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「ここ最近のコロナ陽性者の下げ止まり・リバウンドは,自粛要請・感染防止策に従わない国民自身の責任だ」って言ってる教員は,きっと授業評価アンケートの点数も低い

乱暴な理屈だけど,それなりに当たってると思うよ


過去最長の長さのタイトルです.
78文字.

最近,首都圏のコロナ陽性者が下げ止まり,むしろリバウンドしていると話題になっています.
さらに,緊急事態宣言が延長したことを皮切りに,政府・対策チームの思惑とは裏腹に,街や観光地の人出が増えているそうですね.
東京都で175人が新たにコロナ感染、7日連続で前週上回る(Yahoo!ニュース|ロイター 2021.3.15)自粛疲れ、政府対応不満…渋谷や銀座に人出多く(Yahoo!ニュース|日刊スポーツ 2021.3.14)


こうした状況に対し,ネットの反応の中には,
「感染防止対策をしっかりできない都民・国民が悪い」
「政府の指示を守れていないくせに,『もう我慢の限界だ』など政府を批判するのは無責任だ」
などという意見があるようです.


そんなことを言いたくなる人達のお気持ちはわかりますが,全く同意できません.
むしろ,「もっとちゃんと我慢して自粛しろ」などという意見を出している人こそ,無責任です.

私からすれば,今回の事態は120%政府が悪いのです.
「政府は悪くない.守っていない国民が悪い」などというのは,勘違いも甚だしい.


守れない約束をしない.
守れないルールを課さない.


これは私が日頃から大事にしていることで,大学教員時代もこれを重要視していました.
なかでも,学生対応においては特に.

逆に,これを平気で破る人もいます.

守れもしない約束をしおいて,あとでドタバタしたり信頼を失ったり.
そうかと思えば,そんな自分のことは棚に上げて,他人に対しては厳しいルールを課したりする奴.
意外にも,無自覚にやってる奴は結構多い.


大学教員にもこの手の人間はそれなりにいます.
むしろ,本人はそれまでの人生においては,至って「優等生」で育ってきているから,
「約束を守る」
とか,
「ルールを守る」
ことに慣れているのでしょう.

だけど,社会人においては,
「約束したことを守る」
「ルールを守らせる」
というのは,かなりシビアになってきます.


誤解を恐れずに言えば,小中高大という教育現場における,「約束」や「ルール」というのは,
「頑張れば必ず守ることができるもの」
しか与えられないことが多いのです.
そうやって調整されたものを提示することが多いからです.

ところが,一般社会においては,どうしても守れない約束や,努力しても守れないルール,人によってはハードルが高いルールといったものが出てきます.


そこを考慮できない人が大学教員にも多いので,自分がやれもしない約束をしておいて,それを守れない状態が出来てしまったり,学生にとってハードルが高過ぎるルールを課しておいて,それができていないからと不平不満を口にする人が出てきます.

私の経験上,こういう教員は学生からの評判は悪いですし,なかでも特に「授業評価アンケート」の点数が悪いんです.

「私が課したルールや指示に従えない学生の方が悪い.ちゃんと守れている学生がいるのだから,出来ない奴がダメなのだ」

そういうスタイルで学生に向き合う人は,学生にとってストレスフルです.
場合によってはハラスメントになるので注意が必要です.

厳しいルールや条件を出すことが悪いと言っているのではありません.
そうした指示を達成できる環境やヒントも一緒に提示しなければ,ただの精神的暴力にしからないと言っているのです.
学生がそのルールや指示を守れなかった時に,守れなかった責が自分自身にあると「自主的に納得できる状態」をつくることが大事なんですよ.
このあたりのことが分からない教員って結構います.

勢い,「社会に出たら,与えられたルールを守ることは当たり前だし,それを守れない奴にはペナルティがあるんだ」などと言い出します.
でも,そういう考え方自体,教育的には視野が狭いし現実的ではありません.


大学に限らず,教育現場において教育者が指導対象者に課すルールというのは,それを守ることで指導対象者(つまり学生)に利益があるものです.
決して教育者・指導者側にとって利益になることではいけません.

それは政府と国民,役所と住民などの関係でも一緒です.
そのルールを守ることによって,国民や住民の利益になることを提示する必要があります.
政府や国家に都合のいいルールではダメなのです.


現在のコロナ禍における,
「政府の指示を無視する国民が増加している現象」
というのは,その元凶はすべて政府自身にあります.

国民が守れないルールを課している,政府の方が悪いんです.
「国民が守っていないから,こんな状態になるんだ!」っていうは,自分が無能であることを盛大に公表しているようなもの.


以前,こんな記事を書きましたよね.
もう基準値を下回ってるんですから,さっさと解除した方がいいと思います.
もしこれで解除しないのなら,500人以下ではダメだとする根拠をちゃんと説明しなきゃいけません.
これを怠ると,もう完全に信用を失います.
大学や学校の授業とかでも一緒ですよね.
最初に「ここまで出来たら合格」というラインを引いといて,そこに到達できたのに,「やっぱりやめた.もっと高いところまで上がれ」と言われたら,学生はキレるでしょ.

それをやってるのが,現在の政府ってこと.

「そんなことしていると,国民が言うこと聞いてくれなくなるよ」
っていう趣旨のことを述べてきましたが,やっぱりそうなりましたね.

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