注目の投稿
大学教職員は要注意|そろそろ「大学生のいじめ自殺」が取り沙汰されます
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
前回の記事は,最近の大学では「学生のいじめ問題」が表面化してきたことをお話しました.
■初年次教育を担当している先生は要注意|そろそろ「大学生のいじめ」が始まる季節です
学内の「いじめ問題」に適切に対処しないと学生が自殺しちゃったり,その対応が不適切だと叩かれます.
今はとりあえず「学生の自己責任」と「学生相談室の充実」で済ませられていますが,世間やメディアが「大学の責任」を問うようになってくるのも時間の問題です.
特に,近年は「クラス制」を導入している大学も多いので,これがいじめの温床になっている可能性があります.
さらには,「初年次教育」と称してクラス担任制も設けているので,そうした初年次教育を担当してる先生は要注意ですよ.という趣旨のものでした.
例えば,
■続・子供の「自殺」について落ち着いて考えよう
そこでは「低年齢の子供」に焦点を当てていましたが,これを「大学生」にすると違った見方になります.
まず,そもそも「教育現場における自殺」においてダントツで自殺者数が多いのは大学生です.
以下にその記事で紹介したデータをお示しします.
日本の大学進学率は約50%ですから,ほぼ100%である小中高と比べても,遥かに高い自殺率であることがわかります.
その内訳ですが,「大学生」というくくりでのデータを見つけられなかったので,2018年における警察庁の自殺データから推測します.
データ元は,このPDFページです.
■平成30年中における自殺の状況 付録(221KB)(警察庁「自殺」データ)
そのデータをみると,2018年において「学校問題」で自殺した20歳〜29歳の人は163名でした.
20歳以上で「学校問題」となると,ほぼ大学生になるという推定です(もちろん,20歳以上の高校生が含まれている可能性や,19歳の大学生が省かれていることは承知の上です).
その「(20歳〜29歳の)学校問題」における自殺原因の内訳は,
入試に関する悩み:7名
その他進路に関する悩み:57名
学業不振:73名
教師との人間関係:0名
いじめ:0名
その他学友との不和:7名
その他:19名
「な〜んだ.いじめで自殺している大学生はいないじゃないか」
と安心することなかれ.
それを言い出したら,これだけ世間とメディアを騒がせている「子供のいじめ自殺問題」にしても,2018年は2件(19歳以下のデータ)でした.
念の為,過去の推移データを以下にお示しします.
子供が「いじめ」で自殺することは極めて稀なのです.

「そんな無茶な」と思うかもしれませんが,一般人はその程度の認識しかできません.諦めましょう.
例えば,自殺原因として学校問題の中には,「その他学友との不和」というのがありますよね.
これについて,「不和となっているが,実際はいじめだったのではないか?」と解釈することもできます.
また,「いじめ」と認定されないだけで,「進路」や「学業不振」がきっかけとなって,実際のところ「いじめ」のような状況になっていたのでは? といった分析をする人も出てくるかもしれません.
昨今の「いじめ自殺問題」を見ていると,いじめ自殺にしたいから「いじめ」として認定する,といった風潮が出てきているような気がします.
かなり危険な状況です.
ともかく,そのうちネタ切れに困ったメディアは,「大学生の自殺」を大々的に報じ始めるかもしれません.
昨今は,ブラック大学とかブラック研究室が話題になってきていますし,かくいう私も記事にしてますし.
そんなところで自殺が発生すると,「自殺に追い込まれる大学生」などとセンセーショナルに取り上げられる可能性は高いですよね.
実際のところ,「追手門学院大学いじめ自殺事件」で明るみになったように,「自殺」に対する大学の対応は怪しいものです.
■追手門学院大学いじめ自殺事件(wikipedia)
カウンセリングや学生相談室を設けておくけど,あとのことは知りません.という大学が圧倒的多数.
そんなところに,不可解な学生の自殺について記者がツッコミを入れたら,大学や教員の対応不備がボロボロ出てくるのは間違いありません.
きっとそれは,小中高の学校の先生方の比ではありませんから.
そう言えば,危機管理の専門学部学科を擁する某大学が,「不適切なスポーツ指導」という話題でバッシングを受けていましたね.
他にも,最近は「スポーツ指導体制」や「スポーツ指導現場の暴力事件」で叩かれた大学が散見されました.
スポーツにおける暴力でこんな状態.
自殺事件でつつかれると,さらにヤバいことになりますよ.
これからの大学教職員は,「いじめ」や「ハラスメント」,「学生を虐げている」といったツッコミに対処できるようにしておきましょう.
この手の話で危ない教員がいるようなら,マジで早めに処分する必要があります.
メディアからバッシングを受け始めてからでは遅いので.
今はまだいいんです.
世間や社会人にとって,自分たちの将来のライバルである「大学生」に対する目は冷たい.
なので,「いじめ」とか「人間関係」ごときで自殺するような奴は,使い物にならないと考えています.
言ってしまえば,大学生とは,自分たちが「いじめたい対象」なのですから,中学生や高校生ほど暖かく見てはくれないのです.
就職活動なんかを見てれば,それが分かりますよね.
私はなにも,「いじめ」を無かったことにするのを推奨しているわけではありません.
原因がなんであろうと,自殺者数を減らすことを最大の目的として対処すべきだということです.
もっと言えば,「進路」や「学業不振」による自殺にしても,私はこれを「社会的ないじめの被害者」と捉えることに吝かではないのです.
誰か特定の加害者がいるわけではない自殺は,ドラマチックじゃないので世間ウケしない事件ですが,実際に自殺する人を減らす上では重要な視点だと思います.
■初年次教育を担当している先生は要注意|そろそろ「大学生のいじめ」が始まる季節です
学内の「いじめ問題」に適切に対処しないと学生が自殺しちゃったり,その対応が不適切だと叩かれます.
今はとりあえず「学生の自己責任」と「学生相談室の充実」で済ませられていますが,世間やメディアが「大学の責任」を問うようになってくるのも時間の問題です.
特に,近年は「クラス制」を導入している大学も多いので,これがいじめの温床になっている可能性があります.
さらには,「初年次教育」と称してクラス担任制も設けているので,そうした初年次教育を担当してる先生は要注意ですよ.という趣旨のものでした.
(1)自殺者数が多いのは小中高の生徒ではなく,ダントツで大学生
このブログでは,「子供の自殺」について,感情的に「いじめ問題」と関連付けることを避けましょう,という趣旨の記事を何度か書いてきました.例えば,
■続・子供の「自殺」について落ち着いて考えよう
そこでは「低年齢の子供」に焦点を当てていましたが,これを「大学生」にすると違った見方になります.
まず,そもそも「教育現場における自殺」においてダントツで自殺者数が多いのは大学生です.
以下にその記事で紹介したデータをお示しします.
日本の大学進学率は約50%ですから,ほぼ100%である小中高と比べても,遥かに高い自殺率であることがわかります.
![]() |
警察庁データ(2017年)より |
データ元は,このPDFページです.
■平成30年中における自殺の状況 付録(221KB)(警察庁「自殺」データ)
そのデータをみると,2018年において「学校問題」で自殺した20歳〜29歳の人は163名でした.
20歳以上で「学校問題」となると,ほぼ大学生になるという推定です(もちろん,20歳以上の高校生が含まれている可能性や,19歳の大学生が省かれていることは承知の上です).
その「(20歳〜29歳の)学校問題」における自殺原因の内訳は,
入試に関する悩み:7名
その他進路に関する悩み:57名
学業不振:73名
教師との人間関係:0名
いじめ:0名
その他学友との不和:7名
その他:19名
「な〜んだ.いじめで自殺している大学生はいないじゃないか」
と安心することなかれ.
それを言い出したら,これだけ世間とメディアを騒がせている「子供のいじめ自殺問題」にしても,2018年は2件(19歳以下のデータ)でした.
念の為,過去の推移データを以下にお示しします.
子供が「いじめ」で自殺することは極めて稀なのです.

(2)教育機関内での自殺 = いじめ
今,世間では教育機関に通っている者が自殺すれば,それは「いじめ」が原因だと考えるパターンに入っています.「そんな無茶な」と思うかもしれませんが,一般人はその程度の認識しかできません.諦めましょう.
例えば,自殺原因として学校問題の中には,「その他学友との不和」というのがありますよね.
これについて,「不和となっているが,実際はいじめだったのではないか?」と解釈することもできます.
また,「いじめ」と認定されないだけで,「進路」や「学業不振」がきっかけとなって,実際のところ「いじめ」のような状況になっていたのでは? といった分析をする人も出てくるかもしれません.
昨今の「いじめ自殺問題」を見ていると,いじめ自殺にしたいから「いじめ」として認定する,といった風潮が出てきているような気がします.
かなり危険な状況です.
ともかく,そのうちネタ切れに困ったメディアは,「大学生の自殺」を大々的に報じ始めるかもしれません.
昨今は,ブラック大学とかブラック研究室が話題になってきていますし,かくいう私も記事にしてますし.
そんなところで自殺が発生すると,「自殺に追い込まれる大学生」などとセンセーショナルに取り上げられる可能性は高いですよね.
実際のところ,「追手門学院大学いじめ自殺事件」で明るみになったように,「自殺」に対する大学の対応は怪しいものです.
■追手門学院大学いじめ自殺事件(wikipedia)
カウンセリングや学生相談室を設けておくけど,あとのことは知りません.という大学が圧倒的多数.
そんなところに,不可解な学生の自殺について記者がツッコミを入れたら,大学や教員の対応不備がボロボロ出てくるのは間違いありません.
きっとそれは,小中高の学校の先生方の比ではありませんから.
そう言えば,危機管理の専門学部学科を擁する某大学が,「不適切なスポーツ指導」という話題でバッシングを受けていましたね.
他にも,最近は「スポーツ指導体制」や「スポーツ指導現場の暴力事件」で叩かれた大学が散見されました.
スポーツにおける暴力でこんな状態.
自殺事件でつつかれると,さらにヤバいことになりますよ.
これからの大学教職員は,「いじめ」や「ハラスメント」,「学生を虐げている」といったツッコミに対処できるようにしておきましょう.
この手の話で危ない教員がいるようなら,マジで早めに処分する必要があります.
メディアからバッシングを受け始めてからでは遅いので.
今はまだいいんです.
世間や社会人にとって,自分たちの将来のライバルである「大学生」に対する目は冷たい.
なので,「いじめ」とか「人間関係」ごときで自殺するような奴は,使い物にならないと考えています.
言ってしまえば,大学生とは,自分たちが「いじめたい対象」なのですから,中学生や高校生ほど暖かく見てはくれないのです.
就職活動なんかを見てれば,それが分かりますよね.
私はなにも,「いじめ」を無かったことにするのを推奨しているわけではありません.
原因がなんであろうと,自殺者数を減らすことを最大の目的として対処すべきだということです.
もっと言えば,「進路」や「学業不振」による自殺にしても,私はこれを「社会的ないじめの被害者」と捉えることに吝かではないのです.
誰か特定の加害者がいるわけではない自殺は,ドラマチックじゃないので世間ウケしない事件ですが,実際に自殺する人を減らす上では重要な視点だと思います.
コメント
コメントを投稿
常識の範疇でご記入ください。お問い合わせはメールでも受け付けています。その場合は「プロフィール」からお願いします。