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大学教員やめて,新生活はじめました

引っ越しが完了した,という記事を先日書いたのですが,実際のところまだ「荷物」が届いていません.
最後に旧自宅をあとにした際に持ち出したスーツケースとリュックの中身だけで,ここ3日間を過ごしています.
その荷物というのはこちらのことです.


引っ越し費用を安くする都合で,こちらから到着日を指定できなかったのです.
そのぶん格安の引越し費用になったのですが.
この経緯は以前記事にしました.

引越し費用,しめて12万円(正確には11万7千円).

関東〜四国まで,部屋一個分の荷物を輸送するのに,このお値段.
人件費・燃料費・交通費もかかる中から,どうやって利益を出せるのか,その仕組みがよくわかりません.


なんにせよ,新生活が始まったのは良いことです.

これまでとは打って変わって,気楽な日々を過ごしています.
精神衛生上,極めて好ましい状況です.
砂漠に水を撒く想いのする初年次教育の準備とか,どうせ取り組むことのない研究プロジェクト計画の資料作成とか,学生募集に意気込む会議に出る必要もありません.

すべて自分の都合に合わせて,自分のやりたいようにやれる生活です.

なんというか・・,ブログタイトルでもある「Deus ex machinaな日々」ではなくなってきました.
人生ここまでくると,達観したものの見方ができるようになったのかもしれません.
逆に,ある意味ではDeus ex machinaな日々なのかも.
『Deus ex machinaな日々』とは何か


住んでいるところも以下のような辺境の地ですので,余計に「隠居感」や「仙人感」が漂います.

世捨て人になったわけではありませんけど,なるべく浮世から離れて生活したいとは思います.

両親が健在なのですが,まだ2人共テレビのある生活をしています.
芸能人の不倫問題だとか,新型コロナウイルスだとか,オリンピックだとかの話題を追いかけているんですね.
そんなもの,自分たちの生活には一切関係ないのだから,見なきゃいいのに.


私も先日までは,大学内での人付き合いが発生する都合上,世間の話題を完全シャットアウトにすることはできませんでした.
なんだかんだで,ネットニュースもちょくちょく見ていたものです.
そんなニュースを元ネタにしてブログ記事を書いていたこともあります.

ですけど,今後はそんな話も見聞きしなくて済む生活になりそうです.


そもそも,大学教員をやっていた時にしても,可能な限り浮世から離れて生きていたいと考えていました.
ところが,昨今の大学は浮世から離れるどころか,世俗にまみれていたのです.

むしろ,こういう生活のほうが,本来の大学教員らしい生活になっているのかもしれない.そんな気もします.


さっき,外を回ってきました.
今日は朝から快晴で,夜空も空気が澄んできれいです.
目が暗さになれてくると,おびただしい星が浮かんでいることに気づきます.
毎年,冬には星空を撮影していますが,今年は撮っていなかったのでここで撮影してみました.

さすが,過疎化が進む土地はやっぱり違いますね.
我が家から向かいの山を,Nikon1 V3を用いてシャッター速度30秒・ISO3200で撮影したのがこちらです.


右上に冬の代表的星座「オリオン座」を配置して撮ったのですけど,オリオンの三ツ星がわかりますか?
なお,中央の明るい星がシリウス.


私がこれまでの仕事を捨てて実家に戻ってきたことを,心配したり理解不能な人もいますが,心配される必要もないし,理解してもらおうとも思わない.
私には私の幸福の基準があって,それが達成できているならそれでいいのです.

元大学教員であった作家の森博嗣氏も,著書でこんなことを述べています.
「あなたのその夢は,自分が叶えたいことか? 叶える姿を他人に見せたいことか?」

人間というのは,「こんなことがしたい」「あんなことがやりたい」と言っているその実,それは自分が本当にやりたいことではなくて,それをやっている自分を他人に見せたいという気持ちから沸き起こる欲望ではないのか,ということ.

真に充実した生活を送るには,他人に見せたいことに取り組むのではなく,自分がやりたいことへ素直に取り組むことが大事.

逆に,ちょっとでも「他人からどう思われるか?」で生活スタイルを決めていたら,どうあがいても充実した生活にはならないでしょう.
これは私もそう思いますし,実際にそういうつもりで新生活をはじめました.

この点の細かい話は,
大学教員をやめて,次どうするのか? その1
に書いているので,そっちをどうぞ.


 


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