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魂の一冊
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本日もこの本のお世話になりました.
感謝です.
スポーツ科学をやる身としましても,ここまで役立つ本,他にお会いしたことがありません.
増原光彦 著『運動生理学読本』.
スポーツ科学の魂がこもった一冊です.
特にトレーナーとか運動指導者にオススメ.
“肌身離さず持つハンドブック” という情熱系の本ではなく,そっと本棚の一番見えやすく取りやすいところに置いておくタイプの本です.
体育・スポーツ関係の人っていうのは,たいてい「何でも屋」にさせられます.
あれやれ・これやれと様々なことを持ちかけられるのですが,なんでもかんでもカバーできるわけでもなく.
ということで参考書籍にあたるわけですけども.
たいていの書籍の誕生する理由がそうであるように,スポーツ系のテキストにおいても著者の主張やオリジナリティ,新しい知見を前面に押し出すあまり,知りたい情報がなかなか出てこないというのがよくあるパターン.
「そんなことが知りたいんじゃなくて,...」とイライラすることもしばしば.
そんな時には,そっと『運動生理学読本』を開きましょう.
スーッと心が穏やかになっていきます.
基本中の基本が丁寧にしっかりと書かれており,まるで著者の性格が出ているかのようです.
こういう「基本」をちゃんと書いている本,以外と無いのです.
運動生理学読本なんて,洒落た謙遜もいいじゃないですか.
「テキスト(教科書)」と銘打たないないところも著者の謙虚な性格が出ています.
でも,これだけゾロゾロ目的不明なスポーツ系テキストが氾濫するなか,この一冊こそ最高のテキストだとも思えます.
というか,スポーツ生理学のテキスト,この一冊以外に知りません.
その昔,猪飼道夫 著『運動生理学入門』というのがありますが,それくらいでしょうか.
自らの研究分野を飾り立てて押し出すわけでなく,自らの専門分野だけに絞ってマニアックに語るわけでなく,全ての分野を分け隔てなくカバーできてこそ真のテキストです.
このテキスト,自分の学生達にも買わせるつもりです.
なにも,全部読んで全部覚えろというのではありません.
テキストっていうのは,とりあえず目を通して何処に何が書いているのかを頭のすみっこに置いておくだけでいいのです.
なにかの拍子に「たしかこれについてはあの本に書いてあったような…」と思い出せればいいのですから.
いろいろと助けられること間違いない一冊.
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