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<新型コロナ>国や自治体はここを努力すべきだった

個人の努力ではどうにもならないことに取り組んでほしかった


前回の記事では,
「日本はもう,国や自治体に期待できる時代ではない」
という趣旨の話でした.

たまたま今回,新型コロナがそれを浮き彫りにしただけです.
もし中国が尖閣諸島を襲っても同じように右往左往していたでしょうし,北朝鮮からミサイルが飛んできても国民のことはほったらかしになるでしょう.

今,日本人に求められているのは,本当の意味で「一身独立」すること.
これは福沢諭吉も言ってましたよね.
「一身独立して,一国独立す」と.
国に奉仕したり協力するよりも前に,まずは一人の人間として生きる力をつけるべきでなのです.
右翼系の人ほど,これを逆に捉えているから厄介です.
ようするに,ちゃんと独立できていない奴ほど,前段すっとばかして国家や民族に依存します.
詳細はまた今度話します.


さて今回はというと,新型コロナについて国や自治体が,
「どうしてこれをやらなかったのか?」
と思うことを考えてみます.

実際には,新型コロナに関する過去記事で,最初期から散発的に述べてきたことですが,1年経過した記念にまとめておこうかな,と.

いずれも,個人の努力ではどうにもならないレベルのことで,国や自治体とは,以下のことを実行できるために存在すると言っても過言ではなかったはずです.

なんのことはない.
訳のわからない指示や要請を出す前に,まずは訳がわかる状態にしろという,極めてシンプルな話です.



国内の感染者をちゃんと調べろ


ときどきネットニュースや特集記事などでもこれを述べている人もいますが,本当に謎ですよね.
どうして国や自治体はこれを調べようとしないのか?

世論調査ってあるじゃないですか.
全サンプルを調査しなくても,だいたい1500人〜2000人くらい調べれば,日本人の世論がほぼ正確に推定できるっていう,統計学の話です.

あれと同じことを,新型コロナでもやればよかったのに,っていうことです.

そもそも,騒動の最初期に測定エラーが発生しやすかったPCR検査は,こういう疫学調査のためにこそ活用されるべきでした.

つまり,全都道府県の主要都市から何百人かランダム抽出して,全国で数万人程度の規模のPCR検査を実施するのです.
キットや人員が足りないってことなら,数千人程度でもいい.
これを1ヶ月や2ヶ月ごとに繰り返していけば,だいたい国内の感染者数や感染状況が把握できます.

いや,私もてっきり,国はそういうことをやるもんだと思ってたんですよ.
ところが,全然やらない.
これには素直にビックリです.

一応,どうしてそれが大事なのか説明しておくと,これまで日本で行われているPCR検査というのは,感染が強く疑われる人だけに偏って行われているので,国内の感染状況が分かりません.
いわゆる「バイアス(偏り)がかかっている」というやつです.
そうじゃなくて,症状あるなし関係なく,ランダムでそこらへんにいる人を対象に調べることで,感染者の特徴が把握できるのです.

だって,これやらないと,実際には対策がとれないでしょう?
「感染者が増えています!」というのも本当かどうか分からないし,「夜の街で感染している!」っていうのも事実かどうか分からないのです.

もっと言えば,先日のGoToキャンペーン停止にしても,本当にGoToで感染が拡大しているのかどうか不明です.

例えば現在の検査陽性者数は以下のようになっていますが...

このように,GoToを始めた8月以降は感染者が減少していることになりますよね.
つまり,11月頃から始まった感染者の急増は,たんに「気温が下がって,空気が乾燥してきたから」,つまり「風邪をひきやすい季節になったから」という可能性だってあるわけです.

今日のネットニュースなどでは「過去最多の感染者!」などと大騒ぎですが,これだけ見ると,感染者数は停滞を始めたように見えますよね.
いずれにしても,無作為抽出による感染状況がわからないと,分析のしようがありません.


ときどきテレビを見ていますと,このご時世に仕事が無くて暇しているのか,「専門家」と称するコメンテーターが次々と登場してきては,
「PCR検査をもっと増やすべき!」
「PCR検査なんかしても意味ない!」
などと,意味不明な論争をしていました.

結局,調査というのは「目的」と「ねらい」が最も重要なんですけど,そんなこと放置して,
「PCR検査は十分に実施されているのか?」
などという,どうでもいい話が展開されていました.



特別定額給付金の配り方


さらに謎なのが,特別定額給付金の配り方です.

これもネットやテレビでさんざんぱら指摘されていたことです.

もともと,「救済金」の要素が強いこの給付金ですが,だからこそ,これを受け取る側は,
①「直近の生活に困っていてすぐに必要な人」
②「税金の支払いで悩んでいる人」
③「いらない人」
の3タイプに分かれると言われていましたよね.

で,当時の政府としては①の人だけにピンポイントで配りたかったらしく,さまざまな条件を用意して,受け取り手続きも煩雑なものにする予定でした.

これだけでも相当なバカですが,それはこの際脇に置くとして,この当初の案は,
「今すぐ手元にお金がほしい人に届かない」
という理由から却下され,全国民に一律で給付することになったのです.

で,ここでも意味不明な行動がとられます.
普通に考えれば,今すぐお金がほしい①の人だけ「今すぐ欲しい手続き」をさせて,他は税金から引けばいいと思いますよね.
その方が,事務手続きも簡単で,作業量も減るでしょうから.

それに,当初には②とか③だと思っていた人が,秋頃になって①になるという場合もあるでしょうから,各自治体の事務作業も一時期に集中しなくて済みます.

小学生ならまだしも,中学生以上であれば当然思いつくアイデア.
うちの仕事をやってくれているパートのオバちゃんたちも,
「よぉ分からん書類を書かされるより,税金から引いちょってくれたらえぇがじゃ」
と言ってました.

ところがこれをやらなかった.
これにも,素直にビックリです.

いえ,政治家や官僚たちが,まさかまさか,それを知らないはずがありません.
ですから,過去記事では,
「意図的に手続きミスを誘いたかったからだろう」
ということを述べました.

いや,絶対そう.

マイナンバーカードがどうのこうのという議論もありましたが,全くの的外れです.
これは,国が国民をどうしたいのかが問われる事件でした.



「専門家」の議論を公開してくれ


議事録をとってなかったり,黒塗りだったりしましたけど,今からでも遅くありません.
分科会とかの議論と経過をちゃんとオープンにするべきです.

「そんなんじゃ参加したくない」
っていう専門家がいたら,それは専門家じゃありません.
いやマジで.

むしろ,そういうことを政治家や官僚側が忖度してるんじゃないかと思います.
でも,専門家は専門家です.
こうした事態に,責任をもって提言できる自信があるのが専門家なのです.
気にせず議論経過を公開しましょう.

その方が,日本中・世界中にいる「会議に呼ばれていない専門家」の人たちからの批判や意見も活発に成されます.
あと,専門家がどのような論拠・根拠でコロナ対策を提言しているのか知ることも出来ます.
逆に言えば,なんの論拠も根拠もないままに提言している対策があったら,それにツッコミを入れることも可能です.

今は,そういうのを避けたい意図が見え見えです.
こんなのを続けていたら,専門家が政府にとって都合のいいように使われるに決まっています.

まあ,現政府は,例の日本学術会議の人事問題を起こしているので,言わずもがなでしょうけど.

それに,自分の研究成果や,コネクションとか,利権とか,そういうのを我田引水したくて会議に参加している不届者がいる可能性もあります.
こういう奴は,発言の匿名性を利用して,巧妙に自分の利益になる提言を誘導している可能性があります.

「オープンにしたら意見が活発になるかもしれないが,それだと政策としてまとまらなくなる」
っていう心配をする人がいるでしょう.

心配ありません.
議論を皆が見えるように出し尽くした上で,その中から責任をもって選択するのが政治家の役割です.

今のままでは,うまくいったら政治家の功績,ダメだったものは専門家のせい,という状態が続くことになります.


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