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保育士問題,依然として改善の動き無し

園児虐待がニュースになっている.
30代女性保育士3人を暴行容疑で逮捕 市は5日にも犯人隠避容疑で園長を刑事告発 園児虐待事件 静岡・裾野市(Look 2022.12.4)
静岡県裾野市の保育園で、園児への虐待が繰り返されていた事件で、警察は、当時働いていた保育士の女3人を暴行の疑いで逮捕しました。
暴行の疑いで逮捕されたのは裾野市の「さくら保育園」で保育士として働いていた沼津市岡宮の30歳の無職の女と裾野市平松の38歳の無職の女、それに長泉町上土狩の39歳の無職の女です。警察によりますと、30歳の女は6月1日に園児の女の子の顔を押す暴行を、38歳の女は6月27日に園児の男の子の両足をつかみ宙づりにする暴行を、39歳の女は6月10日に園児の男の子の頭を殴る暴行を、それぞれ加えた疑いが持たれています。
市や園によりますと、3人は他にも今年6月から8月にかけて複数の園児に対し、カッターナイフを見せて脅すなど複数の虐待行為をしていたことが明らかになっています。

こうした虐待事案が散見されるようになった保育園・幼稚園(こども園)の業界なのですが,これには構造的な問題があると指摘されています.
つまり,保育園などの福祉施設や,そこの保育士がおかれている状況や待遇,業務環境の劣悪さなどです.

たびたびブログ記事にしてきた「保育士問題」ですが,深刻な問題だと報道されて久しいのに依然として効果的な対処の動きがありません.

もう何年放置しているのか?

例えば過去記事はこちら.
慎重な待機児童対策を
保育所問題を諦める
保育所問題はここまで来た


保育にまつわる古い話題だと2013年.
今回みたいな虐待事件が多発するようになったのが2019年ですから,もうかれこれ10年くらい幼児教育・保育福祉の課題が取り沙汰されているわけです.
で,最大の問題点は事態がまったく改善されていない,ならまだしも,どんどん加速度的に悪化していることにあります.

これは保育に限ったことではなく,子供にまつわる話,教育業界全体に言えることでもあります.

保育所問題を諦める」っていう記事を書いているくらいだから,2016年時点でこの問題は諦めていたのですけど,やっぱりこんな世界になりました.
毎度のことですが,
「だからあれほど言ったのに」
の心境です.

上記の記事ではこう書きました.
保育所問題は諦めるしかありません.
そのうち,「保育士が自殺」とか「児童虐待が増加」といったニュースで本件は再燃するでしょう.
その時また取り上げたいと思います.

まあ,それで取り上げたのが2019年の,
っていう記事なのですが,あれからもう3年も経つのにバスに放置しただの暴力をふるっていただのとニュースが続きます.

だいたい,この間は新型コロナ騒動で現場が大混乱していましたが,そのときも結構な勢いで放置でしたよね.
繰り返しになりますが,これは教育業界全体で同じ様子でした.


こんなニュースもあります.
保育士1人で4歳児30人の重圧 変わらない配置基準、現場に絶望感(Yahoo!ニュース|朝日新聞  2022.12.4)
一つ間違えば重大な事故につながりかねない「ヒヤリハット」は日常茶飯事。 
子どもたちが隙を見てベランダに出ていたり、おもらしした子をケアしている間に別の子が机の上に乗ろうとしていたり。アレルギー児が他の子のごはんを口に入れてしまったりしたこともあった。 
自身は夕方までトイレに行く暇がなく、膀胱(ぼうこう)炎になったこともある。 
隣の4歳児クラスでは、1人で30人近い子どもを見ていた2年目の同僚が忙しさと重圧で心を病み、出勤できなくなった。 
心身をすり減らした同僚たちは、「とてもこの生活を続けられない」「心も体も壊れる」などと毎年3~5人辞めていく。そのたびに若い保育士を採るため、経験が浅い保育士ばかりになってしまう。


あとどれくらいの犠牲者が出れば本腰を入れるようになるでしょうか.
私の予想では,今はなるべく事態が沈静化するのを待って,もう一回大きな事件が発生したときに「大鉈を振るう」ようなアピールで改善案を出してくると思います.
それくらい,「票にならない課題」だと思われているフシがありますので.

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