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大学生用:生活費を勉強に向けるための食事法
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もうすぐ新年度ですね.
新しく一人暮らしを始めるという学生も多いことと思います.
勉強を頑張ろうと考えている学生にとって,大学生活における一人暮らしの至上命題は,とにかく「面倒を減らす」ことと言っても過言ではありません.
前回は「服装」について,その面倒を減らす方略をご紹介しました.
■大学生用:おしゃれしない人のためのオススメの服装
今回は「食事」です.
慣れない一人暮らしは食事が疎かになります.料理好きならまだしも,時間を勉強やサークルに,お金をテキストや研修費に割きたい学生にとっては,食事にかけるエネルギーはできるだけ抑えたいところです.
以下を参考にしてもらえれば,大学生活を有意義にできるかもしれません.
※今回はこの書籍を参考にしました.詳細を知りたい人はこちらをどうぞ.
私が学生時代に実践していた食事戦略をもとに,大学生用としてアドバイスできることをご紹介します.
そのコンセプトは,
(1)調理が簡単,むしろ調理しなくていい
(2)栄養バランスに優れる
(3)スポーツ活動にも有益
(4)安い
適当に組み合わせるだけで,栄養バランスはとれる
以下の食事をご覧ください.これら「A」「B」「C」のうち,どれが「理想的な食事」でしょうか?
A:ご飯,味噌汁,焼き魚,目玉焼き,サラダ,牛乳,その他
B:パン,ゆで玉子,バナナ,牛乳,オレンジジュース
C:ご飯,玉子,納豆,牛乳,オレンジジュース
写真:岡村浩嗣 著『ジムに通う人の栄養学』より
「やっぱりAじゃないだろうか? いかにも栄養バランスが良いように見えるし」
と考えがちですが,実際に栄養計算してみると栄養バランスはいずれの食事も優良なのです.
栄養データ:岡村浩嗣 著『ジムに通う人の栄養学』より
食事と栄養について熱心な人ほど,「こうでなければダメ」「理想はこれ」という思い込みがありますが,実は食事というのは食品群の組み合わせ方次第です.
そして,その組み合わせ方はシンプルなもので全く問題ありません.
私も学生の頃は,ひたすら納豆・卵かけご飯に牛乳だけで過ごすこと多かったです.
このメニューなら,卵は安売りの時にまとめて買っておけばいいですし,納豆も基本的に安い食材です.生活費に貢献してくれます.
それで体調を崩したということはありません.「バカ」であったことはたしかですが,一度も風邪をひきませんでした.
ご飯とパンをたくさん食べればいい
意外と勘違いされているのが,「ご飯」や「パン」といった主食の栄養素です.
栄養バランスに気をつけている人や,本格的な競技スポーツをやっていて食事・栄養に関心が高い人ほど陥っているのが,「ご飯やパンは炭水化物だ」という誤解です.
当たり前ですが,ご飯もパンも,炭水化物だけではありません.
ご飯とパン,それぞれの100g当たりの栄養素を示しましたので,ご確認ください.
たしかに主食は「炭水化物」が多いのですが,それ以外の栄養素も含まれているんです.特に,パンは脂質やタンパク質,カルシウムが豊富ですし,ご飯は重量あたりで考えると高タンパク低脂肪な食品であることが分かります.
もちろん,このことは他の食品にも同じことが言えます.
卵や肉はタンパク質だけで出来ているわけじゃないし,野菜はビタミンばかりが含まれているわけではありません.
それらにはいずれもタンパク質・脂質・炭水化物が特徴的に含まれていて,ビタミンやミネラル,その他の微量栄養素が混ざっています.
これらを適当に食べていれば,栄養バランスは体が勝手に調整してくれます.
それを逆手に取ったのが,あの「炭水化物ダイエット」というトンデモ理論です.
まあ,トンデモというほどではないけど,東京大阪間を原付バイクで往復しようとする人に似た何かを感じます.「原付バイクでも往復できるんですよ!」とか言っちゃって,そりゃそうなんでしょうけど,素直に新幹線に乗れよ,って思います.
お金に困ったらご飯やパンをたくさん食べましょう.たくさん食べれば大丈夫.
それで栄養バランスの問題は半分解決します.
特にご飯は高タンパク低脂肪な食品なので,こいつさえ用意してれば大丈夫です.
これはつまり・・・・.
ご飯は単体で食べられないので,おかずで栄養バランスが勝手にとれる
という状況を導くことになります.
和食が健康的だといわれるのは,なにも「和食のメニューそのもの」が栄養バランスに優れているからではありません.
和食は主食である米だけで食事が完結できず,どうしても「おかず」と一緒に食べなければいけなくなりますから,自然と栄養バランスがとれてしまうのです.
ご飯だけではダメだから,卵やふりかけ,納豆や漬物と一緒に食べたくなります.
味噌汁もインスタントでいいから付ければいい.
ご飯に合うものを一緒に食べていれば,栄養バランスのことを気にしなくてもいいのです.
もっと言えば,それが「民族の伝統」を大事にしなければいけないことにつながります.
今,結構重要なこと言いました.大学生諸君は覚えておいてください.
大学生活で気にしなければいけないのは,ご飯をきちんと炊くことです.それを生活の中心にもってくれば,大学生活は有意義なものになります.
おさえておくべきポイントは?
大学生の一人暮らしとしては,ビタミンとミネラルの不足が気になるところです.
なので,ここを重点的にカバーできる食品を一緒に食べることが重要です.
そんなこと言うと,ほうれん草のおひたし,ひじきの佃煮,サラダ,野菜スープなどを作らなければいけないと考えてしまいがちですが,そんなこと大学生にできっこない.
簡単に食べられるフルーツ(バナナ,みかんなど)や,オレンジジュースをつけるだけでいいんです.
ミネラルについては,牛乳やヨーグルトをつければほぼ解決します.
それに,これまた誤解している人が多いことですが,栄養は「1食」だけでバランスを取る必要はありません.
一週間くらいのなかでバランスが取れていれば問題ないんです.
昨日は脂肪分の多い食事が多かったなぁと思えば,翌日は低脂肪にすればいいし,先週は野菜が少なかったと感じたら,今週は野菜やフルーツを食べればいい.
むしろ,細かいこと気にしてたら不健康になります.
ヒトも動物の一種です.足りない栄養素があったら,本能的に「量」を食べることで解決しようとします.っていうか,それで大抵の問題は解決します.
ためしに2〜3日,ご飯やパンばっかり食べてみてください.嫌でもビタミンやミネラルが豊富な食品を口にしたくなりますから.
ここで問題となるのは,量を食べると必然的にカロリーオーバーになってしまうということ.
そんな時どうすればいいか? 簡単です.
運動しましょう
地球上にいる全ての動物は,栄養バランスが悪い環境でも生きられるようになっています.
ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は,量を食べることで解決し,その際に余ったカロリーは運動によって消費することで健康状態(生命活動)を保てるようデフォルト設定されています.
その点が最近の栄養学界でも重要視されるようになったので,例えば農林水産省が出している「食事バランスガイド」には「運動」が明記されるようになりました.
■食事バランスガイド(農林水産省)
以下に示した図の左上をご覧ください.栄養バランスという「コマ」をスムーズに回すためには「運動」が必要であることを示しています.
これはつまり,静的な意味での「バランスの良い食事」というものは存在せず,そこには必ず運動を伴う動的なバランスが必要であることを指しているんです.
ひとまず,冒頭で示したような「パンとバナナ」や「納豆玉子かけご飯」に,牛乳とオレンジジュースを付けるメニューで生活してみてはいかがでしょうか?
そのうち,飽きてきたらいろいろ自分なりの食べ方を考えるようになります.
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■大学生用:おしゃれしない人のためのオススメの服装
■危ない大学でもちゃんと卒論を書きたいとき
新しく一人暮らしを始めるという学生も多いことと思います.
勉強を頑張ろうと考えている学生にとって,大学生活における一人暮らしの至上命題は,とにかく「面倒を減らす」ことと言っても過言ではありません.
前回は「服装」について,その面倒を減らす方略をご紹介しました.
■大学生用:おしゃれしない人のためのオススメの服装
今回は「食事」です.
慣れない一人暮らしは食事が疎かになります.料理好きならまだしも,時間を勉強やサークルに,お金をテキストや研修費に割きたい学生にとっては,食事にかけるエネルギーはできるだけ抑えたいところです.
以下を参考にしてもらえれば,大学生活を有意義にできるかもしれません.
※今回はこの書籍を参考にしました.詳細を知りたい人はこちらをどうぞ.
私が学生時代に実践していた食事戦略をもとに,大学生用としてアドバイスできることをご紹介します.
そのコンセプトは,
(1)調理が簡単,むしろ調理しなくていい
(2)栄養バランスに優れる
(3)スポーツ活動にも有益
(4)安い
適当に組み合わせるだけで,栄養バランスはとれる
以下の食事をご覧ください.これら「A」「B」「C」のうち,どれが「理想的な食事」でしょうか?
A:ご飯,味噌汁,焼き魚,目玉焼き,サラダ,牛乳,その他
B:パン,ゆで玉子,バナナ,牛乳,オレンジジュース
C:ご飯,玉子,納豆,牛乳,オレンジジュース
写真:岡村浩嗣 著『ジムに通う人の栄養学』より
「やっぱりAじゃないだろうか? いかにも栄養バランスが良いように見えるし」
と考えがちですが,実際に栄養計算してみると栄養バランスはいずれの食事も優良なのです.
栄養データ:岡村浩嗣 著『ジムに通う人の栄養学』より
食事と栄養について熱心な人ほど,「こうでなければダメ」「理想はこれ」という思い込みがありますが,実は食事というのは食品群の組み合わせ方次第です.
そして,その組み合わせ方はシンプルなもので全く問題ありません.
私も学生の頃は,ひたすら納豆・卵かけご飯に牛乳だけで過ごすこと多かったです.
このメニューなら,卵は安売りの時にまとめて買っておけばいいですし,納豆も基本的に安い食材です.生活費に貢献してくれます.
それで体調を崩したということはありません.「バカ」であったことはたしかですが,一度も風邪をひきませんでした.
ご飯とパンをたくさん食べればいい
意外と勘違いされているのが,「ご飯」や「パン」といった主食の栄養素です.
栄養バランスに気をつけている人や,本格的な競技スポーツをやっていて食事・栄養に関心が高い人ほど陥っているのが,「ご飯やパンは炭水化物だ」という誤解です.
当たり前ですが,ご飯もパンも,炭水化物だけではありません.
ご飯とパン,それぞれの100g当たりの栄養素を示しましたので,ご確認ください.
以下の栄養計算は,食品成分データベースで閲覧可能です.
■食品成分データベース(文部科学省)たしかに主食は「炭水化物」が多いのですが,それ以外の栄養素も含まれているんです.特に,パンは脂質やタンパク質,カルシウムが豊富ですし,ご飯は重量あたりで考えると高タンパク低脂肪な食品であることが分かります.
もちろん,このことは他の食品にも同じことが言えます.
卵や肉はタンパク質だけで出来ているわけじゃないし,野菜はビタミンばかりが含まれているわけではありません.
それらにはいずれもタンパク質・脂質・炭水化物が特徴的に含まれていて,ビタミンやミネラル,その他の微量栄養素が混ざっています.
これらを適当に食べていれば,栄養バランスは体が勝手に調整してくれます.
それを逆手に取ったのが,あの「炭水化物ダイエット」というトンデモ理論です.
まあ,トンデモというほどではないけど,東京大阪間を原付バイクで往復しようとする人に似た何かを感じます.「原付バイクでも往復できるんですよ!」とか言っちゃって,そりゃそうなんでしょうけど,素直に新幹線に乗れよ,って思います.
お金に困ったらご飯やパンをたくさん食べましょう.たくさん食べれば大丈夫.
それで栄養バランスの問題は半分解決します.
特にご飯は高タンパク低脂肪な食品なので,こいつさえ用意してれば大丈夫です.
これはつまり・・・・.
ご飯は単体で食べられないので,おかずで栄養バランスが勝手にとれる
という状況を導くことになります.
和食が健康的だといわれるのは,なにも「和食のメニューそのもの」が栄養バランスに優れているからではありません.
和食は主食である米だけで食事が完結できず,どうしても「おかず」と一緒に食べなければいけなくなりますから,自然と栄養バランスがとれてしまうのです.
ご飯だけではダメだから,卵やふりかけ,納豆や漬物と一緒に食べたくなります.
味噌汁もインスタントでいいから付ければいい.
ご飯に合うものを一緒に食べていれば,栄養バランスのことを気にしなくてもいいのです.
もっと言えば,それが「民族の伝統」を大事にしなければいけないことにつながります.
今,結構重要なこと言いました.大学生諸君は覚えておいてください.
大学生活で気にしなければいけないのは,ご飯をきちんと炊くことです.それを生活の中心にもってくれば,大学生活は有意義なものになります.
おさえておくべきポイントは?
大学生の一人暮らしとしては,ビタミンとミネラルの不足が気になるところです.
なので,ここを重点的にカバーできる食品を一緒に食べることが重要です.
そんなこと言うと,ほうれん草のおひたし,ひじきの佃煮,サラダ,野菜スープなどを作らなければいけないと考えてしまいがちですが,そんなこと大学生にできっこない.
簡単に食べられるフルーツ(バナナ,みかんなど)や,オレンジジュースをつけるだけでいいんです.
ミネラルについては,牛乳やヨーグルトをつければほぼ解決します.
それに,これまた誤解している人が多いことですが,栄養は「1食」だけでバランスを取る必要はありません.
一週間くらいのなかでバランスが取れていれば問題ないんです.
昨日は脂肪分の多い食事が多かったなぁと思えば,翌日は低脂肪にすればいいし,先週は野菜が少なかったと感じたら,今週は野菜やフルーツを食べればいい.
むしろ,細かいこと気にしてたら不健康になります.
ヒトも動物の一種です.足りない栄養素があったら,本能的に「量」を食べることで解決しようとします.っていうか,それで大抵の問題は解決します.
ためしに2〜3日,ご飯やパンばっかり食べてみてください.嫌でもビタミンやミネラルが豊富な食品を口にしたくなりますから.
ここで問題となるのは,量を食べると必然的にカロリーオーバーになってしまうということ.
そんな時どうすればいいか? 簡単です.
運動しましょう
地球上にいる全ての動物は,栄養バランスが悪い環境でも生きられるようになっています.
ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は,量を食べることで解決し,その際に余ったカロリーは運動によって消費することで健康状態(生命活動)を保てるようデフォルト設定されています.
その点が最近の栄養学界でも重要視されるようになったので,例えば農林水産省が出している「食事バランスガイド」には「運動」が明記されるようになりました.
■食事バランスガイド(農林水産省)
以下に示した図の左上をご覧ください.栄養バランスという「コマ」をスムーズに回すためには「運動」が必要であることを示しています.
これはつまり,静的な意味での「バランスの良い食事」というものは存在せず,そこには必ず運動を伴う動的なバランスが必要であることを指しているんです.
ひとまず,冒頭で示したような「パンとバナナ」や「納豆玉子かけご飯」に,牛乳とオレンジジュースを付けるメニューで生活してみてはいかがでしょうか?
そのうち,飽きてきたらいろいろ自分なりの食べ方を考えるようになります.
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■危ない大学でもちゃんと卒論を書きたいとき