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さっそく「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を見てきましたよ

体育学的映画論『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

本日(12月20日)公開の本作.

なんだ,ただの傑作か.

それはちょっと言い過ぎかもしれませんが,「スター・ウォーズ」という有名過ぎる超危険なブランド商品を扱ったわりに,完結編でここまで仕上げてきたJ・Jエイブラムス監督以下,制作陣の皆様に敬意を表するところです.


【今回の記事では,基本,ネタバレせずに書いていきます】


もともと私は,今回の新シリーズであるエピソード7・8の評価は悪くありません.
むしろ,過去の作品のほうが性に合わないくらいです.
年代的にも,思い出補正とかがかかっていないからかもしれませんけど.

よく,映画などを「5段階評価」で表すことがありますよね.
これまでのスター・ウォーズシリーズを,映画.COMとかYahoo映画みたいに★印で評価すると以下のようになります.

エピソード順に示しました.
★★:1(ファントム・メナス 1999年)
★:2(クローンの攻撃 2002年)
★★:3(シスの復讐 2005年)
★★:(ハン・ソロ 2018年)
★★★★:(ローグ・ワン 2016年)
★★★:4(新たなる希望 1977年)
★★:5(帝国の逆襲 1980年)
★★★★:6(ジェダイの帰還 1983年)
★★★★:7(フォースの覚醒 2015年)
★★★:8(最後のジェダイ 2017年)
★★★★★:9(スカイウォーカーの夜明け 2019年)

ただし,この星印評価はざっくり過ぎるので,実際には自分の頭の中ではこんな判断はしていません.
★1個であっても,魅力のある映画や考えさせられるシーンのある映画はあります.


ラストシーンで★5つ


これまでの8つのエピソードは,このラストシーン「約10秒」のためにあったと言っても過言ではありません.

ラストシーンが印象的な映画はたくさんありますが,今回のエピソード9は,さすがシリーズ最後となるだけのことはあります.
(なお,個人的に最高のラストシーンの映画は『ゴッド・ファーザー』です)

この記事を書くにあたって,一応Yahoo映画のレビューも見てみたんです.
そしたらやっぱりこの「ラストシーンで泣いてしまった」というレビュアーが多いんですよ.

特に,1977年のエピソード4から思い入れをもって見てきた人であれば,グッと来ること間違いない.

スター・ウォーズシリーズのストーリーと映像が一通り頭の中に入っている人は,この機会に本作を映画館で見ることをオススメします.

逆に,これまでの流れが分かっていないと,展開が早いことやオマージュの多さについていけないかもしれません.


シリーズ最大の謎であった主人公レイの出自は無難でした


このブログで前作の『最後のジェダイ』についてレビューしたことがあります.
体育学的映画論「スターウォーズ/最後のジェダイ」

そこで私は,主人公であるレイの出自を,
「アナキン・スカイウォーカーと同じく『フォースの塊』から生まれたのではないか?」
と予想していました.

しかし,本作で採用されたレイの出自はそうではなく,なんと◯◯だったのです.

◯◯ねぇ・・・.
うーん・・・,まあいっか.
ストーリー的にも整理されやすく,無難だと思います.

映画の前半でレイは,宿敵カイロ・レンと「フォースの撃ち合い」をするのですけど,そこで彼女の出自を匂わすシーンが登場します.
あれで私も「あぁ,コイツさては◯◯だな」と予想.
結果,やっぱりそうだった.

エピソード7〜9って,結局のところエピソード4〜6の繰り返しなんですよね.
それは別に悪いことじゃなくて,銀河の歴史は繰り返し紡がれていく,ということなんだと思います.
そういう意味でも,彼女の正体が◯◯であったことは,本作のテーマを締める働きがあったと思います.


フィンがレイに伝えたかったことが「謎」になっている?


映画評とは関係ないんですけど,ネット上のレビューを見ていて不思議なのが,
「結局,フィンがレイに言いたかったことが未回収」
というもの.

問題のシーンは,砂漠でレイ・フィン・ポーの御一行が流砂にはまってしまい,砂に埋れてしまいそうな場面です.
そこで最後まで顔を出していたフィンとレイ.
まさに砂に顔が埋まろうとする最中に,フィンがレイに対し何か伝えようとしているのですが,2人ともそのまま埋もれてしまいます.

結局みんな助かったのですけど,その後も「あの時何を伝えたかったのか?」と問うレイに対し,フィンははぐらかし,そのまま映画は終わります.

私はあのフィンの心情は特に「謎」だとは思いませんでした.
これまでのエピソード7・8におけるフィンとレイの関係を鑑み,ずっとストームトルーパーとして生きてきた,女性関係に疎いフィンならではの言動なのかと.

つまり,出会ってからずっとレイのことが好きだったフィンは,最近になってローズという女性に出会って,しかも前作で命の恩人にもなった彼女のことが気になり始めたわけです.

とは言え,それまでレイに好意を寄せていたフィンとしては,流砂に飲まれてパニックになった時に,「実は好きだったんだ」などとウブな男の感情を吐露したかったんでしょうけど,結局みんなして助かったから,今更「何が伝えたかったの?」と言われても,今はローズがいる手前,「いや,別に何でもない」としか答えられないわけです.

たぶん,そういうことなんじゃないかと私は解釈したんですけど,どうでしょうね.



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