績(つまり論文の数)が多ければ損をしないのは周知のことですが,それ以外にどんなものが必要になってくるのでしょうか.
私自身の経験や,いろいろな大学人からこれまでに聞いたことを総合的にまとめてみたいと思います.
ネットには,「大学院で博士(修士)を取得しましょう」とか「求人方法はこれ!」といった,無価値な情報が氾濫しています.
ですが,ここで述べるのはそういった,果てしなくどうでもいい話ではなく,大学教員になるための実際の基準についてです.
業績の目安
20代後半〜30代前半で大学教員になろうと思ったら,業績はその分野としてカッコ悪くない程度あれば十分です.
目安としては,大学院を修了した年から,年に1本ずつ書いていったペースくらいです.
修士を24歳で出た人であれば,30歳の時に5〜6本くらいだと思います.
その間,博士をとる人もいるかもしれませんが,業績の数としてはこんなもんのはずです.
ちなみに業績は学術論文だけじゃなく,著書も含まれることが多いですね.
だいたい,公募や求人には,
「過去5年間の業績を別刷で3〜5本出せ(コピー可)」
というパターンが多いですから,そういう意味でもちょうど良い数だと思います.
ただ,ここからが重要で,業績(だけ)が多ければ多いほど採用に近づくか,と言われれば,否です.
その求人が上で挙げた「業績を重視」する採用基準であれば,それこそ多ければ多いほどいいのですが,実はそういった採用基準のケースは稀.
特に,40代以上での人事となってくると,単純な「業績数」や「インパクトファクター」は基準になりません.
ここを勘違いしている人が,ヒステリックになって,
「あいつより俺の方が業績が上なのに! きっと最初から決まっていた公募だったんだ!」
と怒り狂うことになります.
違います.
そうじゃないんです.
業績の量や質が重視されるのは30歳前後までのこと.
年齢や職種が上がれば上がるほど,
「担当してもらう仕事内容とマッチしている人材か?」
が判断材料になります.
採用になる人物像とアピール方法
大学教員であっても普通,採用したい側のニーズに合致した人を採用します.
業績が多い人を採用したい,なんてニーズは普通ありません.
自分が採用する側になって考えれば,当たり前のことです.
研究業績は “恥ずかしくない程度あればOK” で,あとは大学教員としての能力が求められます.
最近の大学は学生の教育に力を入れています.
業績が多いことは大学教員としての魅力も高いのですが,それだけというのも困ります.
小さい大学ほどその傾向があるように感じるのですけど,
「問題を起こさない」
「何でもやってくれる」
「ちゃんとしてる」
という部分が必要条件になるんではないかと.
30歳前後での大学教員の採用基準というのは,
研究をメインにやってもらうための「研究者タイプ」と,
教育をメインにやってもらうための「教育者タイプ」
のいずれかですが,どちらも自己アピールの仕方が重要です.
どうしても大学教員ということで,
「私のこれまでの研究」とか
「私がこれからやりたい研究」
の話でアピールしがちですが,実は採用する側としてはいたって興味薄なところなのです.
そうではなくて,
「あなたを採用することで本学にどういったメリットがあるのか?」
が大事なのです.
当たり前ですが,その点に尽きます.
自分のやっている研究テーマや分野がどれだけ社会にとって,大学にとって重要なのか,を説くことは無意味かもしれません.
さしずめ一般の就活の面接などで,
「私は大学時代に野球部に入部してセカンドをやっていました.セカンドというのは重要なポジションです.セカンドにとって大事なことは全部知っています.誰にも負けません」
なんていう自己アピールに,
「そうですか.それが弊社にとってどんなメリットがありますか?」
と聞きたくなるのと一緒です.
なにも野球部やセカンドがダメだと言っているのではありません.
アピールの仕方がマズいんです.
場合によっては引き合いに出す必要も無い物だということなのです.
ノーベル賞候補ものの大規模な研究プロジェクトに関わることでない限り,研究テーマで自己アピールすることは,大学時代のクラブ活動やアルバイトを自己アピールに使う就活学生と一緒になってしまいます.
自分がプロ野球選手になれるかもしれない,という学生であれば「野球」をアピールすることは必須なのでしょうけど.
同様に,ノーベル賞候補ものの研究プロジェクトに関わっている人であれば「私の研究」をアピールしなければいけません.
でも,大学教員の世界だからといって猫も杓子も「研究」が全てではありませんから.
自分がアピールできることを今一度練ってみる必要があります.
※後日,
■大学教員になる方法「強化版」
■大学教員になる準備
■JREC-INの賢い使い方
を書きましたので,こちらも参照ください.
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