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大学教員になる方法3

「2」の続きです.

これまでをまとめますと,

(1)研究業績や教育歴は多い方がいいけど,それで採用されるわけではない.必要最低限確保されていればいい.

(2)採用側(大学)のニーズにピッタリとハマる人物であることをアピールしなければならない.

(3)上記2つのことを知るためにも,大学の内部情報の収集が雌雄を決する(かもね).

といったことでしょうか.


今回は,具体的な細かいことをQ&A方式でとりあげます.




Q. そうは言っても研究業績が多い方が採用されるのでは?

A. 研究業績が多い人が採用された,という求人は元々「研究重視の教員を求めている求人」であることが多いので,結果的に並の人たちより研究業績が多い人が採用されているだけです(当たり前の論理だけど).
5本より6本,40本より45本の人が採用される,というようなスケールの競争ではありません.
業績やなんかで上位数名に絞ったら,あとはニーズにどれだけ合致している人物か?が争点になります.


Q. やっぱりコネ?

A. はい.
私も大学人になってから身に染みて感じていることなのですが,“採用する側として” も,やっぱりコネが必要です.
というのも,僅か1名の教員を採用するのに,どこの馬の骨とも知れない人を引っぱってくるよりも,「私が保証しますから」という内部の推しがあったほうが採る側としては安心なのです.
特に昨今の教育現場を見る社会の目は厳しいもので,教育者としての倫理や道徳,社会性を持った教員を採用しないと,何か問題を起こされたら大学は酷い目に遭います.
特に中・小規模の大学では,完全にオープンな公募は “やりたくない” のが本音ではないでしょうか.
格好がつく程度の業績さえあれば,あとは人間性などの部分をいかに確保できるか?が採用する側の考えです.


Q. では,コネをつくるには?

A. とりあえず仕事を頑張ることです.それしか私は知りません.
あとは,コネの作り方を解説した本などを読んでください.
仕事先や学会の飲み会に参加するのも大事です.
そこに就職口が落ちていることが多いです.


Q. ぜんぜん業績が無くても採用されたりするの?

A. はい.
特に,年齢が高くなるに従って多いのではないでしょうか.
よくあるのが「人脈を持っている」という採用.
ぜんぜん教育歴や研究業績が無くても,学科を立ち上げるにあたって,とか,大学が進めるプロジェクトなどで政治的なところを担当してくれる人は必要です.
議員や市長などと通通の人が誰かいないと立ち行かないですから.
よく「天下り」などと揶揄されたり,「意味不明人事」などと叩かれますが,実は採る側としては熱望している人材でもあります.


Q. 若いうちに採用されるためのコツは?

A. 周りの人たちを見ると,職歴がたくさんある人が採用されているのかも?という傾向を感じます.あくまで主観ですが.
一つのことをじっくりやってきた人よりも,若くてもたくさんの職を転々とした人の方が,大学の仕事をする上で何かと潰しがきく,と思われるのかもしれません.
なので,いろいろな仕事をバラエティ豊かにやってきたかのようにみせる履歴書づくりが大事なのかもしれません.
つまり,見る側にひっかかる釣り針を多く垂らしておくのです.






Q. では,採用に結びつく履歴書づくりのコツは?

A. うまくハッタリをかますことです.
でも,こういうのって就活とか転職とほぼ同じ感じだと思います.
よほど輝かしい業績があるわけでもない限り,魅せ方が大事です.
教育機関での生活が長く,研究畑でずっとやってきた人たちは自己アピールが苦手なようですので,自分でも恥ずかしくなるくらいの事を書いて丁度です.
とは言え,見る側が求めるものを書くように努めなければなりませんが.
それに,経歴詐称になるほど盛ってもいけませんし.
さじ加減が難しいですが...
ある高名な先生の言葉です.
「ウソ書いちゃいけないけど,ホントのことを書く必要もない」


Q. 他に採用されやすい人の特徴は?

A. これまでに書いたことと重複する部分もありますが,「異なる専門を2つ以上持つ」というのも聞きます.
フランス語が専門(学位をとってる)だけど,コンピューターもプロ並みに強い(学位はないけど),楽器が演奏できる(コンサートはしてないけど)とか.
ようは,その人に今後「大学の業務」をしてもらいたいわけですから,何かそれの足しになることがあればポイントは高くなります.
私の場合,専門とまで呼べないのですが「文章技術の指導経験がある」という経歴が功を奏し,「○○の授業を担当してもらえるかもしれない」ということで採用までこぎつけました.
専門外の部分がたくさんミラクルコンボを起こしてくれたのです.


※後日,
を書きましたので,こちらも参照ください.
         


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