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沖縄県への補助金についてのコメントについて

せっかくなので,こちらも回答します


先日,放置しっぱなしだったブログへのコメントについて回答しました.

せっかくなので,他に放置していたコメントにもお応えします.


コメントをお寄せいただいていたのは,こちらの記事です.
沖縄基地問題|もうそろそろ補助金漬けで優遇されているわけではないことを知るべき

で,そのコメント内容はこちら.
補助金漬けというのは交付金や国家支出金に現れない部分のように思います。 例えば、沖縄では酒税が減免されてましたよね?

この記事へのコメントはこれが初めてですが,実はこのブログ内でも結構なアクセスをいただいている記事の一つです.
皆さんの沖縄県補助金問題について,それなりに参考にしてもらっていましたら幸いです.


さて,件のコメントですが,実のところこれに対し私は「?」な反応しかできておらず,どうやってお返事しようか考えていましたら,すっかり忘れて放置していたというところ.

当該記事は,結構長い文章とボリュームがあるので,私が伝えたいことがとっ散らかってしまっている可能性が高いです.
なので,コメントされた方もこんな内容になってしまったのではないかと考えられます.

「補助金漬けというのは交付金や国家支出金に現れない部分のように思います」
と書かれていますが,そもそも,私が当該記事で伝えているのは,
補助金漬けになっているとか,補助金が多過ぎるなどと言われているけど,ぜんぜんそんな状態ではないし,そもそも沖縄県の置かれている状況からすれば少な過ぎるくらいだ
というものです.

なので,「沖縄県では酒税が減免されてましたよね?」と言われるのであれば,では,酒税が減免されることで米軍基地問題が改善されるのか? お酒の製造販売の促進が極東安全保障に寄与するのか? という点を考えてもらいたいのです.


そもそも,酒税等が減免されている理由ですが,沖縄県の日本復帰に伴う開発遅れを補うための措置であることはご案内のことと思われます.

では,そうした措置によって沖縄県の経済レベルは本土並みに高まったのか? という点が大事になります.

結論としては,これもよく知られているように,沖縄県の経済レベルは全国最低で,県民所得は全国最下位です.
いまだ,本土並みの経済レベルには至っていないのが現状なのです.

ちなみに,これは先日ご紹介した「朝日新聞ポッドキャスト」でも取り上げられていましたが,沖縄県の酒税軽減措置は廃止される方向で進んでいます.
沖縄県産の酒税軽減措置、段階的廃止を決定(朝日新聞 2021.12.2)

ポッドキャストであれば,このニュースの詳しい事情を聞くことができます.
2022年2月17日:「ちゅらさん」から20年、泡盛の試練 自立の道をゆく #569(ポッドキャスト:朝日新聞ニュースの現場から)

それによると,酒税を補助されていても販売戦略が開ける見込みがないため,頭打ちになっている日本の国内展開よりも,地元展開と世界展開の両面を検討しているようです.
なにより,この酒税軽減措置の廃止は「沖縄県のお酒製造メーカー自らの提案によるもの」であり,酒税軽減措置の恩恵がなくなっていることを示しています.


ようするに何が言いたいのかというと,コメントにあったような「酒税軽減措置」もご多分に漏れず,国が沖縄県に与えているとされる「補助金」というのは,その本来の目的である「経済発展の遅れと格差を是正する」ことができていないことです.

逆に,沖縄県民の所得が他県より高く,生活水準も高く,教育水準も優れているのに「補助金がたくさん配られている」っていうなら話は別でしょう.
だとすれば,私も声を大きくして「沖縄県は補助金漬けになっている!」と叫ぶでしょう.
でも,そうではないのですよ.

むしろ,米軍基地問題を抱え,極東安全保障の要衝としての地理的条件を備えており,日本の他地域より重要拠点として補助金がもっと注がれて然りだというのが,上記記事で述べたかったことです.


「沖縄県は補助金漬けだ」と叫んでいる方々の心の内を邪推させてもらえば,つまり,
これだけ大金を長年に渡って注いできたのに,それでもまだ足りないと言って補助金にたかろうというのか!
といったところでしょうか.
ですが,それは言い換えれば,日本政府のお金の使い方が下手だった,無計画だった,デタラメだったことを意味します.

そもそも,沖縄振興予算というのは,つい最近まで「ヒモ付き補助金」だったのをご存知でしょう.
つまり,予算の使い道は沖縄県民と行政が決められず,国が予め決めた使い方しかできなかったのです.

効果も恩恵も限定的なものを押し付けてきて,「これだけやってきたのだから,有難がれ」「もういらないだろ」というのも,なんだかなぁというところです.

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