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大雨・土砂崩れ|桜(サクラ)や楓(カエデ)の植林効果

先日の記録的大雨により,高知県西部は軽微な被害がありました


9月11日は,高知県西部にとんでもない量の雨が降りました.
私が住んでいる黒潮町付近は特に凄くて,終日ずっとニュースが流れていました.

以下は当日の午前中のニュース.

高知県で120ミリ以上 記録的短時間大雨情報(tenki.jp 2020.9.11)
黒潮町付近ではレーダーの解析で、11日午前8時00分までの1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
※記録的短時間大雨情報とは:数年に一度しか発生しないような短時間の大雨を観測・解析した時に、各地の気象台が発表します。基準は地域ごとに異なります。

そして,その日の昼頃のニュースでは,以下のような記録的大雨を伝えるものがありました.
画像元:https://weathernews.jp/s/topics/202009/110095/yn.html

台風ではないから強風が吹き荒れているわけでもなく.
ひたすら滝のように雨が降ってくる.

傘差しても,1分以上雨に曝してると,隙間からドバドバと漏れてくるんですよ.
それに,雨による圧力が凄いから,傘を持ってる事自体がつらくなる.
「傘の意味ねぇ」ってなって,傘じゃなくてカッパにしました.


ただ,高知県は昔から大雨の被害に悩まされていたので,予算の多くを災害対策に費やしてきました.
住民のなかには,
「そんなに徹底しなくても大丈夫なのでは?」
「もっと経済対策に回したほうがいいのでは?」
といった意見もあったようです.

どんなに小さな村の山奥であっても,そこに調査チームがそこに分け入って地形や地質を分析し,あの手この手で砂防ダムや補強工事をやってきました.
私が住む地域の人達も,当時は「役所が勝手にやることだから」と呆れていたと言います.

が,どうやら過去の為政者・役人の方々の行いが報われる時代になったようです.

以前のブロク記事でも紹介しましたが,昨今,日本で猛威を奮っている台風・豪雨の影響を,高知県はさほど受けていません.
そしてそれは,高知県が台風・豪雨対策を徹底してきた歴史があるからなのです.

「備えあれば憂いなし」と言いますが,まさにそれを実感した今日このごろでした.


しかし,我が家にしても全くの無傷ではありません.
まあ,「損害」と言えるほどではありませんが,一部,困ったことになっています.

まず,ヒョウタンの蔓棚が壊れています.


ですが,このヒョウタンはあってもなくてもどうでもいい物なので,我が家では気にしていません.
生き残ったヒョウタンの中から,形の良いものを乾燥させて置物にする予定です.


あと,鉱泉の元がある場所の近くの道が崩れました.


鉱泉を運ぶパイプや,ポンプの電源が危うく宙ぶらりんになりそうでした(っていうか,電源は宙ぶらりんですが).
こういう土砂崩れって怖いですね.


古来,サクラやカエデは,「きれい」だから植えているのではありません|土砂崩れ対策です


さて,ここでタイトル回収です.

私も大人になるまで聞かされてなかったので知らなかったのですが,日本の山に「サクラ」や「カエデ」が植えられているのは,なにも「見た目がきれい」だからではないとのことです.

サクラ
カエデ

実は,サクラやカエデには,
「岩を抱えながら根を張り巡らせる特徴があり,その周囲の地面を頑丈にする」
という性質があります.

つまり,宅地や農地の周囲にサクラやカエデを植えておけば,その地面が崩れにくくなるわけです.
だから古来,日本人はサクラやカエデを生活圏に植林し,重用してきました.

以下は,我が家のヤマザクラの根の部分の写真です.
こんな感じで,ガッシリと根付きます.


そのため,土と岩をくっつけ合うことで,崖崩れしにくくなるのです.


それに,サクラやカエデは岩山のような痩せた土地でも成長します.
これが崖崩れ対策には好都合.

しかも,その姿は見栄えがするので,これを描いた絵も多いですよね.
例えばこんな感じで.
橋本雅邦:桜花紅葉山水図

実際,そうした効果を裏付ける状況があります.
以下は,上述した崖崩れがあった隣の場所です.


撮影したのは,土砂崩れがあった場所を撮影したのと同じく,今日の夕方.
11日の大雨があった後です.

ちょうど画面中央部にあるのがカエデ.
その右側・手前にあるのがヤマザクラです.

ここは崖崩れが発生していません.


なお,ここは以前から「ヒビ割れ」が発生していて,次に大雨があったら崩れるだろうと考えられていたのですが,もう十数年の間崩れませんでした.
画面中央部に,手前から奥に向かってヒビ割れがあるのが見えますか?


なので,父はこの場所に重点的にカエデやヤマザクラを植林していました.
実験の意味も含めてです.
カエデやヤマザクラに,どれだけの地盤固めの効果があるか試してみたのです.

結果として,もう長い間保っています.
今回の記録的大雨でも耐えてくれました.


なお,我が家の周囲は,土砂崩れ危険地帯に指定されています.
そんなこともあって,父はこの20年ほど,ずっとサクラとカエデを植林し続けています.

その成果か,崖崩れや土砂崩れに襲われることはありませんでした.

あまりに植えまくったので,今ではちょっとした観光地です.
今年も,黒潮町ケーブルテレビ放送局(IWKTV)がドローン撮影しに来ました.
秋は紅葉を撮影しにくると言っています.

でも,見栄えが良いから植えているのではありません.
あくまで,安全対策のために植えているのです.


ちなみに,ヤマザクラの季節に,ドローンでこの山を撮影したらこんな映像が撮れます.
白くなっているところがヤマザクラです.


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