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希望が見えたボードン袋,届いたピロー包装フィルム|資材不足を煽る農系ユーチューバーにご注意を
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出荷備品はなんとかなりそう
先日の記事で,農業における必須備品である出荷用のボードン袋やピロー包装フィルムが入手困難になっているという話をしました.しかし,どうやらその危険性は幾分か払拭されてきています.
実はあの後,販売代理店や供給メーカーさんから連絡があったり,実際にピロー包装フィルムも到着し,当面(冬期まで)のあいだは出荷可能状態が確保できることになりました.
ボードン袋のほうは入手経路は確保できていたので,ひとまず年内,もしくは年度内くらいはなんとかなりそうです.
政府が「年内は大丈夫.通常の経済活動を続けてくれ」という趣旨のメッセージを出していますよね.
ここ数日,前述の販売代理店とかメーカー,あとはホームセンターとか配送業,農協といった方々と情報交換するなかで,いろいろと日本の現状を推察できる点がありました.
結論としては,「なんとかなるだろう」って感じです.
ところで,この「農業用資材が不足している」については,
「このままでは日本の農業は崩壊する」とか,
「食糧不足に陥って飢餓が発生する」
などといった言説をネット上で見かけることがあります.
まあ,この世界情勢がどんどん悪化して,解決の見込みなく何年も経過するようならその可能性もありますが,当面の間(今年度中くらいの見通し)は,そんなことはなさそうなので,このブログを読んでくれている皆様におかれましては冷静になってください.
たぶん,地獄絵図みたいな事態にはなりません.
ただ,食料価格が高騰してしまう可能性は高いです.
なんせ,生産コストがシンプルに上がってしまっているからです.
でも,食料が入手困難になるような事態は考え過ぎかと思います.
先日の記事でも書いたように,スーパーマーケット等での「販売方法」に工夫が必要だったり,市場や卸,小売店なんかとの流通方法に対する融通や調整が必要になる可能性があるくらいかなと.
「農業用資材が不足している」というのは,半分正しい
この話題について,もうちょっと深掘りしておきましょうか.
上述したように,他業種の方々と情報交換するなかで分かってきたことがありますので,そこから私なりに組み立てた理屈です.
まず,「農業用資材が不足している」「このままでは農業ができなくなる」「食料が供給できなくなる」と煽っている人たちですが,彼らの言っている状況はたしかに存在します.
私も先日の記事で触れたように,通販サイトやホームセンターでは,農業用資材が軒並み「受注ストップ」「取り扱い停止」という状態です.
でも,多くの「専門的農家」は,この状態にあまり困っていません.
なぜか?
いわゆる,スーパーマーケット等で販売されている一般消費者向けの商品とか,飲食店などに向けて流通している食料品というのは,それなりの規模と技術をもった「専門的農家」が生産を担っています.
で,こういう農家は,通販サイトやホームセンター,みたいなところから農業用資材を調達しているわけではないんです.
たいてい,JA(農協)とか販売代理店などを通じて購入しているんですよ.
考えてみれば当たり前ですが,生産量の計画から「契約」というかたちで入手しています.
かくいう私もそうです.
だいたい今期の生産量はこれくらいだから,これくらいの量を予定しています,などとJA とか販売代理店の営業マンなんかと話して,メーカーはそれに合わせて長期計画で供給準備をしていくわけ.
で,そういう契約農家に向けて供給する資材は,(今のところはまだ)十分に確保できています,っていう状態のようです.
なので,そんな私達みたいな農家は,農業用資材が入手できなくて途方に暮れている,っていう状態では(今のところはまだ)ないのです.
一方,通販サイトやホームセンターから農業用資材が消えて困っている農家さんもいるわけですよね.
では,そういった通販サイトやホームセンターで農業用資材を入手している「農家」とはどんな人たちなのか?
※以下,私の独断と偏見が強い推測をお示しします.その点,ご留意ください.
JAとか販売代理店を介さず資材調達してるってことは,だいぶ小規模で一匹狼な農家さんではないでしょうか.
いわゆる,「JAに頼らない農業」とか「オーガニックな農業」とか「摩訶不思議な栽培法」とかを実践している農家.
で,そういうタイプの人がYouTubeなどのSNSを通じて「農業の今」を発信することが多いんじゃないかなと.
結果として,「農業用資材が不足して大変なことになっている」という趣旨の情報がまわりやすいと.
で,勢い余って「このままでは農業ができなくなる」「食糧難になる」というメッセージを出したくなっちゃうと.
でも,こういう小規模・一匹狼系の農家は,日本国内の食料供給にはほとんど貢献していません.
誤解しないでくださいね,
「まったくのゼロ」「全然貢献していない」というわけではありませんよ.
仮にこの類の農家さんの生産量が壊滅的になったとしても,食料価格が上がりこそすれ,食糧難になるほどではないと思います.
繰り返しますが,とはいえ,これらの主張やメッセージは半分正しいです.
実際に通販サイトやホームセンターなどでは,農業用資材が不足しているので.
でも,どうやら農業資材メーカーさん達としては,「例年通りの供給を予定しているので,それを逸脱した注文には対応できない」ということらしく.
つまり,契約を交わしている取引先には,普通に例年ベースの量を供給します.
そして,通販サイトやホームセンターにも例年通りの供給をしているのだが,現在は買い占めの動きに対して,それを解消するための増産はしていない,というのが実態のようです.
これ,転売ヤー対策としても賢い方法だなと思いました.
他業界でも似たような対応をしているのではないでしょうか.
「石油由来製品が不足している」という話を聞いたら,一旦これらの可能性を考えてみてもいいかもしれません.
そんなわけで,「農業用資材が不足している」ということについては,過剰に不安視する必要はないようです.
食料供給が滞る事態につながる可能性は低いと思います.
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