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ドラマ「インベージョン」を見ているよ|シーズン2はどうしよう

ウイルスとかロシアとかが侵略してくる世界で


ロシアによるウクライナ侵攻.
もはやコロナ・ニュースは蚊帳の外の感があり.

そんな現在のウクライナ国内では,新型コロナ対策ってどうしてるんだろうなぁ? なんて疑問はあるものの,それどころじゃないだろうなとも思う.

ロシアもどうだろう?
行軍中のロシア軍内では,コロナ対策ってどうしてるんでしょうね.


そんなタイムリーなニュースである「侵攻」について,まさに「インベージョン:Invasion」というタイトルのドラマがありました.

先日,アイザック・アシモフ原作の『ファウンデーション』が,Apple TV+でドラマ「ファウンデーション」として映像化されているよ,っていう話を取り上げました.

ファウンデーションのシーズン1を見終わって,Apple TVのなかで「他にも面白そうなやつはないかなぁ」と思って探したら,「インベージョン」というドラマもやっているようです.

インベージョン,つまり侵攻とか侵略をテーマにしているのですけど,どうやら,いかにもな「地球外生命体による地球侵略」を扱っているらしい.

ファウンデーションと同様,昨年から配信開始されているApple TVオリジナルのドラマです.

未確認生物による侵略っていう話だから,昨年の時点であれば「コロナウイルスによる人類文明への侵略」と関連付けて考察されることもあったでしょうけど,今となってはロシア・ウクライナ間の話になります.
実際,ネットで「Invasion」って検索しようものなら,すぐに「ウクライナ」っていうのがサジェストされますしね.


エイリアンによる地球侵略なんて,かなり使い古されたテーマですが,それだけに今回はどんな描き方をするのか楽しみではある.

ドラマのトレイラーはこちらです.




とりあえずシーズン1の10回分を一気見してみました.

その感想ですが....,なんだかなぁ~って感じですね.

ウィキペディアに評価があるので読んでみました.
まだ日本語版ができていないようなので,英語版がこちら.
Invasion(2021 TV series)(Wikipedia:英語版)

そこの,「ハリウッド・リポーター」というエンタメ雑誌に掲載されているというレビューが,まさに私と同意見です.

前半はなんだか面白そうだなぁと見入るものの,徐々に退屈になっていき,そして後半は意味不明な展開でシーズン1は終わった,ってところです.


シーズン2に続くことが決まっているようなので,そこからどのようにテコ入れされていくのか期待したいのですけど,このままだと継続視聴は厳しいですね.

社会現象にもなったゾンビ系ドラマである「ウォーキング・デッド」っていうのがありますが,全世界を巻き込んだゾンビブームの火付け役・話題作ということもあって,私もどんなものかと見てみたんです.
結局,私はシーズン2の途中で飽きて見なくなりました.


「インベージョン」に話を戻すと,このドラマではさまざまな国・地域でエイリアンと対峙する人々の群像劇になっています.
で,そこには「日本パート」と呼ばれるものがあって,ここには海外作品では常連の菊地凛子が出ていたり,忽那汐里という(私は知らなかったけど)日本でも有名な若手女優が出ていたりする.
日本パートは日本が舞台なのですが,さすが海外ドラマだけあって,「こんなの日本ではオカシイ」という描写が結構多い.
でもまぁ,それはご愛嬌です.

ただちょっと気になるのが,日本人役の役者さんたちが,セリフを噛んでいたり,言い間違いかなって思うところがたくさんスルーされているところ.
セリフが棒読み調になってたりするところも多い.
もしかすると,OKを出す人が日本語ネイティブの人ではないのか?

もっとも,こういうのがある意味で「リアルさ」を醸し出すから別にいいやって思うものの,やっぱり気になるっちゃ気になる.

その点,やっぱり菊地凛子は流石だなと思うし,忽那汐里の上司・ハシモト役をやってる俳優さんも結構いい味を出してると思った.


結局このドラマって,何を描きたいのか?


それが見えてこない.
それが最大の問題点.

見えそうで見えない.
そんなところは,ちょっと前にあった海外ドラマ「アンダー・ザ・ドーム」と感覚が似ている.

ちなみに,アンダー・ザ・ドームのほうは,原作がスティーブン・キングで「ドームの正体はなんなのか?」といった設定もしっかりしていますし,「謎の現象によって外界と隔離された人々が,どのような言動をとるのか?」という思考実験を展開した,というテーマも明確でした.
ただ,テレビドラマ版は途中から急激に退屈化してゆき,それこそ「デウス・エクス・マキナ」な展開になって打ち切りっぽく終わりました.


この「インベージョン」もなんだかそんな恐れがあります.
たぶん,種々の群像劇の中からいろいろな人類同士の「インベージョン(侵略)」を見せつつ,エイリアンの侵攻と交錯させようという意図があるのかなって思って見ていました.

例えば劇中に登場するのは戦争,いじめ,人種・民族差別,不倫,LGBT迫害などです.


シーズン後半,こうした話題はどっかに置いてけぼりになって,エイリアンとの対決が突然始まります.
対決するって言っても,なんか精神戦みたいな感じで.


私としては,「スター・ウォーズ」とか「インデペンデンス・デイ」みたいな,知能指数の低いSFではなく,硬派なSFとして地球外生命体侵略ものが見たいと思っています.

地球の人類とは全く異なる文明・知能・文化・価値観・思考能力を持った生命体が,「地球にやってきたとしたら,一体どうなるのか?」という点をしっかりSFしてほしいんです.

それを比較的ちゃんと映像化したのが,映画「メッセージ」だと思いますので,これはオススメです.
メッセージ(映画)(Wikipedia)



あと,実は劇場版の「機動戦士ガンダム00」も,そのテーマでちゃんと描かれていたりする.


そもそもSF的に考察すれば,地球に対して,我々人類が認知するより先に「到達・訪問」してきた知的生命体なのですから,彼らの思考力やテクノロジー,価値観,文化などは,地球人類のそれより次元が遥かに高いはずなんです.

例えば,「ホモ・サピエンス」と「チンパンジー」の思考力や文化,テクノロジーは,生物学的に比較すれば「僅かな差しかない」と言えますが,その僅かな差がこれだけの違いを生みます.
チンパンジーを,自分達と同程度の知的生命体だと考えているホモ・サピエンスは少ないでしょう.

ほとんどのホモ・サピエンスは,チンパンジーを「程度の劣ったサル」と見做しているはずです.
実際,「チンパンジー」という単語は,愚かでバカな人間のことを指すこともありますし.

でも,当のチンパンジーはというと,ホモ・サピエンスのことを「自分たちより優れた知的生命体だ」などとは思っていないでしょう(多分知らんけど).

事実,ホモ・サピエンスの間でも同じことが言えますが,バカな奴ほど自分よりも能力が高い人間をちゃんと認識できません.
バカは,周囲の人間は自分と同じように考えていると思いがちですし,自分と同じことを考えている者を正しいと認識するものです.
端的に言えば,バカは自分を賢いと思いこんでいる人間です.

そう言えば,そんな話を過去記事でしたこともありましたね.


で,これがエイリアンと地球人ということになったら,実際のところ,
地球人=チンパンジー
エイリアン=ホモ・サピエンス
という状態になるはずです.

もっと言えば,エイリアンがホモ・サピエンスなのに対して,地球人はチンパンジーどころか「イヌ」「ネコ」「ミツバチ」「カブトムシ」みたいなものになっている可能性だってある.

だとすれば,そもそも「インベージョン(侵略)」についての認識の違いだってあるだろうし.

そういった硬派なエイリアン・インベージョンを,なんとかしてドラマでやってくれないものか.
今は,そんな期待をシーズン2に持っています.

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