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作ったネタじゃないよ,事実だよ

嘘みたいな本当のエピソード


昨日,ブラック大学における危ない教員をネタにした自作の小説を紹介しました.
さっそく,たくさんの方々からアクセスをいただいております.
ありがとうございます.そして,長文をお読みいただき,お疲れ様です.

※小説はこちら
大学の小説


ところで,そこに掲載した各エピソードですが,ほぼ全て実際にあった話です.

以前,学会中の飲み会でその一つを紹介したら,私の話を聞いた人達から,
「いくらなんでも,それ,作り話だろ」
「そんな落語みたいな話があるか」
といったリアクションが返ってきました.

そこでは,そのエピソードを私と一緒に体験した人が同席してくれていたものですから,
「いやいやいや,マジで本当ですから.作り話じゃないんです!」
って二人で猛烈アピール.
そんなことしなきゃいけないほど,嘘みたいな本当の話なんですよ.

むしろ,話を盛るどころか,ちょっと薄めています.

というのも,そのまま事実をストレートに話したら,逆に信じてもらえないからです.
今回の小説でも,実際の出来事よりインパクトを弱めていますので.



例えば,小説における,
13:2012年6月20日
で紹介しているものは,私の周囲の関係者では伝説として語り継がれているものです.


スキャモンの発育発達曲線における「リンパ系」


まず,スキャモンの発育発達曲線のエピソード.

その曲線というのは,こちらです.



ちなみに,これは過去記事で紹介している私が作成した画像で,実はこの画像データをパワポのスライドに利用している人って結構います.
学会とか研修会とかで,「あっ,これ僕がブログにアップしてるやつだ」って見かけることが,過去に何度かありました.
Scammon curve 2


さて,何があったのかというと,その「危ない教員」から,
「今から授業でこの図を説明しなきゃいけないから,すぐに教えてくれ」
という依頼があったので,大急ぎで説明しました.

結果,「リンパ系」の部分を全然理解してくれなかったんです.

その時点で,「授業中に携帯電話を使って尋ねてくる.しかも自分が専門のはずの事を」ということで十分に信じてもらえないエピソード.

しかし今回の小説では,より事実に則して,「その後,携帯電話越しに,私に講義させた」というところまで紹介しました.
もう,ここまで来ると,作り話だと思って誰も信じてくれません.


ステレオタイプな指導者


次に,ステレオタイプな指導者のエピソード.
これも,小説の,
13:2012年6月20日
で取り上げています.

そして,過去記事もありますよ.
ステレオタイプな日々
この記事の作成年月日でわかるように,現実世界では2010年の出来事でした.


何があったのかというと,「ダメな指導者として,ステレオタイプなのは?」というパワポのスライドが出た場面で,授業見学中(ブラック大学には,そういう業務がある)の私をなぜか壇上に呼び出し,
「さあ,先生が答えてください!」
っていうことになったんです.

私がそれに「怒鳴りつける指導者」みたいな感じで答えると,笑顔で同調していたのに,それに続けて「自分勝手な指導者」みたいなことを言うと,
「それはステレオタイプじゃない!」
とか怒り出してきました.

この危ない教員は,「ステレオタイプ」のことを「ステレオデッキみたいな」だと思ってたんです.
ステレオのスピーカーみたいに,ガミガミうるさい指導者っていうのが,「ステレオタイプな指導者」ってこと.

小説ではそこで止めてますけど,これには続きがあります.


実は,その場面で私,この危ない教員から,こっ酷く叱りつけられたんです.
これが分からないお前は教員失格だ,って.
学生の前で,ですよ.

その後,この授業を受けていた学生の一人と仲良くなったことがあるんですが,その学生から,この授業でのことを慰められたんです.
「先生,あの時大変だったけど,◯◯先生は厳しい人だから頑張れ」って.

「ステレオタイプの意味を,ネットで検索してみろよ」って言ってやりました.
その学生ですか? 大変ショックを受けていたみたいですよ.
だって,テスト問題にもなっていた事だし.

大学に限らず,「先生」って呼ばれる人は,間違ったことを教えていないと思っている人が多いものです.
私としては,教育者の資質を考え始める,きっかけとなる事件でした.



ショートケーキ療法


我々関係者の間で底抜けに有名なエピソードが,この「過呼吸患者にショートケーキを食べさせた」というもの.

小説では,
16:2012年8月29日
で取り上げています.

もちろん,過去記事でも取り上げていますよ.
ショートケーキ


この話,私にとっては「危ない教員」からかかってきた電話相談だけだったんです.
部活動をしていて,全身を痙攣させて倒れた奴がいるから,それを治す方法を教えてくれって.
いや,救急車呼べよって言ったんですけどねぇ.

詳細は小説,または過去記事を読んでほしいのですが,この話の内部事情は,その部活動をしていた卒業生,および痙攣していた患者さんから聞きました.
小説で言うところの,岸本さんと,三井コーチですね.
私は,二人とは仲が良いので.

特に岸本さんは,その事件を克明に覚えていて,それを基にしてこのエピソードは書かれています.
三井君としては,「俺はここで殺されるんだ」って本気で絶望したとのこと.

簡単に何があったのか説明しておくと,三井コーチが過呼吸を起こして倒れたんですけど,そんな彼に危ない教員は,部員で主務である岸本さんを呼びつけ,「こいつにケーキを食べさせろ」と命令したんです.
意味がわかんないんですよ.
なんで痙攣して倒れている人に,ケーキを食べさせたのか.

これについて,小説で言うところの穂積里香先生は,
「糖分を摂取させようとしたんじゃないですか? あいつバカだから」
って言ってました.

今のところ,それが有力説です.


他にも,ちょくちょく小説の内容がブログ記事になっているものがありますので,気になる方は調べてみてください.


小説はこちら
大学の小説

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