2016年8月8日月曜日

井戸端スポーツ会議 part 36「イチローの3000本安打」

天皇陛下が重大なお言葉を述べられた日ではありますが,それについて論じるのはおこがましいのでスポーツの話題にします.

ついにこの日がやってきましたね.
イチロー,メジャー3000本安打です.
類稀なる素晴らしい選手をリアルタイムで見れていることに感謝.

この記録の偉大さがどれほどかと言うと・・・・.

などと言い出すのは野暮です.
野暮どころか最悪です.
イチローが3000本安打を打った.これはもの凄い偉業です.奇跡的な御業を目の当たりにできた.その価値が分かるものがその価値を噛みしめればいい.

以下,前回の■井戸端スポーツ会議 part 35「リオデジャネイロ大会」とも関連するのでそちらも一緒にどうぞ.

よく,野球界の偉業に対して,
「でも野球は世界的にはマイナーなスポーツだから,そこでの記録なんて大したことではないんだ」
などと言い出す人がいます.

たいてい,その比較対象はサッカーであることが多いんですけど,別にここでサッカー・ファンを批判したいわけではありません.私もサッカー・ファンの一人ですから.

わざわざ他の競技種目と比べようとする根性が腐っているのです.
ピカソとゴッホ,フルトヴェングラーとマイケル・ジャクソンを比べることに意味が無いように,同じスポーツの中でも競技種目をまたいで比較することに価値はありません.
すきやばし次郎の寿司を食って「こんな寿司より二郎ラーメンの方が旨いぞ」と文句を言ってもバカなだけです.
でも,こういう比較をやらかす奴はたくさんいます.Yahoo!ニュースのコメント欄を見ていたら結構いる.

どの競技が最も高度なパフォーマンスを発揮しているのか,なんて議論をしている時点で,その人が浅薄な人間であることを明らかに示しています.
学生にもそんなことを質問に来る者がいます.
なので,どのようなもので比較しようとしているのか問いただしてみたら,
「競技人口の多さ」
「年俸」
「動いているマネーの大きさ」
「運動量・運動強度」
「経済への波及効果」
「選手の犯罪率」
といったものを出してきます.
なので丁寧に叱ります.「君は人間として下劣だよ」ってことを,オブラートに幾重にも包んで叱ります.
いや,これ結構大学教育において重要だと思うんです.
人間にとって,スポーツ教育が大事であることの一つです.

四の五の言わず,身体から繰り出されるパフォーマンスに,ただただ感動すればいい.
野球というフィールドは,イチローというパフォーマーの価値を存分に引き出した舞台でした.
スポーツは芸術なのです.
このことは■井戸端スポーツ会議 part32「イチロー」でもお話しましたね.

その一方で,「記録」が生まれたからと喜ぶ人もいます.
こういう人は,「同じ日本人が頑張っているんだ.我々の偉業を素直に喜ぼうじゃないか」という趣旨のことを言う.
でも,なんでもかんでも褒め称えればいいってもんじゃありません.
例えば今回の件であれば,野球のバッティングという身体運動がどのような価値を持っているのか知ることが大事です.3000本打つためにどのような条件があるのかを知らなければなりません.
それを考えもせず,ただたんに「3000本打った.これはメジャーリーグで偉大な記録らしい.そうメディアで報道している」ということで喜んでいるとしたら・・・.

細かいことにケチをつけているように聞こえるかもしれません.
でも,こういう「スポーツを観る態度の堕落」が,いつしか形を変えて別の場所で巨悪を生むような気がしてならないのです.


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