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白馬八方尾根でスキー

白馬八方尾根スキー場に行ってきました.
平日なのにたくさんの人が訪れており,噂には聞いていた外国人の方々の多いこと多いこと.
さすが,世界的に人気のあるスキー場は活気がありますね.


実際のところ,平日だったこともあるのでしょうが,お客さんの6割〜7割は外国人なんじゃないかな.
うさぎ平テラスの屋外席なんかは,そういうのが好きな外国人スキーヤーで埋まっていました.

感覚としては外国です.日本語が聞こえてきません.英語が多いわけでもなく,聞いたことがない言語がそこかしこで飛び交っています.
日本人かな? って思っても,中国人か韓国人だったりします.


今回は練習のみのつもりで来たので,アクションカメラを持ってこずでして.
このあたりの動画はiPhoneカメラの地味なものを御覧ください.


今シーズンはスノーボードの練習しかできていなくて,そろそろスキーの刺激が欲しかったところです.
白馬八方尾根は,そのうち行こうと思っていてずっと来ていませんでした.
どうしても日帰りでしか行けないことが多かったし,行くとしてもアクセス性や使い勝手を優先する性格なので,ガーラ湯沢か菅平高原になってしまいます.

今回は1泊2日.
1日目の月曜は,あの記録的な温暖天候の影響を受けて「雨」.
ずっとガスってて視界は最悪.
あまり良いコンディションではありませんでしたが,それなりに練習のためにはなったと思います.
場所によってはホワイトアウトすれすれになることもしばしばで,外国人スキーヤーから「ここはどこ?」「白樺に行くのはどっちだ?」などと心配そうに呼び止められることが結構ありました.
もちろん,私はこのスキー場に来るのは初めてですから,コースについてはよく分からないのですが,日本のスキー場は迷わないよう親切設計されているという経験則があるので,「一緒についてきて」と誘導することがありました.実際のところ,私もどっち行っていいのか分からず滑ってるんだけど.

2日目は,打って変わって最高の天気でした.ゲレンデの写真や動画も,その2日目のものばかりです.
1日目にだいたい全部のコースをまわってみて,結局のところ「リーゼンスラローム」を周回するのが時間的ロスが少ないと思っています.そこのリフトが速いから.

リーゼンスラロームコースというのは,どうやら白馬八方尾根を代表する人気コースとのことで,幅広で斜度もキツすぎず一定,それでいて全長が3kmあるということで,朝一に大回りでかっ飛ばす気持ち良さは格別でした.
ところが,そうやって気持ちよく滑れるのも朝の早いうちだけで,人気コースですから,スキーヤーの数がどんどん増えてくると好き勝手には滑れなくなります.
途中で北尾根の方に逃げてみました.

で,昼に帰ってきたら,こんなゲレンデになっています.
人が多いし気温が高いので,軽くコブコブになっているので気持ちよくターンすることはできませんが,そういう不整地っぽいところで安定して滑るための練習には最適です.

ところで,今回のスキーでは,一つ試してみたかったことがありました.
「スキーにワックスは必要か?」
というもの.
ワックスがけにこだわるスキーヤーがいる一方で,こんなネット情報もあったりします.
スキーのワックスについて質問です(ヤフー知恵袋)
スキーワックスは不要という事?(趣味人倶楽部)
スキーのワックスがけは無駄ですわよ(個人サイト)

簡単にまとめれば,「最近のスキーのソール材料は性能が高いため,ワックスをかける必要性がない.むしろ,ワックスをかけることで細かいチリを拾いやすくなるため,悪影響の方が大きいとする実験データもある」ということ.

私もスキーの練習を始めた頃は,諸先生やコーチの方々が一様にワックスがけの大切さを語るので,滑る前にワックスをかけるのは当たり前だろうと思っていたのですが,いざ「不要である」ことの理論を語られると,たしかにそうだな,と.
どうしてそう思ったのかというと,昨年にワックスをずっとせずに滑っていたけど,ぜんぜん感覚として滑走性が変わらなかったこともあり,ちょっとネットで調べてみようと思い,上記のようなサイトを見つけた次第です.
私は科学者でもあるので,では今シーズンはこれを検証してみようと思ったんです.

さらには,今年になってから,スキーの腕前としては技術選に出るようなレベルの方から,「実は,私もかれこれ何年間か全くワックスをせずに滑っている」という話も聞いたので,じゃあ私もそれで滑ってみようと.

で,やることは汚れ取りとブラシがけだけです.ワックスはかけません.
クリーナー剤とキッチンペーパーできれいに汚れを拭き取ったら,あとはナイロンブラシで仕上げるだけ.

以前なら,これに生塗りワックスしてコルクで一生懸命に擦っていました.

ソールのアップ画像がこちら.
3年前に買ったアトミックのBLUE STARです.使い込んできているので傷もところどころ入っていますが,それらが気になるほど私は熟練していません.


そして滑ってみたのですが・・・.
結論から言えば,全く気になりません.

材料工学とか化学に詳しくないのですけど,「体感できる」というレベルでは,リフト前などの超緩斜面といった低速領域で違いが現れやすいのではないかと思うのですが(高速領域になったら,ワックスよりも,板の形状・剛性や質量・運動エネルギーの方が結果に強く影響するでしょうし),今まで通り違和感なくツルツル滑ってくれます.そういう部分ではワックスの有無は感じ取れませんでした.

お昼ご飯を食べ終わった頃(滑走開始4時間後)に,ソールを撮った写真がこちら↓




水のはじき具合が気になったのですが,油分があるわけじゃないからベッチャリついているように思いますけど,よくよく思い出してみれば,今までだって滑ってる時はこんな感じでした.
考えてみれば,まっ平らなものを雪面に押し付けてずっと擦っているのですから,10分や20分もすれば,そこに塗ったものはきれいサッパリ取れるのが当たり前というもの.むしろ,取れないほうがおかしい.
ネットでも「簡易ワックスはリフト2〜3本分滑れば取れてしまう」という記述をよく目にします.
ということは,今までだってワックスの効果は最初だけで,事実上「ワックスなし」で滑っていたようなものなのでしょう.
タイムを気にするレース選手や,物凄くこだわりをもった滑りをする人でなければ,ワックスっていらないのかもね.

私は大学で「スキー実習があるから」ということで練習してきただけなので,上級者とは言えません(上級コースは普通に滑れますよ).レジャースキーヤーと言っていいでしょう.
実習と練習を合わせて,年間10日ほど滑るくらい.
いらないだろうと思ってずっと無視してたSAJ資格を,指導する立場なら取っておいて損はないと先輩教員に言われたので,2級・1級と2年前に取りました.「次は準指導員も受けて」と言われてるんだけど,そこまで頑張りたくはない,と,そんなレベルです.

これくらいのスキーヤーであれば,ワックスをかけていようがかけていまいが,滑りの質に影響するようなことはないと思います.
もっと言えば,スキーの滑りは斜面や天候,雪質,板の性能によってもだいぶ変わります.ワックスごときで影響されるような滑りをする方が悪い,って考えるのもアリかなって.

ただ,これは今回1回1日限りの実験検証です.
ネットでもたまに目にする「ワックスはスキー板を保護するためにも必要だ」についてはまだ分からずです.

そもそも,こういう有意義で大事なことを実験検証したことを紹介するネット記事が,上記の1本だけというのも困ったものです.
たしかに,「これくらいの滑りをするためならワックスは不要」といったデータは,ワックス業界にとっては売上を左右する重大なニュースになってしまいます.
ですが,逆に「これくらいの滑りをするためにはワックスが必要」という具体的な研究データも将来的には必要でしょう.
ワックスをかけたスキー板が,どのような性能を持つのか実験によって検証することは,ワックス業界のためになるはずなのですけど.

似たような話で,テニスの「ガット」がありますよね.
最近,全豪オープンでも優勝した大坂なおみ選手が,一般人向けのガットを張ってプレーしていたことが話題になりました.
グランドスラムをとる選手のためには,一般人向けのガットでも大丈夫だということを明らかにしてくれました.

野球やサッカーでも同様の話題はありまして,高価な特注用具でプレーしていないトッププロ選手は結構います.
メジャーリーガーにもなった新庄選手は,一般人向けですらない安物のグラブでずっとプレーしていましたし,キングカズこと三浦知良選手は,プーマの市販シューズを愛用しています.


さて,初めての白馬八方尾根は,旅館に泊まって食事も全部そこで済ましたのですが,実は思った以上に食事処がたくさんありますし,宿泊施設からの徒歩でのアクセスもいい
今回は事前に情報収集してなかったので避けたのですけど,次回はいろいろなお店を巡るのも面白いかもしれません.





バスターミナル前にあった,数少ないコンビニも外国人がごった返しています.
店員さんは大変そう.


帰る前には,これまたバスターミナル前にある温泉に入ることができます.
奥に見えているのがオリンピックの舞台になったジャンプ台.ライトアップされています.
その右はナイターをやっているゲレンデ.