2013年5月15日水曜日

昔の記事を読みなおす「派遣に思うこと」

今回,黄柳野高校の一件でブログを始めて間もない4年前の記事を読みなおす機会となりました.
「昔はこんなふうに物事を捉えていたんだなぁ」
と感慨にふけるとともに,自分で言うのもなんですが,勉強になる記事もあったりで.

今一度読みなおしてみながら,現在の私なりの考察も入れてみます.
手軽に昔の自分と向き合えるブログって,結構楽しいツールなのかもしれません. 4年前の私との対話です.

当時の私は20代半ば,某大学の助手をやっていましたね.
さて今回は,
派遣に思うこと
を取り上げます.

どういう記事だったかと言うと,「派遣労働」に関する新聞ニュースを引き合いにして,派遣労働について当時の感想を述べているものです.
秋葉原での通り魔殺人事件が発生した時でもあり,派遣労働者の扱いをめぐる議論が喧しい時期でした.

この記事全体の私の主張ですが,今の考えとさして変化はありません.
当時の私は,
派遣に関する問題点がいろいろと取り沙汰されていますが,そもそも「人材派遣」という雇用方法がここまで活発になった背景は,“必要な労働力を必要な分だけ安い給与で確保できる” という点が企業にとって美味しかったから,もっと言えば,そうでなければこの数年間の不況を乗越えられなかった企業がたくさんあることです.
なんてことを述べています.
続けて,
派遣切りに対する企業への批判が起こっています.不況を乗り切るために安い給与で雇い働いてもらった人達なのだから,苦しい時こそ派遣社員を守れと.
しかし切られなかったとしても,切らなきゃ沈む舟に乗っていては近々一緒に沈むことになるわけで,そこをどうこう言っても仕方がありません.企業としては法律の範囲内で自分が沈まないようにマネジメントしただけのことですから.
派遣を雇って儲けたあくどい企業なんてごく一部.今が不況でないのならその話も通用しますが,ずっとこのかた不況続きなのですから,正社員も一緒に切るような事態に派遣を守ることなんてできません.
ということで,
上記のニュースについて思うことは,派遣を禁止にしても失業者が増えるだけで意味無しかと.限られた業種以外というのがどこまでなのか詳しくは不明ですが(民主党案では製造業は禁止だそうです),こういう後先考えない政策よく出すなと.
その上で,
派遣という雇用形態が悪いのではなく,この問題の本質は景気の低迷 + 雇用の低下です.派遣に頼らざるを得ない経済状態では,派遣を禁止したところで別の形でこの不況を乗り切ろうとまた劣悪な雇用形態が生まれます.
と言っています.
今でもそうだと思います.つまり景気を回復しないことには,この「派遣労働」の問題を改善することはできないと考えられるのです.

そして2012年末.
アベノミクスによる景気回復が,やっと始まりました.

「バブルが起きる」だの「株価だけの現象」だの「給与が上がっていないではないか」などという,くだらない,質の低い批判がされていますが,どうか無事に景気が “元通り” になるよう頑張っていただきたいものです.バブルで結構.デフレよりはマシ.

そういえば,こんな事にも言及していました.
給与の低さが問題なのであれば,最低賃金の引き上げというのがありますが,私はあの政策によるメリットがどうもまだイメージできません.この経済状況で給与の増加は現実的とは思えないので,言うなれば働き先を増やす政策を打ち出してほしいのですが.でもそれが簡単に思いついたら苦労しないんでしょうね.
今の私の答えは,これも派遣労働問題と同様でして,
最低賃金を引き上げたところで,企業の業績が回復しないことには,“高くなった最低賃金が足かせになって” ,企業はそもそも労働者を雇いたくても雇えない状態に陥り,結果,失業率は高まり,生産力は下がり,景気は悪化する,というサイクルになると考えています.
最低賃金の引き上げは,ダメ,ゼッタイ.
が現在の私の答えです.

「働き先を増やす政策を・・・」の部分ですが,これはまさにアベノミクスで放たれる(はずの)3本の矢の一つ「機動的な財政出動」から導かれる,政府による雇用創出がこれに相当するのでしょうね.
私の他の記事でも散見されますが,とにかく,

「ドリルを持て〜!トラックに乗れ〜!突撃だー!」

ということで,公共事業の拡大です.
何かと叩かれる公務員採用の増加も効果的でしょう. 
ド田舎出身の私達には,どうしてもドーしても納得できない,都会人の「公共事業は悪だ」という論調.
しまいにゃ「あなた方は自然に囲まれていて良いのではないか」などと知ったような口をきく.
なら,お前がここに住め.

その精神性が如実に現れたのが,東日本大震災での復興の遅れと,驚くべき(当初の)復興予算の低さですよ.
ま,邪推の邪推ですがね,東北なんて「復興」させずに「新生」させればいい,などと考えてたんじゃねぇのか?と.
我が故郷,高知にしても明日は我が身.
都会人は信用出来ません.3.11後にみられた東北への仕打ち,絶対に忘れませんからね.

で,そんなこと言った後にどの口が言うか,ということではありますが.
誠に誠に不謹慎だと承知の上で申し上げますが,昨年の「笹子トンネル崩落事故」は,「公共事業のあり方を見直そう」などと言う,呑気な大衆の意識を変えるきっかけになったかと思います.
あれって都会人が使う中央自動車道で起きた事故だし.さすがに身近に感じたのではないですか.
その上で・・,合掌(犠牲になった方々の命,決して無駄にはしません・・・)

1ドル=100円を突破!などと騒いでいますが,不況が始まった時に比べれば,まだまだ円高状態.
平均株価が15,000円を突破!などと大げさなこと言っていますが,不況が始まった時に比べれば,まだまだ低迷状態と言えるのですよ.

Yahoo!ニュースでも散見されますけど...
景気が良くなることが,そんなに不安なのでしょうか?
派遣労働,低賃金労働バンザイのままで,本当にいいのでしょうか?

あぁ,この記事を書いていた2009年1月は麻生政権でしたね.
「まずは景気だ!」
と,麻生首相の勇ましくカッコいい顔のポスターが貼られていたのを思い出します.
その後の顛末については言わずもがな.

景気の良い時代を知らない私たちは「失われた世代(ロスト・ジェネレーション)」と呼ばれています.
しかし,2009年〜2012年も,それに負けず劣らずの「失われた3年」でした.