2016年5月9日月曜日

【自分の意見と根拠の書き方】超便利:授業内レポート(小レポート,リアクションペーパー)作成のコツ

を読んだだけでは書けず,悶え苦しむほどレポートを書くのが苦手な学生のために用意した記事です.

そんな君は,以下のフォーマットに合わせて書いてみることをオススメします.
※なお,普通にレポート文章を書くことができる人は,これを読んでもあまり得しません.あくまで「悶え苦しむほど苦手な学生用」です.

基本構成の詳細については,
の記事を読んでください.

授業内レポートで低評価されないための基本構成
1.問題意識の表明
2.自分の意見(仮説)
3.自分の意見を裏付ける根拠
4.自分の意見を批判する意見
5.自分の意見を批判する意見への反論
6.再度,自分の意見または結論

今回は「2」と「3」について焦点をあてましょう.

授業内レポートですので,自分の意見は1つ書くくらいで収まります.
それ以上になると2000字以上(A4・2枚以上)のレポートですから.

前回の,
に示した具体例と同じものを使用します.
その具体例として,問題意識をこのように書いたとしましょう.
《例》現在の学校教育は,子供たちの「生きる力」を育むという理念のもと進められている.しかし,この「生きる力」とは具体的にどのようなものを指すのか,その捉え方や評価は学校や教師に委ねられている部分が大きい.それゆえ,指導現場において「生きる力」が具体的にどのようなものか示される必要があるだろう.
では,そこから続けて「自分の意見」を書くにはどうすればいいのでしょうか.

もちろん,「授業ノートや配布資料,教科書などから引用して書きなさい」という指示やヒントが出されている場合にはそれに従います.
そのケースであれば簡単.科目担当教員が授業で述べていることを,そのまま書けばいいのです.上述した例であれば,教員が示した「生きる力」を素直に書けば良い.

でも,まさに「自分の意見を書きなさい」と手放しで言われた場合や,ずっと寝ててノートも配布資料も持っていないという場合は自分の意見を練り出す必要があります.

けど自分の意見が出せずに悶え苦しんでいる?
そんな時はスマホとか携帯電話を使ってネット検索するのです.
まず,大学教員に差し出す文章ですから,一般論を踏まえた意見を作ることが大事です

ゆえに今回の例であれば,教育関係ですから文部科学省から引っ張ってみました.
「生きる力」をネット検索してみましょう.すると,現行学指導要領・生きる力というページが見つかります.
そこには,
「生きる力」=知・徳・体のバランスのとれた力
変化の激しいこれからの社会を生きるために、確かな学力、豊かな心、健やかな体の知・徳・体をバランスよく育てることが大切です。
文部科学省HPより
と書かれています.
より詳細なものを調べてもOKですが,授業内レポートでは時間が限られます.
いつもサボってるんだから仕方ありません.無理矢理でもこれを使って「自分の意見」を考えます.

はい,その前にココ重要.
慌てずもう一度,出された問題文,または自分が書いた「問題意識の表明」の最後の部分を読み返します.
それゆえ,指導現場において「生きる力」が具体的にどのようなものか示される必要があるだろう.
そう問われている,または自分でそう宣言しているのですから,これに合うものにしなければいけません.
その上で・・・.「あっ,そうだっ」と閃いたもので結構です.それを書きます.

今回の例であれば,学校の指導現場で具体的に「生きる力」だと見做せる事を出すのですから,とりあえず適当に「元気な挨拶」としておきましょうか.

え? 「とりあえず適当に」で良いのかって?
それは普段からしっかり授業に取り組んでいる学生が言うセリフです.君は黙って最後まで読んでください.

ということで,とりあえず適当にこういう文章にしておきました.
「具体的に「生きる力」を示す指導例として,元気な挨拶の実施が考えられる.」
・・・,なんだか陳腐じゃないか? ですって? そう言わず,ここから自分の意見をねじ込んでいくのです.

「こんなんで大丈夫かよ・・・,(TдT)」と思えるような【自分の意見】であっても,
それに続けて堂々と【自分の意見を裏付ける根拠】を書きます.
頑張って書くのです.
頑張っても思いつかなければ,自分の意見を裏付ける根拠もネットで調べてみましょう.
「学校 挨拶 指導」といったテーマで検索してみます.
すると,こんなネット記事がありました.挨拶指導の基礎資料.そこにこう書かれています.
挨拶は、人間が日常生活を営む上で最小限の生活規範であり、最も身近で簡単なコミュニケーションであると言えます。(上記サイトより)
これならさっき書いた文章に続けて書けそうですね.
他にも,こういうPDFのウェブページがありました.挨拶指導のアイデア(鳥取市公式ウェブサイト)
そこにはこう書かれています.
「挨拶」は人と人とが出会い、出会った人同士が互いに心を開いて相手にせまっていくために交わす最初の言葉であり、これから始まるコミュニケーションの重要な第 一歩なのである。
ということなので,これらの文章を引用してこう書くのです.
「具体的に「生きる力」を示す指導例として,元気な挨拶の実施が考えられる.なぜなら,挨拶は人間が日常生活を営む上で最小限の生活規範とされ,コミュニケーションを始める上での重要な第一歩だからだ.
さて,忘れちゃいけないのは,この引用したサイトのタイトルや著者です.
もしそれが授業の配布資料や教科書などからの引用であっても一緒です.
前者のサイトであれば,「学びの場.com,挨拶指導の基礎資料,大谷雅昭,2016年5月9日閲覧」
後者の「鳥取市公式ウェブサイト」は作者不明です.

そして,先ほどの文章の最後にこう書きます.
「なぜなら,挨拶は人間が日常生活を営む上で最小限の生活規範とされ,コミュニケーションを始める上での重要な第一歩だからだ(参考資料1, 2).
あとはレポートの最後のところに,
参考資料1:学びの場.com,挨拶指導の基礎資料,大谷雅昭,2016年5月9日閲覧
参考資料2:鳥取市公式ウェブサイトより,2016年5月9日閲覧
と並べておきます.
授業内レポート,中でもリアクションペーパーや極簡単なレポートであれば,ここまで求められることはありません.
実際のところは,文章だけ作っておけばOKかと思います.

そして次は,
4.自分の意見を批判する意見 & 5.自分の意見を批判する意見への反論 の書き方
へと移ってくわけです.


参考までに,以下に「生きる力」以外の例も示しておきます.
これも前回記事からテーマ例a〜cをそのまま転用します.

ひとまず,前回記事で作成した【問題意識の表明】の部分は以下のとおり.

テーマ例a:「消費税増税について」
20XX年に増税予定とされている消費税の議論が活発だ.しかし,消費税を増税するための根拠については議論の余地がある.賛否両論に沸く消費税率の引き上げ根拠を明確にすることは,この問題を考える上で非常に重要である.

テーマ例b:「交通事故について」
近年,交通事故の発生件数は低下傾向にある.その一方で,高齢者の事故の割合増加が問題となっている.高齢者が起こす事故の背景を分析できれば,交通事故を減らす一助となるはずだ.

テーマ例c:「身体運動と健康」
身体運動が心身の健康改善に効果的であることが知られている.しかし,定期的に運動を継続できる人は少ないという課題もある.運動を継続できなければ,せっかくの運動効果も期待できない.この課題を解決することは有益だと考えられる


テーマ例a「消費税増税について」の場合
消費税率を引き上げるための根拠や理由を一つ上げることが目的となります.
「消費税増税 理由」とスマホで調べると,財務省のページが見つかりました.「消費税引き上げの理由」.そこにはこう書かれています.
社会保険料など、現役世代の負担が既に年々高まりつつある中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを行えば、一層現役世代に負担が集中することとなります。特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が、高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えられます。
へぇー,そうなんだぁ.と納得(笑)できたら,ここから「自分の意見」を出しましょう.例えば,
「増税の根拠としては,社会保障財源の確保とされている.」
とでも書きましょう.
しかも嬉しいことに,この場合は財務省がその理由の根拠も示してくれていますので,そのままこう書き続けてもいいでしょう.あと,参考資料の表示もこんな感じに.
「増税の根拠としては,社会保障財源の確保とされている.なぜなら,消費税の増税であれば,特定の者に負担が集中せず,高齢者を含めて国民全体で広く負担できるとされているからだ(参考資料1).
参考資料1:財務省ホームページ,消費税引き上げの理由,2016年5月9日閲覧

テーマ例b「交通事故について」の場合
高齢者が起こす交通事故を減らす提言が目的となります.
「交通事故 高齢者 減らす」とネット検索すれば,NHKのページがトップにきます.どう減らす?高齢者の交通事故.その中で自分が「いいね!」と思うアイデアがあったら,それを選んで書きます.こんな感じに.
「高齢者の自動車運転事故が多い要因としては,加齢による視野の縮小と判断力の低下,そして認知症が疑われている.このため,高齢者自らが運転しなくてもいい制度づくりが必要である」
このテーマ例の場合,その前段で「高齢者事故の背景を分析して,交通事故を減らす」と宣言しているので,このような文章の順序が適切かと思います.
これまで紹介してきた基本に則って,
「高齢者自らが運転しなくてもいい制度づくりが必要だと考えられる.なぜなら,高齢者の自動車運転事故が多い要因としては,加齢による視野の縮小と判断力の低下,そして認知症が疑われているからだ.」
という文章でもOKです.


テーマ例c「身体運動と健康」の場合
運動を継続させる方法を提案することが目的となります.
自力で思いつかないようでしたら,ネットで「運動 継続」として検索してみます.すると,運動を継続するために効果的な5つのポイントとかいうページが見つかりました.
それを見て,良さそうなものを自分の意見として示しましょう.「5つのポイント」などと書かれているものだと目移りしそうですが,自分が論じやすいものに絞るのです.例えばこうです.
「運動を継続するための戦略の一つとして,他の人と一緒に運動する方法がある」
ではその根拠は? と思ってそのサイトを読んでも,実はそこまで詳しく書かれていませんね.ここは一つ,その根拠を別に調べる必要がありそうです.
・・・,と思って調べてみたのですが,なかなか見つからない.ということでこの「他の人と一緒に運動する」を撤回.代わりに,別のものにします.
「運動を継続するための戦略の一つとして,具体的な目標を設定する方法がある」
よし,これなら・・・,ところが「目標設定によって,なぜ運動が継続できるようになるのか」を書いたものに出会えません.どれもこれも「目標の立て方」ばかりです.

そう・・・,実は他の人と一緒に取り組んだり,目標設定するくらいで運動が継続できるようになんかなりません.当然です.それができたら誰も苦労しないでしょ.
ゆえに,運動の継続実施を促す研究がスポーツ科学の領域で進行中です.
(ちなみに,運動を「何かのための運動」として継続しようとするからダメなのです,って言いたいのですが,それはまた別の話.ここでは割愛します)

これ以外にも,根拠や理由を書くのが簡単そうに思えて難しいテーマはたくさんあります.
そんな場合は,いっそ書かない.これに尽きます.授業内レポートなんですから,考えにふける時間は用意されていません.
この例の場合なら,
「運動を継続するための戦略には様々あるが,そのうちの一つとして,具体的な目標設定がある.」
などとして,その根拠や理由を示さず,それで終わらせるのです.
本気で考えて学術書をあされば出てきますが,それは今回のようなレポートでは出来ませんから.


《おまけ》
参考までに,今回扱った《例》とその他のテーマ例a〜cの文章をまとめて示します.

《例》現在の学校教育は,子供たちの「生きる力」を育むという理念のもと進められている.しかし,この「生きる力」とは具体的にどのようなものを指すのか,その捉え方や評価は学校や教師に委ねられている部分が大きい.それゆえ,指導現場において「生きる力」が具体的にどのようなものか示される必要があるだろう.
具体的に「生きる力」を示す指導例として,元気な挨拶の実施が考えられる.なぜなら,挨拶は人間が日常生活を営む上で最小限の生活規範とされ,コミュニケーションを始める上での重要な第一歩だからだ(参考資料1, 2).
参考資料1:学びの場.com,挨拶指導の基礎資料,大谷雅昭,2016年5月9日閲覧
参考資料2:鳥取市公式ウェブサイトより,2016年5月9日閲覧

テーマ例a:「消費税増税について」
20XX年に増税予定とされている消費税の議論が活発だ.しかし,消費税を増税するための根拠については議論の余地がある.賛否両論に沸く消費税率の引き上げ根拠を明確にすることは,この問題を考える上で非常に重要である.
増税の根拠としては,社会保障財源の確保とされている.なぜなら,消費税の増税であれば,特定の者に負担が集中せず,高齢者を含めて国民全体で広く負担できるとされているからだ(参考資料1).」
参考資料1:財務省ホームページ,消費税引き上げの理由,2016年5月9日閲覧

テーマ例b:「交通事故について」
近年,交通事故の発生件数は低下傾向にある.その一方で,高齢者の事故の割合増加が問題となっている.高齢者が起こす事故の背景を分析できれば,交通事故を減らす一助となるはずだ.
高齢者の自動車運転事故が多い要因としては,加齢による視野の縮小と判断力の低下,そして認知症が疑われている.このため,高齢者自らが運転しなくてもいい制度づくりが必要である.

テーマ例c:「身体運動と健康」
身体運動が心身の健康改善に効果的であることが知られている.しかし,定期的に運動を継続できる人は少ないという課題もある.運動を継続できなければ,せっかくの運動効果も期待できない.この課題を解決することは有益だと考えられる.
運動を継続するための戦略には様々あるが,そのうちの一つとして,具体的な目標設定がある.


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