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おい!ちょっと待て!こいつ,ただの痴漢だろ!

「歩きスマホを許せなかった」“体当たり”男を逮捕


前回記事を投稿して間もないのですが,あまりにも衝撃的な「ニュース反応」だったので,思わず記事にしちゃいました.


こんなニュースがあります.

「歩きスマホを許せなかった」“体当たり”男を逮捕(ヤフー・ニュース「テレビ朝日ニュース」2019.9.27)
記内良之容疑者(49)は6月、東京・千代田区の東京メトロ二重橋前駅のホームでスマートフォンを見ながら歩いていた会社員の女性(34)に体当たりして全治3週間の大けがをさせた疑いが持たれています。


なんだ,ただのキチガイか.
こういう奴,都会にはたくさんいるよね.

え? どうらや女性ばっかり狙ってた?

そうか,こいつ痴漢なのか.


・・・と思っていたら,そのニュースに対するコメントに,

「体当たりはダメだが,気持ちは分かる」
「被害者の女性も悪い」

といったものがかなり並んでいます.


バカ言っちゃいけない.
120%この男が悪いだろ.

そもそも,
「歩きスマホを許せなかった」
だなんてウソでしょう.
だって,女性ばっかり狙ってたんだから.

この時点で言い訳として破綻しています.

歩きスマホをしている人は,男女問わずたくさんいます.
東京なら尚の事,至るところにいる.

これに対し,そこら中の奴らに体当たりしているのであれば,人生をネタにしている気合いの入ったバカで済みますが,これだと単なるキチガイ.
ニッチな趣味のある痴漢です.

こんなもの,

「若者が夜中に怪しい街を歩いていることが許せなかったから,可愛い少女だけ選んでレイプしてやることで,その危険性を知らせてやった」

と言ってるのと本質的に変わりません.

いやそれ,お前,ただの強姦魔だから,って突っ込むのが常識的な感覚のはずです.

その理屈なら,可愛い少女だけでなくブスもレイプするべきだし,もっと言えば男女問わずレイプしたほうが良い.
可愛い少女だけ選んでいる時点で,「怪しい街をうろつく危険性」を知らせたかったわけではないことは明らかです.


冗談はさておき,若者が怪しい街をうろつくことについては,別途注意する方法がいろいろあるでしょう.
それに,怪しい街をうろつくこと自体,どこまで蔑視されなければならないかも主観性が高いものです.
(誤解しないでください.怪しい街をうろつくことを肯定しているわけではありません)


歩きスマホが許せなかったからといって,それを体当たりで制裁することは褒められたものではありません.

て言うか,私としては,
「歩きスマホに暴力的制裁を加える」
ということに対し,ここまで賛同者がいることに驚愕しています.


ヤバい.
この国,マジで終わってるわ.







ところで以前,
「キャリーバッグのマナー」とか言い出す傲慢さ
という記事を書いたことがあります.

「キャリーバッグの利用者は,周囲に迷惑がかからないように人一倍注意するべきだ」
という傲慢な態度が蔓延している状況に対する記事です.

そこでも私は,

「キャリーバッグにぶつかる奴こそがマヌケであり,どうせ歩きスマホとかしてたんじゃないのか」

という主張をしていましたが,だからといって「歩きスマホが絶対悪」と言っているわけではありません.

歩きスマホによる不利益は本人が負えばいいし,どこからが「危険な歩きスマホ」と認定するか微妙なのものです.


歩きスマホを「違反行為」にしよう,と言い出す過激派もいます.

じゃあ,
歩き読書ならいいのか?
歩き地図見なら違反じゃないのか?
歩きよそ見なら許されるのか?
歩きイチャイチャはもっと重罪なのか?

どれダメだし,どれも「注意」すればいいのだし,どれも「結果」で処罰すればいいことでしょう.
どうしてこんな簡単なことが分からないのか分かりません.

ある一部の人って,なにか一つのトピックに対し,発作のように全力で喚き散らしますよね.


今回の「歩きスマホ問題」にしても,周囲を歩くあなたが避ければいいだけでしょ.
だいたい,自分自身は歩きスマホしていないんだから,歩きスマホをしている奴がぶつかりそうなことは予見できているわけですよね.

私自身,日常的に歩きスマホしている人の周囲を歩いていますが,いまだかつて一度もぶつかったり危険な目にあったことはありません.
だって,ぶつからないように注意してるから.当然です.

それに,どうしてもぶつかりそうになったら,相手に注意を呼びかければ済む話です.
それで相手も「あっ」ってなって,止まってくれています.
嘘だと思うなら,試してみてください.

そうした行動がとれていないということは,あなた自身も「歩きスマホ」とは異なる「歩き◯◯」をしていることを意味し,それによって周囲に迷惑をかける予備軍なのです.


そんな自分を棚に上げておいて,なぜにこんなにヒステリックになるのか.


壁に激突したり,ホームから落ちたり,誰かをケガさせたりといったことは,その人の責任です.
これは歩きスマホに限った話ではなく,以前から別の「歩き◯◯」で発生していたことです.





歩きスマホを撲滅できても,それ以外の危険歩行が出現する


身も蓋もないことを言いますね.

仮に,法律とか条例で歩きスマホを撲滅できたとしても,そうやって「歩きスマホの危険性」が排除された人ゴミ空間では,その低下した危険性を埋めるような別の危険歩行が出現します.

人間というのは,感覚的な危険確率を,ある一定の水準内で処理しようとするものです.
理屈の上では「危ない」と分かっていても,それ以上の利益・便益を得られると判断すれば,その危険行為を採用するものなのです.

危険を承知でも登山やスキーを楽しむし,フグや牡蠣を食べたがるもの.

簡単に思いつくところでは,おそらく「強引な速歩き」とか「至近距離での抜き去り」とか「走り抜ける」が今よりたくさん出現するに決まっています.

むしろ,近年になって「歩きスマホ」がたくさん出現したから,以前と比べて人ゴミの中を高速移動する人は減っている可能性もありますよね.
(歩きスマホしてる奴にぶつかりたくないという理由で)

このあたりは人間工学的に研究してみたいものですが,ちょっと難しいかな.
でも,誰か調査してくれたら嬉しいです.




まあ,何にせよ,各自の身の安全は各自で確保しましょう.
で終わる次元の話だと思います.


よって,今回の男はただの痴漢です.


ちなみに,「痴漢レーダー」なるサービスががあるらしい.
■「犯罪が少ないっぽい」日本を変える? 痴漢レーダーが作るビッグデータの意義(ヤフー・ニュース 2019.9.27)



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