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やなせたかし作品のなかで私が最も印象的なもの

あの絵本,「チリンの鈴」っていうやつだったんだ...

前回は,今春始まった朝ドラのやなせたかし氏にちなんで,ポッドキャスト・コテンラジオの「やなせたかし編」を紹介しました.
YouTubeでも聞けますので,ぜひどうぞ.



その「やなせたかし編」で紹介されている,やなせたかし氏の作品の一つに,「チリンの鈴」というのがあります.

保育園に通っていた頃だか,小学校低学年の頃だと思うんですが,これを見たことあるんです.
読み聞かせてもらったものだったか,自分で読んだものだったかも忘れちゃいましたが,とにかくストーリーはバッチリ覚えていました.
物凄く印象に残っていて,この40年近くストーリーを忘れられずに現在に至ります.

けど,そんな印象的な作品ですが,タイトルとか作者が誰なのかわからず.
かと言って探し回ることもなくいたわけですけど,昨年,コテンラジオでやなせたかし氏が取り上げられた際に偶然知ることになったのです.
それだけでも感謝.

チリンの鈴を紹介しているコテンラジオのナンバーはこちら



これ,やなせたかしさんの作品だったんですね.

「チリンの鈴」は,絵本原作の「映画版」のことがウィキペディアにも解説されています.
チリンの鈴(wikipedia)

原作の絵本のあらすじは以下のようなかんじ.


子羊のチリンは,ある日,オオカミに襲われますが,そのチリンをかばって母羊が殺されてしまいます.

母を失ったチリンはオオカミに復讐することを誓い,その意図を隠してオオカミに近づき,弟子入りして鍛えさせてほしいと頼みます.

このときオオカミは,普段は嫌われ者である自分が他人から「頼られる」ことに心が安らぎ,嬉しさを覚えます.
そして,チリンと特訓の日々を送ります.

その結果チリンは,オオカミとも羊とも見えない,恐ろしい獣に成長したのです.

ある嵐の日,チリンは復讐を果たすためオオカミを襲います.
チリンはオオカミに角を突き立てて,ついに母の仇であるオオカミを倒したのです.

オオカミは死に際にチリンにこう言います.
「ずっと前からいつかこういう時が来ることを覚悟していた.お前にやられてよかった.俺は喜んでいる」

復讐を果たしたチリンですが,その胸中はちっとも晴れません.
むしろ,オオカミが自分にとって父親のような存在になっていたことに気づくのです.

チリンは一人ぼっちになってしまいました.
恐ろしい獣になったチリンは,羊に戻ることはできなくなったのです.

おわり


凄いストーリーでしょ?
これ,幼児用の絵本だぜ?

やなせたかしの哲学,ここにありといった感.

これを紹介しているコテンラジオ内では,「この絵本を読んだ子供の感想が聞いてみたい」という話が出ていました.
で,小さい子供だった私の感想を思い出すと,「大切な何かを汲み取った」という感じだったと思います.
よくわかんないけど,とにかく何か大切な価値観みたいなものが,このお話にはあるという感覚はあったと思います.
なんせ,ずーっと40年くらい忘れずに覚えていましたから.

このお話,羊とオオカミを人間に変えて「実写版」みたいなかたちで映像化できそうな気がします.
アニメはあるようなので,実写が見てみたい.

っていうか,もう既にこんなストーリーの映画あるような気もするけど.
この「チリンの鈴」を参考にしてたりするんでしょうかね.
もし無いようだったら,この「チリンの鈴」を原作として,実写映画化してみてほしいですね.

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