2015年1月27日火曜日

先生が元気になる本

「先生が元気になる本」と題して,このブログでも以前ご紹介したことのある和田先生がご著書を出されました.
和田慎市 著『すばらしきかな、教師人生 先生が元気になる本』です.
以下にリンクを貼っておりますので,興味のある方はそちらからどうぞ.


年々と風当たりが強くなっていく教育現場において,疲弊していく教師に元気を出してもらおうという趣旨でお書きになったとのこと.
そして,「教育関係者」という世間に反論・抵抗しにくい立場を突いた学校・教師バッシングに堂々と正論で対向する必要があるとも説きます.

和田先生が著書の中で指摘されている文を引かせてもらいます.これでどのような本なのか分かっていただけると思いますし,学校の先生なら「あぁ,やっぱりそうだよな」と教師として働く者の琴線に触れるのではないでしょうか.
教師はまさに学校の閉鎖的な空間と人間関係の中に置かれていますから,世間知らずであるのは当たり前です.仮に事務処理能力が高く,合理的に職務をこなす優秀な民間企業の方が教師になったとしても,何年か働くうちに,やはりこの「教師の特性」が現れるようになるのは自明の理なのです.つまりこれらは個人の資質ではなく,教師の仕事上身につく後天的なものですから,皆さんは気にせず,教師として堂々と職務に励めばよいのです.
私はこれに付け加えて「世間知らずだからこそ教師ができるのである.世間擦れした者は教師になってはいけない」と言っても良いのではないかと思うほどです.
そして和田先生は,世間知らずであっても堂々とできるはずの立場である「教師」という人間だからこそ,堂々と人間としての理想の在り方を子供に示せる存在であることを訴えます.
おそらく私達は子供の時,人生経験の長い先生の生き方を無意識のうちに記憶し,自分の生きる糧としてきたのではないでしょうか.つまり「先生自身の生き様(軌跡)が,児童生徒への何よりの教えである」と私は思うのです.
マスコミや世論,クレーマーに怯えなければならなくなったのが昨今の教育現場です.
そこでは,事なかれ主義な教師が増えてしまうことは火を見るより明らかです.
それは児童生徒を本当の意味で教育していることになるのでしょうか.

そうした中にあっては,子供は教師から「事なかれな生き方」を学ぶことになるでしょう.
ですが考えてもみてください.たしかに事なかれな生き方を子供に示すことになるのは教師ではありますが,教師をそのように振る舞うよう追い込んだ一因が世間であることを・・・,っと,長くなるのでこれについて今回は割愛します.
詳細は■いじめ問題は解決できるものではないをどうぞ.

では,教師が堂々と人間としての理想の在り方で “在る” ためにはどうすれば良いか.
これについて本書は「現場で働いている教師のために」という視点で,思想・哲学的な観点や,具体的な事例から綴られていきます.

なかには,教育現場での「あるある」を示しながら対応策が述べられます.
・地位や名誉に固執し,出世欲が強い教師との働き方
・生徒に嫌われたくない教師との働き方
・アルバイトをしたい生徒がいた場合の対応
・生徒から惚れられた場合の対処
・共同記者会見への臨み方
などなど,現役の先生方にとって有益な示唆が得られるはずです.

私も和田先生とは昨年(2014年)の夏に
学校教育対談
でもご紹介したように,直接お会いしてお話をうかがう機会がありました.
そこで熱心にお話いただいた内容が,本という形で多くの方々の目に触れるようになったことは喜ばしいことです.

今回の出版を皮切りに,和田先生はホームページを立ち上げたそうです.
それがこちら↓
先生が元気になる部屋

ご著書を読めばたくさん出てきますが,和田先生はいわゆる指導困難校における様々なトラブル(いじめや暴力事件,訴訟,マスコミ対策等々)を,一教師として,また管理職としてくぐり抜けてこられた方です.
そんな経験を今の教育現場で悩んでいる教師に役立てられないだろうかということで,相談の窓口としてホームページを開設したとのこと.
もし教育現場でのトラブルで困っている方がおられるようでしたら,上記のホームページから問い合わせてみてはどうでしょうか.
懐が深く,義理人情にあつい先生です.きっと好転のきっかけが掴めることと思います.


和田先生のご著書はこちらもオススメです.



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