注目の投稿

思い出の楽曲|とんぼ|blogger共有


最近,すっかりネットから離れちゃってて...
ずっとブログ更新もせず.

特にメールの確認が疎かになっておりました.
そしたら案の定,ほったらかしの重要メールが2件ありました.
一つは設備投資に関する仕事上のことで,あと一つは某大学の教員からご挨拶のメールをいただいていたんですけど.
完全放置になっていたので申し訳ない限りです.

かつては毎日,否,毎時くらいの勢いでメール確認する時代もあったのに,今となっては完全シャットアウト状態になることもあるわけです.
実際,自宅や仕事場は電波圏外なので,ほぼ時計とカメラ機能,ワークフローアプリ,メモアプリぐらいしか使ってません.あ,あとは電卓アプリか.
人のライフスタイルって,変われば変わるもんですね.



さて,今回の思い出の楽曲は,「流行歌の歌詞をちゃんと覚えない」,それによってつまり「カラオケの嗜みが全く無い」という私にとって,
「そんなんじゃなダメだよ.カラオケに誘われたら,一曲くらい歌えるものを用意しとかないと!」
と忠告してくれた,私が大学教員をやっていた東京時代(実際には東京ではないのだが)の兄貴分(的な存在の先輩教員)から勧められた一曲です.

というのも,所属学部で懇親会があったとき,なんと今どき「カラオケ大会」が始まってしまいまして.
そこで私がカラオケで歌うのを断ったということが,その懇親会に欠席していたアニキの耳に入ったわけ.
で,アニキ曰く,
「僕なら長渕剛の『とんぼ』を歌うね」
って.

長渕剛をチョイスするとは,さすがはアニキだけのことはあります.

どうやら,長渕剛の「とんぼ」なら歌いやすいし,感情を込めて歌えばその場の盛り上がりにも貢献するってことらしい.
ちなみに,アニキもカラオケは「嫌い」とのこと.

嫌いなんかーい!
って思うんですが,でもそこはさすが「場の空気」を大事にするアニキだけのことはあります.


アニキの言い分もよくわかるし,過去に私もカラオケで苦い思い(その場をしらけさせた的な)をしたこともあるから,ここは一つ,アニキの忠告をちゃんと聞いておこうかな,と思わされたものです.
カラオケの話題については,過去記事でこんなのがあるんですけど,そこで触れようかと思いましたが,とりあえず割愛してました.

それにしても,カラオケもこのコロナ騒動で大打撃ですよね.
これを機会に,今後は「飲み会」だけじゃなくて「カラオケ」嫌いの人が積極的に拒否する時代になるんじゃないかと思ったり.


さて,長渕剛の「とんぼ」ですが,もちろん,「とんぼ」という曲自体は知っていました.
ただ,ちゃんと聞いたことがないだけです.

あらためて聞いてみて,いやこれ結構いい曲じゃないか,と.

東京に「死にたいほど憧れた」男の苦悩が歌われているんですけど,私としては「東京なんてそんなもんだろ」と.
いや,むしろ東京という空間には,おぞましい魔物が巣食っているというのが持論です.
東京はキラキラしているように見えて,実はヘドロみたいなところなのです.

ですから,そんな私が東京(繰り返しになるが,実際には東京ではないのだが)に仕事で引っ越すということになったら,周囲からは「アンチ東京のお前が東京に行くのか!」と驚かれたものです.

いえ,私も東京に行くのは本意ではありませんでした.
できるだけ東京からは距離をとっていたい,っていうのが本音です.

実際,「東京」についてはこんな記事を書いてきました.

東京という空間が生み出す魔力について,面白おかしく考察したものです.
お暇でしたらどうぞ.


そういう意味では,長渕剛の「とんぼ」に出てくる男は,「東京のバカヤロウ」を嘆きますが,これは正常な感覚と言えるでしょう.
この男は,東京について正確に捉えている.


一方,東京の魔力に取り憑かれてダークサイドに堕ちた「男」を歌い上げたのが,太田裕美の「木綿のハンカチーフ」でしょう.




え?
あなたは歌は知らないんじゃなかったのか? って?

あれから私も変わったんです.
その後,私は歌謡曲やポップミュージックというものを,以前よりはちゃんと聞くようになりました.
なので,「とんぼ」に関連する曲として自分なりにカテゴライズさせているのが,「木綿のハンカチーフ」なんですよ.
名付けて,「東京等の大都市が生み出す大衆俗物性に関する楽曲」です.


ちょっと解説しておくと,「木綿のハンカチーフ」における男は,ルンルン気分で都会(東京)に向かいます.
で,生粋の田舎者であるこの男は,恋人である女に「都会で流行りの指輪」を送るのです.

いいですか.
「贈る」のではありません.
こいつは恋人に指輪を「送って」いる.
考えてもみてほしい.
恋人に渡そうという指輪を,郵送,またはクロネコ・ペリカンあたりで送りつけたのです.

この時点ですでにダークサイドに堕ちています.

男はさらに続けます.
見間違うほどのスーツ姿の僕の写真を見てくれと.

そう,会う気がないのです.
もっと言えば,これは完全に上っ面の表面的変化を悦ぶ大衆俗物性を明らかに表しています.

そして最後は,「君を忘れる僕を許して」だとさ.

こういう男を私は,「東京人」と呼んでいます.
東京人とは,東京出身・在住の人を直接的に指すのではありません.
東京に代表されるような,大都市が生み出す大衆俗物性を纏った人間のことです.


見事なまでに「東京の魔力」を歌う曲だと思います.
「とんぼ」の男のほうが,なんぼか「幸せ」がなんたるかを知っていると言えるのではないでしょうか.

コメント