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ところで,あの学生は元気にしてますかね

このブログで本人特定して,私の授業を受けにきた学生がいる


そろそろ令和二年も過ぎようとしています.
私もすっかり一農夫となりました.


今から10ヶ月前までは大学教員をやっていたのですけど,その最後の年度の授業で,思いもよらぬ学生がいたんです.

このブログを読んで,この先生はどこの誰なのか? と思い,いろいろ特定して,そしたら実は自分が通っている大学の教員だということで,他学部なのに,私が所属している学科の専門科目を受講しに来た学生です.

第1週の授業後,つかつかと教壇の前に来て,
「先生は『Deus ex machinaな日々』っていうブログを書いている人ですよね?」
って尋ねてきたんです.
いやぁ,ビックリしましたよ.

それに,よくもまぁ私なんかを特定しましたよね.
物好きな人もいるもんです.


聞けば,ブログを読むだけじゃなく,実際に授業を受けてみたかったから,とのこと.
でもこの学生,同じ大学の学生ではあるけど,他学部の学生でした.

大学の授業というのは,その大学の全学生が履修できる一般教養的な科目と,一部の学部学科の学生だけが履修できる専門的な科目があります.

で,その学生が受講しに来たのは専門科目だったんです.
しかも,資格関連科目でもあるので,完全に専門の授業.
「専門科目だから,他学部の学生さんには向かないかもよ」
と言いましたが,「それでもいい」というので.


尤も,私の授業は「他学部学生履修可能」という扱いにしていました.
その大学では,「専門的な授業であっても,関心がある学生には門戸を開こう」という方針で,担当教員がOKを出せば履修できるシステムがあるんです.

私は体育・スポーツ科学が専門です.
その授業内容は,専門学科以外の学生であっても,学生アスリートや健康フィットネスに興味があるが人には参考になるものでした.
なので,比較的「他学部履修生」は多いほうです.
例年,全部で約80人の履修生がいますが,そのうちの約20人は他学部履修生です.

得てして,自分とこの学科生より,他学部履修生の方が成績は良かったりします.
やっぱり,強い関心を持って受講する学生が多いからでしょう.


ちなみに,何年か前までは「全学生対象」の一般教養的な科目を受け持っていました.
興味を引く科目名であったことから,受講者も結構多かったですね.
定員の上限である300人になっていましたので.

この授業だったら,専門的な内容を少し崩しており,一般教養の色が強い授業だったのですが.
とは言え,過去記事で少し触れたことでもありますが,大学の授業というのは「知識」の伝達だけが目的ではありません.

その教員(研究者)が,その研究対象とどのように向き合っているのか知る機会であり,その向き合い方を学ぶ機会でもあります.
それを私は「モノの考え方を学ぶ」と呼んでいます.

これについては,以下の過去記事で,比較的詳しく書きました.


ちなみに,いつだったかその学生が「大学では何を勉強したらいいんでしょうか」と尋ねることがありました.
それは,■これが身につけば大学卒業で紹介した「フーテンの寅さん」が示唆に富むことを述べてくれています.

寅さん曰く,
つまり,あれだよ.ほら,人間長い間生きていればいろんなことにぶつかるだろう,な.そんな時に,俺みたいに勉強していないやつは、この振ったサイコロで出た目で決めるとか、その時の気分で決めるより、しょうがない、な.ところが,勉強したやつは,自分の頭で,きちーんと筋道を立てて,はて,こういう時はどうしたら良いかなと考えることができるんだ。だからみんな大学いくんじゃないか.
ぜひそちらの記事も読んでください,って言っときました.


今年は大学現場が大変なことになりましたよね.
昨年度まで同僚だった人とも連絡をとったことがありますが,シッチャカメッチャカな状況だと嘆いていました.

この学生も元気にやっているんでしょうか.
今後のご活躍を祈念しております.

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