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「Corona」の今こそ「Frozen」の話をしよう

Corona(コロナ)騒動に沸く日本で,Frozen(アナと雪の女王)を見るべき


新型コロナウイルスで一躍有名になってしまったコロナウイルス.
この「コロナ」というのは,ウイルスの形状が太陽コロナに似ているからだそうです.
コロナウイルス(Wikipedia)

太陽コロナがこちら.
画像:ウィキペディア「コロナ」より

コロナウイルスの形状を示すイメージ画像がこちら.
画像:ウィキペディア「コロナウイルス」より

ところで,そんな「太陽」を意味するコロナウイルスに振り回されている日本ですが,その政府対応のお粗末さがやり玉に挙がっています.

最近では,「近年稀に見る国難」だとか「ウイルスとの戦争」と言われるほどの国家の一大事にあって,自分たちの都合のいいように人事を操るための法案を押し通しているようです.
検察定年延長、13日の採決提案 与党(時事通信 2020.5.12)
自民、公明両党は12日の衆院内閣委員会理事懇談会で、検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案について、13日の採決を提案した。
立憲民主党など野党共同会派は同日の採決に反対。同改正案から、検察幹部が「役職定年」を迎えても政府の判断でそのポストにとどまれるようにする規定を削除する修正案を提示した。

これについては,政治経済の評論家やジャーナリストだけでなく,芸能人・アイドルといった,普段は政治発言から縁遠い人たちからも批判が出ています.
きゃりーぱみゅぱみゅ「#検察庁法改正案に抗議します」で見せた勇気と真っ当な市民感覚(日刊ゲンダイ 2020.5.12)


実際のところ,私はもうこんなことでは驚きません.

「この国の行政は既に崩壊している」
ということを,このブログでは数年前からずっと述べてきましたが,教育問題についてはかなり前から手遅れ.さらにモリカケ問題,桜問題ときて,このコロナ騒動でようやく世間も自覚症状が出てきたようです.

「お前はもう死んでいる」
と言われた国民が,まさにワンテンポ遅れて,
「ひでぶっ!」
と呻き声を挙げ,ついには,
「あべし!」
と叫んでいるわけです.
 画像元:tawabahidebuabeshi.jpg


安倍政権がダメな理由を子供にも分かりやすく伝えるために,『アナと雪の女王』



そんな安倍氏のお友達で固めたやりたい放題,忖度運営ですが,こうした国家運営を諌める子供向けアニメがあります.
それが『アナと雪の女王』です.



原題は『Frozen(フローズン:凍結)』.
それとは正反対のコロナ(太陽)にまつわる騒動にある今,お子様と一緒にぜひ見ておくべき映画と言えるでしょう.


『アナと雪の女王』は,特に女性に人気があります.
知り合いの女性にもこの映画が大好きな人がいて,「ぜひ見てみて!」と猛烈に勧められたことがあります.

この方,ご自身の実際の境遇が二人姉妹の姉ということもあってか,“雪の女王” であるエルサへの共感が半端なかったらしく,エルサ(声:松たか子)が歌う「ありのままで(Let It Go)」に心酔していました.
映画が大ヒットした当時は,この歌が「レリゴー」と呼ばれて流行語にもなったようです.
すみません,浮世離れした私は,それを知りませんでした.


この映画の評価には,
「自分を押さえつけずに,ありのままで生きていくことの勇気と開放感が心地よい」
といったものがあるようです.
それも特に,女性からの支持が.


私は結局,だいぶ時期が経ってから(去年)見ました.
で,その感想なんですけど,
「ありのままで生きていくことの素晴らしさ」
を訴える映画じゃないですよね,これ.

むしろその逆で,
「ありのままで生きていてはダメだ.ましてや国家元首たるもの,家族や国民と言った周囲の人々と協調して生きる道を頑張って模索するべきだ」
ということを訴える映画です.

上述した彼女にそれを伝えましたが,ポカンとしていました.


まず,松たか子さんが歌う「ありのままで」っていう歌.
これは劇中の「Let It Go」の日本語バージョンなんですけど,その訳された歌詞が,やっぱりおかしい.

そもそも,あのストーリー展開において,あんな言葉を紡いだ歌にはならないでしょう.
見ていて,猛烈な違和感があります.

で,これが気になってネット検索してみたんですけど,同じ違和感を持っている人はいるようです.
例えば以下のようなサイト.
『アナと雪の女王』歌詞の「Let It Go……」の意味は「ありのままの」ではない? 主題歌に隠された“エルサがモンスターになっていく過程”(ニコニコニュース 2019.2.11)
アナ雪の『Let It Go』の歌詞は日本語と英語でぜんぜん違う! 大ヒット作に隠された意外な真実(ログミーBiz 2018.1.6)


そうそう,やっぱ違うよね.
「Let It Go」って,「ありのままで」にはならないでしょう.
あのストーリー展開からして,Let It Goというのは,「どうでもいい」とか,「これでいいのだ」という投げやりな意味です.


つまり,自分の魔力をどうしてもコントロールできないエルサは,そんな自分を奇異の目で見てくる臣下や国民から逃げだし,裏山にこもって自分だけの王国をつくって「雪の女王」となったのです.

その際に,主題歌でもある「ありのままで」を歌うんですけど,これって,ストーリー上は,
「ありのままで生きていこう」
という前向きな展開ではなく,
「アイツら国民のことなんてどうでもいいから,私は私の好きにさせてもらうわ」
という後ろ向きなものです.


自分だけが心地よい空間で,自分に忖度してくれる仲間だけで生きる|傲慢で自己閉塞性の高いトップは国難を招く


エルサが,日本語バージョンでいうところの「ありのままで」雪の女王になった結果,彼女が治めていた国(アレンデール王国)は温暖な気候だったのに,一気に凍結(Frozen)しちゃって大災害状態なんです.

これじゃマズいってことで,物語後半では「ありのままで生きてもらっては困る」ことをどうやって解決するか,そして,彼女の魔力をどうすればコントロールできるのかに移っていきます.


ここで興味深いのは,そこで描かれている女王エルサが,組織や国家元首として「ダメなトップとはどんな奴なのか」を表現していること.

それはつまり,開き直った態度をとって「ありのままで」行政執行する奴のことです.
そして,自分の意のままになるお友達を周囲に侍らせ,自分だけが心地よい空間で「凍結」してしまうことです.

実際,劇中においてエルサは,魔力を使って「氷の城」を作って閉じこもり,自分の意のままになるお友達「雪だるまのオラフ」「雪男のマシュマロウ」などを作り出しています.

その結果,国民は飢え,凍え,死んでいきます.

だから,「アナと雪の女王」の原題は「Frozen」なのでしょう.
王国だけでなく,エルサの心こそが凍結(Frozen)しているのであり,それによって国難を招いている.


現在の日本国首相・安倍氏も,やってることは一緒です.
彼には,類稀なる才能,「選挙に勝てる」という魔力がありました.
実際のところその魔力とは,国民の「民主党アレルギー」と「自己閉塞的な愛国心をくすぐること」でしかないのですけど,それはこの際脇においときます.

とにかく,経済を冷やし,政治への関心を冷やし,官僚人事を冷やし,湧き出るスキャンダルを冷やし尽くして,追求の目を凍結させてきた.
他の政治家であれば,いくらなんでも責任をとって辞任しなければいけないと追い詰められるような事態になっても,厚顔無恥で我関せずの境地を通しています.
その異常なまでの権力欲と傲慢さは,まさに政治家やトップとしての心が「凍結」している姿であり,これで平然としていられる能力を「魔力」と言わずしてなんと言うでしょう.

そうした魔力を,自分だけのために使っているのが安倍晋三です.
彼は「安倍政権」という氷の城で,自分の意のままになるお友達だけで構成された「雪の王国」の王様になっています.


エルサはクライマックスにおいて,自分自身の魔力をコントロールする方法を得ます.
それは,「他者を思いやる心」でした.
そして同時に,これによりエルサを縛り付けていた魔力は,人々を救い,幸せにするための能力になったのです.

そんなわけで,安倍晋三の魔力も,「他者を思いやる心」を介せば何か役に立つ能力になるやもしれません.


安倍政権がなぜダメなのか,そして,これを脱するにはどうすればいいのか.
『アナと雪の女王』のエルサの振る舞いをみれば,それが子供でも分かります.

※ちなみに,まだ「アナと雪の女王2」は見ていません.
何か現代日本の参考になるところがあれば,いつか記事にしたいと思います.


 

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