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令和はじめました

于時初春令月 氣淑風和 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香


今年は令和二年ですが,私にとっては今からが「令和の年」となります.

昨年,元号が平成から変わったときにもそんな記事を書きました.

「令和」のもとになった『万葉集』の,
「時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」
ですが,これにも元ネタがあるようでして.
中国の詩集である『文選』に同じ文章があるので,そこからの引用と考えられています.

で,この「令和」の元になった文章ですが,その意味はというと・・・
中国の役人である張衡という人が,仕えていた後漢の皇帝がバカ殿すぎて絶望し,
「もうヤダこの国」
ということで厭世的な気分で田舎に帰った時,
「都会ではいろいろあったけど,俺んちの地元はやっぱり良いなぁ」
と思って読んだ詩なのだそうです.


昨晩から私も田舎に帰ってきましたが,今日起きて庭を散歩していたら「令和」な気分に浸ることができました.

2月下旬という「初春の令月」において,「気淑く風和ぎ,梅は鏡前の粉を披き,蘭は珮後の香を薫ら」していたのです.

完璧なセッティングなので,ここを「令和の庭」とします.



今日は朝から軽く雨が降っており,少し湿った空気がとにかく気持ちいい.
この季節の実家に帰ってきたのは20年ぶりということもあって,爽快感が半端ない.



早めに咲いた桜の枝で,メジロ(ウグイスではない)が遊ぶ姿もありました.




令和ですね.



寿司屋の大将とも「令和」でお別れ


殺伐とした都会のなかで,私の心のオアシスとなっていた近所の寿司屋がありました.
このブログでも登場したことが何回かあります.


この寿司屋の大将とは,時事ネタだけでなく,歴史とか武具刀剣だとか,美術といった話をしていました.
例えば最近では,
の話題とか.

大将の人柄もあって,いろいろな人が集う寿司屋です.
私もこの店では面白い人達にたくさん会って,さまざまなトークを展開してきました.
週に8回来店する究極の常連オヤジとか,顔がわれてない政府御用達の秘密警護官とか,どっかの大企業の重役さんとか.

大将がうまく司会業をしてくれるので,客同士のトークが盛り上がります.
結果,楽しい時間を過ごせる.

なお,このお店はグルメ系のメディアによる取材は一切お断りしているそうです.
口コミで広がっている,常連客の多いお店ということ.



あの土地ではかなりお世話になったお店のひとつなので,引っ越しの挨拶まわりです.
手ぶらではなんですから,新潟に出張することがあったので,そこで買っておいた「笹団子」をお土産にしました.

全国の旨いものをよく知っている人だから,お土産屋の笹団子がお口にあうか心配でしたが,女将さんが笹団子が大好物だそうで,目を輝かせて喜んでくれました.


開店直後だったからでもありますが,いつもは席が埋まっているこの寿司屋にお客が入っていませんでした.
それをいいことに「新型コロナ」の話もしてみたんです.

やっぱり,こういうお店にも最近は影響が出ているそうで,露骨な断り方ではないにせよ予約キャンセルの電話がチラホラ出ているそうです.
(とはいえ,しばらく時間が経ったら結局席は埋まってきたが)


「餞別です」ということで,豪華お刺身の盛り合わせもいただきました.
普通に食ったらとんでもない値段なつきそうなものでしたが,さすが気風の良い大将.

お店で常連客へのプレゼント用に出している「湯呑」もいただいています.
実物がこちら.

なんと「令和の湯呑」.
毎年いろいろな湯呑を作っていますが,今年は「令和」にしたそうですよ.

なにかと令和なものに囲まれた今日此頃.
私にとっての令和がはじまります.


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